今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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最近珍しいPEN

2011年05月06日 23時07分58秒 | インポート

Dscf263888_2 最近あまり見かけない只のPENですね。シボ革がかなり黄変していますが、これは手垢だけではないですね。素材自体が変色しているのです。オークションでの入手とのことですが、光線漏れの疑いを言われています。モルトは上下共、交換されており、特に光線漏れを疑うところは無いようです。

Dscf264159 ちょっとピンボケ画像になりました。分解をしてみると、本体上部側のモルトが端まで貼られていない部分がありましたが、これが光線漏れの原因から判断出来ません。巻上げダイヤルカバーのビス留め部分が折れていました。気になったのは、2回に1回巻上げをミスすること。オーナーさんからはご指摘はありません。点検すると、チャージ自体は完了していて二重巻上げ防止のロックが掛からないためと判明。ピンセット先の部分が異常に伸ばされて曲げられていますね。ある一つの現象に対する調整としては間違いではありませんが、それに起因する全体の調整を考えていないやり方ですね。観察すると、カムに接する接点部分が曲げられているようです。ここは曲げると折れてしまいます。はたして、先端部分を折らずに曲げ戻すことが出来るか心配です。

Dscf264366 では、全て分解してから洗浄しました。特に光線漏れの原因となるような変形などはありませんね。

Dscf264451 シャッターは画像を撮り忘れましたが、特に問題はありませんでした。全体のメンテナンスでOKです。この状態で巻上げなどの調整をしておきます。巻上げダイヤルカバーのラグ折れは接着して取り付けています。何故かスプールの樹脂が部分的に表面劣化をしていますので、全体的に再研磨をしています。この頃のスプロケットはアルミ製ですが、黒アルマイトに変わっています。

Dscf264615 人様の修理をしたカメラを拝見するに、細かな部品まで洗浄してあった例がありませんね。このリング類も古いグリスや手垢、それに腐食が入って汚らしいのが殆どです。そのまま組むと作動も滑らかになりません。第一、気分が良くありません。、ピカピカに磨いたものを組立てます。

Dscf264754 ファインダーはレンズを分離して清掃してあります。前回修理をされた方は勘違いをされているのではないでしょうか? ファインダーカバーには、外側に遮光紙が貼られているのが正規ですが、この個体は内側に遮光紙が貼ってあります。何か拘りなのかなぁ? 意味分からないなぁ・・

Dscf264987 最初の画像よりシボ革の黄ばみは取れましたかね。ファインダーのグレー樹脂は表面が劣化をして白濁ぎみでしたので研磨をして一皮むいてあります。ピカピカでしょ。同じように駒数ガラスも研磨をして視認性を高めています。とかくスペックからPEN-Sの方に人気が向いてしまいますが、シャッターの耐久性からするとPENの方が優れていると思います。PEN-Sが動かなくなってもPENは生き残れると思いますよ。