眼科に検診に行って来たので瞳孔が開いて眩しくてモニターが見えにくいです。塗装のコンディションが悪いPEN-Wでも中にはこんなにきれいな個体もあるんですね。殆ど使われずに仕舞い込まれていたのでしょう。
リペイントをしたのかと見間違うきれいさ。しかし、トップカバーに目立つ塗装ブツが2つ確認できます。私のリペイントの基準で言えば不良で塗り直しですが、本家は意外に良品基準が緩いのです。
過去にシャッターの分解歴はありますが、ファインダーは手を付けていません。というか、レンズの分解はせずに清掃はされているようです。前面の保護ガラスには内側にガラスの曇りがあって、清掃では取れないため研磨をして組みました。
このような個体ほどレンズのダメージが大きいものです。これは良くないなぁ。。後玉のバルサム黄変は定番ですが、その前のレンズにもポツポツと嫌な汚れがあります。適度に使われていた個体の方がレンズのコンデションは良いのです。
使われなかった個体のもう一つの問題は、裏蓋のモルトが変質してダイカスト底部の塗装を侵してしまうこと。それにしても悪いですね。
拡大するとこのような状態。本来は研磨後に焼付塗装をするのが最良ですが、タッチアップで見積もってしまいました。
結局、全面がダメでしたので研磨をしたところ。これはタッチアップという状態ではなくリペイントです。
本来は焼付塗装ですが、予算がないので通常塗装で塗装しました。
シャッターのハウジングを留めるネジの白い緩み止めが壊されているので分解を受けています。
問題はレンズですね。普通は後玉が曇るのですけど、この個体は前玉でした。絞りのクリックバネを留めるネジが1個ないですね。しかし、そもそも留まっていた形跡がありません。最初から付いていなかった?
こういう感じね。内側のコーティングが劣化をしてガラスにまで影響が及んで・・レンズが黄色く見えるのはサンドイッチになっているバルサムの劣化です。
今回は研磨などはせず、清掃で出来るところまでとしました。だいぶ良いですよ。
ファインダーの接眼などもあまり良くなかったです。清掃の上、接着をしてあります。接眼とカバーの隙間には、ちゃんとモルトが入っています。
矢印のところが打撃で陥没しています。さすがに工場では、この状態では使いませんから、前回の修理の時に落下させた? トップカバーサイドのネジ部にはスペーサー用のワッシャーが入っている個体が多いですが、この個体は特に厚いワッシャーが入っていました。
#1250XX 1964年-11月製。外観がここまできれいな個体は、私のところに過去数台しか来ていませんね。撮影の後はカメラに付いた手汗を拭いておくようにしてください。次のUPは少し時間が空くかも知れません。
http://www.tomys800.sakura.ne.jp/