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カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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Canon 7 の明り取り窓の交換の巻

2019年05月02日 20時57分05秒 | ブログ

なんか大型連休の前半は雨がちで、あまり良い天気ではありませんね。私のように、どこにも出かけない人間にはどうでもよいことですが・・キヤノンのレンジファインダー高級機、キヤノン7のブラックですね。市場ではあまり人気がないようですが、キヤノン・レンジファインダーの集大成というか、機械式カメラ生産で一番技術力があった頃のカメラじゃないですかね。私も好きで0.95も所有していますよ。オーナーさんは前のキヤノネットと同じ方です。で、後塗りだと思った。とのことですが、いえいえ本物のブラックですよ。入手価格を聞いて、ちょっとがっかりした私でした。そんなになっちゃうんだぁ~。

経時的に明り取り窓の樹脂が割れるのが多いですね。私も昔にレジンで複製をしたことがありましたが、時間が経つと黄ばんでしまうのですね。レジン製作の限界を感じて止めました。

 

オーナーさんから複製品の樹脂板に交換して欲しいと同梱頂きましたよ。へぇ~、今はこのようなパーツが手に入るのかぁ。しかし、クロームボディーと塗装では全く難易度が違って来ます。エポキシ接着剤は塗膜との親和性が非常に高く、メッキ面の接着のように「パリッ」と剥がすことは出来ないのです。無理をすると塗膜を剥がすことにもなりますから注意が必要です。

で、交換しましたよ。塗膜は無傷です。

 

 

オリジナルと全く同じように接着をしてあります。絶対に剥がれません。ファインダーのモルト交換などをしておきます。

 

 

拡大してみると、どうも樹脂の成形品ではないみたいですね。山形が滑らかではなく刃物で切削をしたような感じです。

 

 

これがオリジナルの成形品ですね。違うでしょ。キヤノン7の場合、山形が天地の違いはないようです。微妙に山列の寸法がオリジナルと違うように見えなくもない・・

 

ファインダー窓の仕切板接着、モルト貼り配線留めをしてオリジナルと同じ仕様としました。

 

 

 露出計は低輝度側は元気に振れますが低輝度側が振れないようです。切換の接点をメンテナンスします。

 

 

意外にあっさりとした底部。各部に注油をしておきます。

 

 

アンダーカバーの板厚は0.8mmと厚いですね。カメラ自体が重いので、薄いとすぐに変形してしまうでしょう。

 

 

古いモルトを除去して新しいモルトを貼っていきます。

 

 

きれいになりました。

 

 

良いカメラだと思いますけどデザインがイマイチなので人気がないのでしょうかね。私も20年近く前に新宿御苑で撮影したのが最後だったですね。明り取り窓は寸法も正確で、まったく加工無しで接着することが出来ました。良いパーツが流通しているのは朗報ですね。

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