このPEN-FV #1288XXですはね。おそらく一番長くうちに居た個体ですよ。私が入院したりして、リペイントをご希望でしたので、作業のタイミングを逃して数年はお預かりをしていたカメラです。何とも気の長いオーナーさんですね。で、以前にオーバーホールは終えていますので、リペイントなのですが、その前に一点だけメカに問題があります。
シャッターの低速が止まるのです。止まり方にも2種類ありまして、ジッジッジッとヨタヨタ動きながら力尽きて止まるタイプと、必ず決まったタイミングでカチッと止まるタイプ。この個体は後者です。このような症状の場合は、歯車が損傷していることが多いのです。
スローガバナーの拡大画像ですが、下のガンギ車についている歯車の歯が大きく磨滅していることが分かります。これは、1/8~1/4に切り替える時、上の幅の細い歯車が下りて来てガンギ車の歯車と噛み合うのですが、この時、歯車の山同士が衝突してしまい、損傷を起こすものです。ですから、1/8~1/4に切り替える時は、いきなりダイヤルを回さず、噛み合い方を確かめながらの操作する気づかいが大切なのです。この状態となると、損傷した歯車を交換しなければ改善するとが出来ません。
今日は睡眠不足で調子が悪くってね。私物の時計のケースを研磨しながらでしたので、メッキの剥離までですね。真鍮地の腐食がほとんど無いきれいなカバーですね。
オーナーさんがお持ちのスローガバナーを支給して頂き、超音波洗浄・注油で交換しました。今のところ作動は良好ですが、形状的にはどちらも改良前のユニット(初期型)で、その意味では整合性は取れていますが、残念ながらこちらのユニットも程度問題で歯車はすでに磨滅をしていました。気を付けないと、そのうち同じ症状となるでしょう。PEN-FVはFTで言う初期型と同じ仕様で組まれている個体が多いですが、かと言ってすべてそうではない。改良後で組まれた個体も存在します。
今日は寒かったぁ。こんなに早く寒波が来るとは予想していなかったもので、もっと早めに手がけておくべきでした。30分に一回おしっこに行きたくなって困りましたね。へこみが無くて良好と思えたボディーでしたが、塗ってみると、意外やプレス傷が多くて殆ど傷消し作業に時間が掛かりました。これから、文字の色入れ、駒数ガラスの接着、ターミナルの取付けなどの小組立を行います。明日は衆院選の投票日ですが、私はすでに不在者投票を済ませていますので、一日じっくりと組立が出来ます。大雪の地方もあるようですが、みなさん,棄権はせずに投票に行きましょう。
セルフタイマーレバー、シャッターダイヤル、巻き戻しノブをアッセンブリしておきます。
トップカバーASSYの製作。分離しておいた駒数レンズを嵌め込んで接着をします。
本体の組み立てをしていて「しまった」。巻き上げレバーの塗装を忘れていました。当初、塗装色をグレー系と考えていたものですから、レバーの塗装は無いと思い込んでいました。分解をして塗装をしてありますが、巻き上げレバーユニットは小さい割には多くの部品で構成されています。特に、上下二段(各6個)のベアリングを紛失しないように注意をします。では、注油をしながら組立て行きます。
完成した本体に上下カバーと巻き戻しダイヤル、セルフタイマーレバーを取付けて完成です。
正式にはボトムプレートって言うんですね。底カバーはFV専用部品ですから電池室は無いですね。
傷をつけないように綿手をしているので、白っぽい画像になっていますね。今回はオリジナルの新品よりは、裏蓋などの使用過程に合わせて艶を出し気味にしています。
お約束?の短冊カタログから。FV単独のカタログはあるのかなぁ? いつも小さく載っています。もちろん、ブラックモデルは存在しません。