今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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後期は問題PEN-S 3.5

2010年11月22日 23時23分17秒 | 写真

Dscf140122少し前にやりましたけど、またPEN-S3.5が来ました。#1852XXと1969-7月の製造ですから後期の頃の製品です。シャッターが不調との事で、ちょつとイナな予感がします。この頃になるとPEN-S2.8から通して来たシャッターユニットに数々の変更が加えられています。画像はすでにO/Hを終えているユニットですが、見て分かる変更は外側のハウジングの黒アルマイト化や接点端子の改良などに気がつきますが、シャッター羽根を制御する部品にも改良(悪?)があって、組立ての容易さと性能の安定を狙ったと思われますが、それは新しい頃だけのことです。今となってはそれが災いとなって、部品が消耗するとO/Hだけでは性能を回復できない状況になります。この個体は、消耗が少な目でしたので今回は事なきを得ていますが・・この他、駒数ギヤの樹脂化など、コストダウンも進んでいる個体です。

Dscf140411 シャッターリングには残念ながら腐食が認められます。腐食は深く緑青が噴いていますね。きれいに削り取ってから組み込みます。

Dscf141084 この頃の識別点としては、トップカバー横を留めているビスが+になっていることです。昔、私がO/Hをした3.5を販売したことがありましてね。その時「ペンSのビスはすり割り(-)でトミーさんともあろう人がこんなビスを付けるとは」とクレームを頂いたことがありました。お生憎様。残念ですが、3.5の途中からは+ビスで正解なのです。ご自身の知識に自信をお持ちのマニアさんかと思いますが、すみませんが私の方がはるかに多くの個体を見て来ているのです。過去に修理をした個体の特徴は全てノートに記録しています。米谷さんも「そんな資料はオリンパスにもないよ」と言っておられました。それは公開できませんが・・・