今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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美品のPEN-D2の巻

2019年04月08日 19時26分27秒 | ブログ

最近、現存数の少ないPEN-D2が続いて来ますね。#1039XXは1964年(昭和39年)8月の製造になります。これが美品でして使用感も少なく保存状態も良好で、持病の後玉もきれいです。ファインダーが曇っていますね。

 

残念なことに露出計が動きません。

 

 

配線と露出メーターを点検しますが、どちらも問題がありそうです。

 

 

この頃のコパルシャッターには珍しく、低速まで正常に作動していました。すべて分解をしてO/Hをしますが・・

 

 

シャッターユニットを完成させて、ヘリコイド部とドッキングさせると、僅かにガタを感じました。点検のところヘリコイドグリスの抜けですね。

 

 

この個体は未分解機と思いましたが分解を受けていますね。とは言ってもシャッターなどには手を付けておらず、ファインダーや露出計周辺ですが、それが微妙に影響がありますね。露出計不動を調べて行くと回路のショートもあるようです。電池接点の形状が微妙で、ピンセット先の片は位置決め用と思われますが、ここが微妙にせり出していて電池の+側と接触するのです。最近は電池アダプターや簡易スペーサーなど異形を使うケースも多いですから、接触のケースも多いのかと思われます。接触をしないように調整をしておきます。

Cdsの作動は正常でした。

 

 

スペースの関係でしょうが、露出計のスイッチが斜めに付いていますね。これで正式です。これによって、ボタンの動きが真っ直ぐに伝わりにくく接触不良を起こす場合があります。また、このスイッチの接点も酸化により接触不良を起こしていることもあります。

 

ボタン側から見ると・・スイッチが中心から外れて取り付いていますね。すべての個体が同じ状態になっていて、ボタンの反応が良くない原因にもなっています。

 

駒数板の針の下にはキー付きワッシャーとプレーンワッシャーが重ねて入っているのが普通ですが、ダイカスト本体とトップカバーの組合せにより、プレーンワッシャーが省かれている個体もあります。この個体も入っていませんでしたが、トップカバーとカニ目ネジを組んだ時、カニ目ネジが駒数ガラスから飛び出し過ぎていますので、この個体は本来プレーンワッシャーは入っていたものと思いますので追加して組みます。その他、巻上げダイヤルの回転重さや引っ掛かり現象の原因ともなります。

清掃した前玉をセットして、シャッターダイヤルリングを取り付けます。

 

 

露出計は作動します。補正無しで正確です。

 

 

持病の後玉の曇りも無く、外観もきれいな素晴らしいコンディションの個体です。シリアル№からは後期型という訳でもないので保管が良かったのでしょう。

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