富田パソコンサークル (Tomita PC Circle)

京都の京丹波町富田の「公民館」をホームに活動するパソコンサークルのブログ。

ファイルが開かない・・・・「関連づけ」と拡張子

2011年09月25日 | パソコン

ある人から持ち込まれた相談は、一瞬危機的な悲痛な叫びにも聞こえました。
「ファイルが開けない・・・ってでたんやけど、預かったファイルを壊したんやろか?・・・何とかならへんか・・・」
ほんまに壊れたのなら、何ともなりようがないんやけど・・・切羽詰まって聞こえたし・・・とりあえず出かけて見せてもらうことにしました・・・が

パソコンやってて、もらったファイルを開くときに、たまにこんなことに出くわしたりしませんか?・・・

 

Snap4


上のような図で気になるのは、普通の場合一つ一つのファイルを表す何らかの「アイコン」があるのに
ファイルの名前を示していてもアイコンがなんとも味気ない表示になってしまっています。
こういう状況になると、これらのどのアイコンをダブルクリックしても、たぶん・・・
次ような警告に近いダイヤログが現れます。

Snap3
こうなってしまうと、時にはパニックになって「どないしょう・・・壊したんやろか・・・」って不安に陥れられたりするものです。

通常であれば、保存したファイルはワードであれば、ワードの エクセルだったらエクセルやと下記のような一目瞭然のアイコンで
表示され、それをダブルクリックすることでファイルが開きます。



Snap5
このことは、ファイルの保存形式を示す「拡張子」という例の「ややこしいやつ」の話とつながっています。
通常の場合、Office2003のワードを使って保存したファイルには、名前の後ろに「.doc」という「拡張子」がつけられ
エクセル2003で「エクセル2003」の形式で保存されたブックには、名前のしっぽに、「.xls」という拡張子がつけられます。

こうして保存されたそれぞれの形式のファイルは、パソコン内にあるアプリケーション(ソフト)ごとに、この形式のファイルは
自動的にこのアプリケーションで開くという規則もあわせて、設定できます。

上記のようなケースでもうちょっと深く踏み込めば、この設定は上記のダイヤログで「一覧からプログラムを選択する」を選んで進むと
自力で何とかなる場合もありますが・・・自動的に判断されてアイコンが表示されなかった場合は
たいていファイルを開くことのできないことになってしまいます。どのアプリケーションでも取り扱えないと判断しているからです。
この仕組みを「ファイルの関連づけ」と呼び、
ファイルの関連づけの変更はたとえば「フォルダオプション」などの機能から変えることも可能です。

関連づけが出来ていないということは、一方ではこの手のファイル形式を扱える「アプリケーション」がパソコンにないと言うことも
示しています。従って、この解決方法には、扱えるソフト(アプリケーション)をインストールするか
持ち合わせのソフトに機能を追加するか、いっそ自分の手持ちのパソコンで扱えるファイル形式に
ファイル自体を「変換」するなどの方法が考えられます。


ところで・・・話が変わりますが
今現在のWindowsにおけるOS(オ-エス:パソコン基本ソフト)の利用率はどないなってるんかと言うと
ある調査では・・・
1:Windows XP 49.69%・・・長期に渡って下落傾向。過半数を切った。

2:Windows 7 27.92%・・・強く成長傾向

3:Windows Vista 9.27%・・・長期に渡って下落傾向

相変わらずVistaの評判は悪いのは仕方ないですが、XPのユーザーの率がついに50%を切って
Windows7のユーザーが増えてきています。アメリカなどではMacのユーザーが多いこともあるけれど
Windowsに限って言えば、Windows7のユーザーがXPを上回ったと聞いています。
このことは、いくつかの課題を与えています。
それはOSが違うことによって、扱えるファイルの形式が変わってきたこと・・・・とりわけ皆さんがよくお使いになる
Office(オフィス:ワードやエクセルなどのパッケージ)がOffice2007やOffice2010とバージョンがアップして
Office2003とは見た目からしても使い方さえ画期的に変わった上に、ファイルの作成ののちに後先を何も考えずに「保存」した場合
ファイルの形式が変わりました。拡張子もワードも場合2003までは「.doc」でしたが2007以降は「.docx」となり
エクセルもまた「.xls」から「.xlsx」となりましたしPowepointも変化しているのです。
当然ながら、この形式で保存されたファイルは、Office2003の環境では「関連付け」されずに
開くことは出来なくなってしまいます。

こうした違ったファイル形式については、新しくなったバージョンの方では、たいてい古い方で作ったファイルを
開くのは、簡単にできますが・・・古くなった方では、その後にできた形式を
想定していない」わけですので、開くことも「関連づけ」ることもできないのです。

