今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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Canon DIAL 35 は残念修理中止

2012年05月17日 22時28分11秒 | インポート

Dscf104186_2 ちょっと間が空きました。作業はしていますが、書くことが無いのでUPしていませんが、アクセス解析を見ると、大勢の方がクリックして頂いているので申し訳ありませんから、UPをしようと書き終わったら、何かの手違いで消えてしまったのでした。2回書くのはしんどいので、簡略版で書きますね。

キヤノンのダイヤル35-2で改良版ですね。ダイヤルと言ったって、今の若い方は電話のダイヤルがモチーフなんて気が付かないのでしょう。症状は、フリクションモーターを巻いても開放されてしまうというもの。

(また消えると困るので、細切れにUPします。時間を置いてリロードしてください)

Dscf104259_2 ボディーはデミと同じようにアルミ製のパールアルマイト仕上げで、きれいですけど傷や打痕には弱いですが、現存で無傷のものは少ないのでしょう。この個体は非常にきれいですが、ピンセット先に軽い歪み程度の打痕があります。1型とは細かなところで結構違いがあります。(内部も)ホットシューになったり、画像の裏蓋開閉ラッチも1型は下から上、この2型は上から下。こちらの方が自然ですね。本当はもっと書いたのですが、省略します。

Dscf104344_2 最中構造のカバーを取れば只のカメラ。しかし、特異なレイアウトを実現するためにかなり無理な設計をしています。裏蓋内だけではなく、内部の細かな部分までモルトで遮光されています。無理するからだよなぁ・・・

Dscf104406_2 上から見ます。左の部分にはフリクションモーターからの動力を伝達するギヤが入っています。右側は露出メーターとファインダーで、コンパクトにユニット化されています。

Dscf104579_2 ユニットを取り去ったところ。自動巻上げを実現するために、大きな歯車を5個も並べて動力を伝達していますね。問題の故障の原因は・・・

Dscf104633_2 この画像で説明するのは分かりににくいですが、右の平ギヤは巻き戻しボタンRを押し込むことによってスプリング側に押し込まれます。すると、左のイモネジがあるクラッチ部と分離されて、フリーとなる構造です。

Dscf104725_2 分かりにくいので、パーツリストを載せます。13-7266の↑に対角にある2つの「足」が無くなっています。折れたか磨耗したか? まぁ、折れたのでしょう。しかし、破片がありません。前の分解時に取り去ったのでしょう。この部品を調達するジャンクを持っていませんので、残念ですが作業中止とします。

フリクションモーターのゼンマイのトルクは結構強くて、潤滑の切れた真鍮ギヤは急速に磨耗損傷して行きます。他の現存機も似たような状況に置かれているのではないでしょうか?

このカメラは、特異な構造から、分解には非常に工数が掛かります。FT2台分ぐらいですね。かといって、2台分の工賃は頂けないので、出来れば、おいで頂きたくないカメラです。

Dscf104834_2 時間が中途半端となりましたので、時計を組んでいます。セイコーの新10Aという、いわゆるバナナ型と言われている機械。O/Hは終えていましたが、テンプの天芯とひげゼンマイの不良で完成していませんでした。そこで、入手したジャンクから調達したテンプを受けごと移植しました。調整の結果、姿勢差も少なく、歩度も安定しています。

Dscf104907_2 表側。1954年製としては、文字盤などはきれいな方でしょう。人気のかわり文字盤とは行きませんが、大人しくて品はありますね。スモールセコンドの機械は、セイコーでは、この機械が最後です。すでに中三針のスーパーが発売されていました。問題は、かん幅が15mmと適合するバンドが無いこと。パリス環式のコードバンでも付けてみようかと思います。

Dscf104886_2 ああ、急いでいて飛ばしました。同じ構図で撮った1型も載せておきます。どこが違うか見比べてみてください。本当はもっと書いたんですけどね。もう寝る。