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今日の筆洗

2024年08月16日 | Weblog
終戦の日の翌日の1945年8月16日。福井の敦賀駅では北陸線上下各8本の旅客列車が発着した。原田勝正著『日本鉄道史 技術と人間』によると、その日の発着時刻を記録した手書き資料が残されていた▼上りは青森など遠隔地発の列車が100分超遅れたが、比較的近い金沢以西発の列車はおおむね30分以内の遅れに収まった。特筆すべきは旅客列車の運休が1本もなかったことである▼北陸線に限らず日本では終戦を迎えても列車は走った。敗戦という未曽有の事態にあっても、自分の仕事に徹した鉄道員たちがいた▼79年後の今日16日、東海道新幹線は東京-名古屋間で始発から終日運休する。台風7号が接近するため、事前に発表された計画運休である▼素人的には、何も丸一日運休しなくてもと考えてしまうが、安全運行を旨とするプロが危険や混乱の回避には必要と判断したのだろう。焦土でも定時運行に努めるのが日本人なら、計画に皆が従い混乱を回避するのも日本人らしい気がする。お盆休みに日程変更を強いられた人の労苦を思い、風雨で線路などに被害が出ないことを祈る▼終戦後の輸送を記すために旧国鉄が編んだ『鉄道終戦処理史』には「全国民ひとしく虚脱状態のさ中にあつて人々の心にほのかな希望の光をともしたのは『鉄道は動いている』という事実であつた」とある。鉄路とは貴いものである。
 
 

 


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