今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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RADO Purple Horse が動かないの巻

2019年04月26日 20時10分24秒 | ブログ

その前に、みなさんにお願いです。クラシックカメラ店様の買取機の修理ご依頼なのですが、ペトリハーフです。いずれ店頭に並ぶので最初の状態はお見せ出来ませんが、ざっと清掃したところです。機械的には復活できると思いますが、前面右下のバッチと・・

 

接眼レンズの接眼カバーが欠品しているのですね。どなたかペトリハーフのジャンクをお持ちでないでしょうか? 元々、現存数の少ないモデルですし、健全な個体は高価なので部品取りで入手が出来ないのです。何とか店頭に並べたいと思いますのでご協力のほどお願いいたします。

http://www.tomys800.sakura.ne.jp/

 

で、本題です。全く不動のRADO Purple Horse が来ています。初代ではなく復刻版のようです。

 

 

 

キャリバーはETA Cal.2872 17石となっていますね。止まりの原因を探ってO/Hをして行きます。

 

 

止まりの原因は油切れと画像のように自動巻き機構の歯車軸に左下の黒い繊維片が巻き付いていて、リューズを手巻きすると固着して巻けません。このため巻き上げ効率が落ちていたためのようです。

 

機械は、結構乱暴な分解組立を受けていて、汚れが多く付着していました。超音波洗浄をしたところ地板はピカピカと光り出しました。さすがにETAです。

 

 

香箱の注油をして納めました。輪列を組んで行きます。

 

 

特に問題のない機械なので、こちら側は自動巻き機構を残して完成。

 

 

機械は28800振り(8振動)ですので、テンプをアシストして動き出しましたが、どうも調子が良くありません。タイムグラファーで計測してみると、片振りが6.5もあります。どんな調整をされていたのでしょう? 天真に摩耗があって、表裏で30秒の差があります。

 

天真の摩耗は仕方ありませんので妥協点を見つけて調整をしました。Cal.2872はCal.2870にカレンダー(date)が付いた仕様。切換はクイックセット(瞬間切換)です。

 

過去の分解で文字盤の植字RADOと、タツノオトシゴが変形しています。文字盤自体はきれいなのに勿体ないですね。パープルホースはタツノオトシゴが紫色と思いましたが赤に見えますね。

 

ケーシングをして自動巻き機構を取り付けます。

 

 

左は私のゴールデンホース。両モデルのコンセプトの違いが分かりません。12時下の⚓マークが動くのが子供の頃すごいなぁと思った記憶があります。(家にありました)ゼンマイのパワースケールでもなく、単に裏からカシメて回るだけです。これが回らなくなっている個体が多く、それも気になってしまうのです。パワーリザーブは44hです。

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