今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

SEIKO 新10A寄せ集めで作るの巻

2017年12月19日 10時02分55秒 | ブログ

時間を掛けて部品を揃えていたセイコー新10Aです。カメラの作業が続いて中々手を付けられませんでしたが、ここでカメラの作業が一段落しましたので仕上げたいと思います。機械の新10Aは程度の良い素材が少なく、丸穴車のネジ部破損という持病もあるのですが、疲労の少ない機械がありましたので、もったいないですから形にしておきたいと思いました。ケース、文字盤、風防、針、竜頭(巻芯)はすべてバラバラの個体から程度の良いものを選びました。

新10Aは終戦直後の1946年から製造された機械で7石と10石がありますが、残念ながらこの個体は7石でした。しかし、洗浄をして点検してみるとホゾ穴の摩耗もなく分解回数も少ない良い個体でした。

 

バナナ型と言われる所以の古典的な受けが特徴ですが、終戦直後の物資の無い時代としては美しい仕上げの機械です。

 

中古の文字盤ですが、黄ばみやキズの少ないものを選びました。針の嵌合は厳密には合っていないですね。秒針が問題。中の長めの針を使う予定でしたが、嵌合が合わず、短めの針を着けています。

 

ケースはメッキ仕様のものは腐食が激しく使用は難しいので、ステンレス製を探して来ましたが、これとて文字盤のサイズが多種ですので、適合するものを見つけることは至難です。

 

現在の感覚からするとボーイズサイズになりますね。例によって風防は角の部分の角度を修正してあります。ベルトのサイズは16mmですので、選択肢は少ないのですが茶系は似合いますね。

 

戦中の二重ケースと並べてみます。戦後の平和な空気を感じますね。この後の1950年には秒針が真ん中にある中三針のスーパーが発売されて、スモールセコンドは消えていきます。

http://www.tomys800.sakura.ne.jp/