冒頭の相談事のケースは、ご多分に漏れずまさにこの原因でした。
「ワードで作ったし、これを使って・・・」と依頼した人は、相手も同じワード2007のユーザーと疑いもせずに
何も考えずにワード2007の形式で「名前をつけて保存」したファイルをUSBメモリーにコピーして渡し
受け取る側も、ワードに2003以外のバージョンがあることさえ、はっきりわかってないままに
自分のパソコンで当然開けるものだと思い込んで、自宅に戻って開いたところ・・・・・
パソコンが「このファイルは開けへんでぇ」とさじを投げたんで・・・・「壊してもうた」ってことになったのです。

日々進化するパソコンももうまもなく、「スマートフォン」に取って代わられるンやろなって思えるほど
物事が進みすぎてついていけへんことが多くなりました。
ましてや文中にもあるようにXPがWindows 7 やの Windows 8やのに変わっていく端境期には
こうしたファイルのやりとりのトラブルは、当然のように起こってきます。
ファイルを渡す方は、相手がどのようなファイルを読めるかを確かめるのが常識であり
もらう方も自分を知って、「ファイルの形式」を指定しておくぐらいの方がマナーといえるかもわかりません。

日本での現状は依然として半数の方々が XP を使い続けているようなので
ワードやエクセルは、「2003」がまだ主流だと思われます。
そこでこうした問題に対して、2003の環境でも新しくなった2007,2010の 形式で保存された
ファイルが開ける「互換機能パック」が
マイクロソフト社から無料で下記のURLで提供されているので
是非、この際にダウンロードして、こうした問題に備えておいてください.

ただし、Office2003の場合はこの互換機能パックをダウンロードする前に Office2003の環境自体を
「Office2003SP3」というバージョンにアップデートしておく必要があるので
2度の手順と時間をとりますので、あらかじめ覚悟しておいてください・・・


※文字をクリックするとそれぞれのサイトが開きますので「ダウンロード」のボタンを押して適当な場所に保存するか
そのまま「開く」を選択してもかまわないと思います。

1.Office 2003 Service Pack 3 (SP3)

2.Word/Excel/PowerPoint 用 Microsoft Office 互換機能パック

少々時間がかかりましたが、SP3 にしておいて、互換機能パックを適用することによって
ちゃんと読み込むことが出来ました。・・・本当のところ話が来た当初はUSBメモリーの故障だと推測してて・・・
たぶん救済は無理やと覚悟していたんですが・・・・

実は、このたびのケースで2つのことを改めて思い知ることがありました。・・・一つ目は・・・
「ネットに接続したはるん?」と聞くとネット接続サービスの契約をしながら
「滅多につながへん・・・安全を考えて・・・」と、開き直られました。
今回の場合はこうしたアップデートがネットに常にオンラインでつながっていれば、ひょっとしたら解決できてたかもしれません。
さらにセキュリティの問題からして言えば、常々ウィルス定義などをアップデートをすることなく
安全性が保たれていないパソコンは、いわば病弱な状態にあると言え、侵入したとしてもウィルスの存在に気づかないでしょう
そういうパソコンからとのデータのやりとりこそが危険な話で、自分も知らず知らずに感染源になってしまいます。
実際ネット上に広がるウィルスの類を蔓延する際に、悪意を持つものはその存在を隠すために
こういう滅多につながず、セキュリティの甘いパソコンを狙って隠れ蓑につかうことが報告されています。
ネットにつながないことが「安全」ではなく、ネットにつないで「オンライン」でいることこそ最新の状態であるからこそ
刻々変わる変化に対応も出来、ウィルス等の危険にも備えることが出来るのです。
もはやパソコンを起動するとあわせて、ネットにつないでおくことはパソコンの必須の条件です。

もう1点は、この頃結構多くの人がUSBメモリーをまるで保存場所のようにして、使ったはる人がおられます。
過信もええとこで、バックアップのファイルも無しに、たかだか1000円も切る値段の
あんな程度のものに保存したりファイルの上書きするのは絶対やめといてくださいよ・・・
ちょっとした取り扱いミスで読み込みも書き込みも出来なくなります。
そうなると、実はあの程度の構造ですので手の施しようがなく、データの救済はあきらめざるを得ないのです。
メモリーは安くなったといっても、失ってしまうデータはお金に換えることのできないかけがえのないものです。
USBメモリーはあくまでデータの持ち運びに限って使用すべきもので、ファイルの保存場所にしてはいけません。