東京新聞寄居専売所

読んで納得!価格で満足!
家計の負担を減らしましょう!
1ヶ月月極2950円です!
アルバイト大募集中です!

今日の筆洗

2022年07月13日 | Weblog

米大リーグにはルールブックにはない「ルール」がある。本塁打を打ってもはしゃぎすぎないなど相手へのエチケットのようなものだろう▼有名なのは大差がついた試合での「ルール」。打者はボールスリーのカウントからバットを思い切り振ってはならないらしい。盗塁もご法度。もはや勝敗は分かりきっているのだから、必要以上に相手に恥をかかせるようなことはしてはいけないという考えによる▼わせがく0−千葉学芸82。夏の高校野球千葉県大会のスコアに驚かれた人もいるだろう。これほどの大差となると、負けている方はふてくされたくもなろう。恥をかかされている気にもなるか。それでもあきらめずに戦い抜き、試合(五回コールド)を終えた、わせがくに拍手を送りたくなる▼通信制の高校で練習は週一回。野球部員のほとんどが他の部活と掛け持ちだそうだ。打たれた安打は五十一。本塁打は十七本。「それでも野球が好き」「またやりたい」。試合後のわせがく選手のコメントにうれしくなる▼大リーグの「ルール」ではなく、最後まで手を抜かなかった千葉学芸も立派。大差をつけてもなお全力で戦うことで相手に敬意を示したのだろう▼スコアボードを見るとわせがくは四回だけは1点に抑えている。手加減なしの相手だからこそ1点に抑えた回もあったという事実が光る。こういうナイスゲームもある。