2台は別々のオーナーさんです。当初は、どちらも問題のない個体と思って、一緒にUPを始めたのですが・・・
まず、問題の無い方から。PEN-F #190XXで、Fとしては非常に状態は良いと思います。持病のプリズムの腐食もありません。ただ、画像のように、リターンミラーが戻らずにフリーズしています。
原因は、メンテナンスをしていないことによる作動不良ですね。全体を分解洗浄して、組み直して行きます。ほんとに、書くこと無いですね。
このように組立終了。1965年5月製で保管が良かったせいで、状態は非常に良いと思います。過去に修理歴はありましたが・・・
ミラーが作動しているんですけど、写っていませんね。あはは。全反射ミラーもきれいで、ブレーキも利いてはいませんが、悪さはしていませんので、どちらも交換していません。
問題はこちらなんですねぇ。オークションで「整備済み」を購入されたそうです。なるほど後期生産機ですから、外観は良いと思いますね。80点ぐらいかな。巻上げレバーがトップカバーと接触しています。通常はストッパーの変形ですが、この個体を観察すると、樹脂製のストッパーが切れているようです。通常は切れることはありませんので、ちょっとイヤな予感・・・
セルフタイマーボタンを分離してみると。「今なに」を見続けてくださる方は覚えていらっしゃると思いますが、過去に何度か見覚えがありますね。ボタンにワッシャーが嵌められているのです。記憶では、この流儀の個体は良い印象はないのです。
人様を批判気味たことは決して本意ではありません。しかし、現状ですから、書かない訳にも行きません。予感は的中です。露出計の基板など、半田付けですごいことになっています。
シボ革を剥離します。えぇぇぇ・・? これは変でしょう。前板の留めビスが30万台は+ビスですが、これは前期のスリ割りビスですね。シャッターダイヤルの留めビスも一緒。+とスリ割りでは、頭のサイズが異なるため、前板の加工も同じではありませんので、ビスのみ換えたのではありませんね。+からスリ割りにわざわざしないし・・。
底部から見ます。リターンミラーユニットが30万代のものではありませんね。と言うことは、前板ASSYで交換された可能性があります。過去もそうだったよなぁ。困るなぁ・・・
テンションハンマーも留めビスごとヤスリが掛かっています。意図不明・・・
ビス頭をどうやったらこのように笑わせることが出来るのでしょう。教えてください。左のビスはねじ山を壊して無理にねじ込んであります。修正交換します。
31万代の個体なので、程度が悪いはずがありません。なぜ前板を交換する必要があったのでしょう? この部分は、エンジンのクランクケースと一緒で、二分割の両方でセットです。同じ形式エンジンでも、他の個体のケースと合わせた場合、組むことは出来ますが、精度は出ません。結果、ファインダーのピントが大きくずれていました。
一緒について来ているのはキヤノンDIAL RAPIDです。今となっては撮影は出来ませんが、外装ケースの当りの修正がご依頼です。この頃のキヤノンはアルミのパールアルマイト仕上げを多用しており、確かに真鍮の梨地メッキよりは、新しい時代の製品という雰囲気が漂っていますね。しかし、この頃のカメラはまだ重いですから、アルミ製のケースでは、ちょっと当てただけでもへこんでしまいます。↓(裏蓋ロック部)がへこんでいますね。しかし、アルミは伸びていますし、梨地と比較して、平滑面がもろに出てしまいますから修正は殆ど無理なんですね。
弱いアルミですから、叩く訳にも行きませんので、長時間、クランプをしておくしか仕方ありませんね。
ボディ側の左下辺りですが、画像ではきれいに戻っているように見えますが、鋭角的に曲がって山形に変形した部分は分かってしまいます。梨地でしたらごまかせる程度なんですけどね・・・。
キヤノン ダイヤルラビットは1965年発売のコダックインスタマチックシステムを採用したハーフカメラ。1963年発売のダイヤル35のスプリングモーターやダイヤル窓のCds素子窓などを基に開発された機種ですね。現在はフィルムの生産は終了しているようで、マニアさん達は、フィルムの自作によって撮影をされているようです。フィルム感度はオートセット式で、通常のカメラのように設定個所が見当たりませんね。比較的大柄なボディーで重量を計測したところ410gと重いですから、コンパクトカメラとしては、あまり使いやすいカメラではなかったようです。
因みに、以前オリンパス社内にある、ミュージアムを訪問した時の画像を載せておきます。ペン-EED ラビットはキヤノンと同じく、1965年の発売です。ファインダー窓が出目金みたいですね。ショーケース内の撮影。
今週10日(日曜日)までペンスケ展8が東京・渋谷会場で開催中です。今回は会場 ギャラリールデコの2階+3階を使用して盛大に行われています。近郊のペンファンは会場に足をお運びください。開催時間など詳しくは、下記でご確認ください。http://mazken.cocolog-nifty.com/