今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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本家からのPEN-FT

2010年11月05日 22時29分20秒 | ブログ

製造ご本家にお勤めのオーナーさんから、かなり使い込まれたPEN-FT #2933XXが来ています。後期に属する個体ですが、2回巻上げ、フィルムの巻上げ不良、ハーフミラー劣化、アイピース破損、裏蓋ロックガタ、吊輪緩みなどがあり、典型的な使用による消耗の症状ですね。

いつものように、完全に分解洗浄の後、組み立てて行きますが、スプロケットとスプールバネを交換しておきます。スプロケットが不良となる個体はスプールのスリップが早い傾向にあります。

使い込まれた個体は2回巻上げの症状が現れますが、この個体も巻上げギヤと軸受けが進んでおり、特に軸受けの前面側の偏磨耗が症状に影響します。充分な潤滑のない状態で、過大に負荷を掛け続けていた結果です。今回は、ギヤもそのまま再使用とします。

シャッターユニット自体のコンディションはそれほど悪くはありません。但し、スローガバナーのメンテナンス不良から、スローが遅く不安定でした。これを改善してあります。ハーフミラーは劣化により新品と交換、露出計の調整をしてあります。

破損していたアイピースは新品と交換、吊輪は再接着取り付け、裏蓋を取り付けてロックガタを調整して完成となっています。外観は、すり傷や塗装のハゲが目立つ個体ですが、不具合は全て修正してありますので、非常に調子の良い個体となりましたよ。ご本家にもFTを使い続ける方がいらっしゃるのです。

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