今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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またまた10年放置のPEN-F

2014年01月14日 20時26分29秒 | インポート

Img_338161 前々回に10年ぶりのPEN-Fをやりましたが、この個体も不調となって10年間放置されていたという個体ですよ。リターンミラーのフリーズや巻上げ関係が変ですね。レリーズボタンが復帰しないなどありますが、これはどうしたのでしょう? 裏蓋が開かなくて、強引にドライバーなどでこじって開けてしまったようですね。これはまずいでしょ。

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ご覧のようにリターンミラーがフリーズしています。40mmレンズにも10年間のカビが見えますね。外観はかなりバッチイです。

Img_338325 トップカバーを開けてみると・・あれ? 未分解機なのかな? Fの場合は、レリーズボタンに汚れが付着するとスムーズに作動しなくなります。駒数板が固着して復帰していませんね。10年間の時間は長いですね。

Img_3384551 裏蓋と蝶番部がかなり錆が発生しています。→の小歯車が錆び付いて回転しません。

Img_338884 底部を見ると・・三脚環が一度分解された形跡がありますね。あれ、前回のFも同じようでしたよ。この部分だけ分解する意味は何だったのでしょう?

Img_338974 きびしいとは思いましたが、蝶番のシャフトは案の定抜けませんでした。CRCを入れてしばし放置で少しずつ動かして抜きます。ここが抜けないと、水洗い洗浄が出来ないのです。

Img_3390431 本体と上下カバーは完全に洗浄して汚れを取り除いてあります。裏蓋ですが、→のストライカが強く引っ張られたために変形をして、カシメのリベットが外れていました。再カシメと変形を直しておきます。

Img_339134 シャッターユニットの状態は悪くは無いですね。ブレーキが効いているかをチェックすると・・効いていますよ。今回は清掃で再使用とします。

Img_339325 しかし、スローガバナーはちょっと不安定な作動です。超音波洗浄をすると、細かな切り粉とチリが沢山出ます。これらが不調の原因となっている場合も多いのです。このユニットの場合は、歯車の損傷は軽微でしたが、ガンギ車とアンクルの関係が良くありません。

Img_339421 しかし、本体よりも前板関係の方が、文字通り10年寝かしたという劣化状態でした。前板の艶消塗装は汚れとカビがこびりついて拭き上げではきれいになりません。また、マウント部の腐食が進んでおり、ダイカストが粉となっています。すべて分解洗浄をしたところ。

Img_339577 で、注油をしながら組立てたところ。ミラーユニットは完全に粘って、作動不良の状態でした。

Img_339688 前板ASSYを本体とドッキングしたところ。プリズムには、細かな腐食があります。この頃の個体はファインダーハウジングの全反射ミラー取り付け面の右側にミラーの倒れ修正用の厚紙が貼られています。

Img_339799 #1913XXは1965年5月の製造ですから、すでに50年近く前に生産された精密機械です。さすがに汚れやカビで汚れ放題だった個体がすっきりきれいになりましたね。

Img_339855 付属のF用40mmの清掃をして完成です。10年ぶりに現役復帰です。しかし、当時この草刈正雄似の外人(ハーフ?)が構えるPEN-Fがハイセンスでカッコ良かった記憶があります。機能美から来る優れた工業デザインは決して古くならない。零戦にも通じる何かがあります。改めて思い知らされることです。ご両人共、縦位置の構えですね。親指でシャッターを切るのかぁ。。これがPEN-Fの通常スタイルなんですね。さて、次は腕時計をやりたいなぁ・・

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忘れていました。関東地方も寒波によって寒い日が続いていますが、もっと寒い北海道のINOBOOさんから写真の便りが届いていました。釧路川と木に付いた霧氷だそうです。幻想的なブルーですね。寒くても情熱を持って撮影されている方には頭が下がります。早朝は血圧に注意しましょうね。(フジX-E1+28mm相当の単焦点レンズにて撮影)

http://www6.ocn.ne.jp/~tomys800/