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今日の筆洗

2024年08月13日 | Weblog

「ふうせん持った子がそばにいて、/私が持ってるようでした」。パリ五輪の閉幕に、金子みすゞの「ふうせん」を思い出した▼お祭りの日の光景だろうか。「ふうせん」を持っている子を見れば、自分までも「ふうせん」を持っているような気がして、そのうれしさが伝わってくるというのだろう▼五輪の選手たちが手にしているそれぞれの「ふうせん」を空想する。ふくらませているのは競技への熱や努力か。家族や幼き日の記憶、夢も詰まっているはずだ。選手それぞれの「ふうせん」を見て、こちらの心も高鳴る。同じ「ふうせん」を持っている気になり、声を上げる。がんばれ。負けるなと▼世界中から集まったつわものたちが政治もむごい現実も無関係にただ、目の前の試合に集中し競い合う。そして笑い、泣く。異論もあろうが、やはり五輪は続いてほしい。どこの国の人間も同じ「ふうせん」を持つ同じ人間であることをこれほど教えてくれる祭りはあるまい▼「ぴい、とどこぞで笛が鳴る、/まつりのあとの裏どおり」。幸運にも「ふうせん」の中にメダルを入れて帰る人もいる。君のには入ってない? 気にすることはない。メダルの代わりに入っている後悔や反省もまた「ふうせん」を大きくする▼「ふうせん持った子が行っちゃって、/すこしさびしくなりました」-。次はパラリンピック。28日開幕である。


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