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今日の筆洗

2024年08月10日 | Weblog
南海トラフ沿いの紀伊半島沖を震源に1944年12月に起きた昭和東南海地震の犠牲者は千人を超えたが、戦時の情報統制で詳細は報じられなかった。愛知の軍需工場などの損壊を敵に隠したかったらしい▼愛知の郷土史家が人々から「学徒動員された先輩が、工場の煙突が倒壊して死亡した」といった証言を集め、それを同僚が3年前に記事にすると「私も話したい」と訴える人が多く現れた。戦時は地震の話を口にできぬ空気があり「死ぬ前に話しておきたい」と語る人もいたという▼南海トラフ沿いでは昭和東南海地震の2年後に昭和南海地震が起きた。また大きな地震が連動して起きるのか。南海トラフ沿いの宮崎・日向灘を震源とする最大震度6弱の地震が一昨日あり、気象庁が「臨時情報」を出して巨大地震への注意を呼び掛けた▼巨大ではなかったが、昨夜も関東で揺れた。要注意は1週間程度という。15日の終戦記念日ごろが目安か▼起きた地震の詳細も隠された戦時とは対照的に、先に起きうる地異の情報も共有できる現代。冷静にいかし、非常持ち出し袋の中身の確認などで備えたい▼戦争と昭和東南海地震を経験したある女性は、戦後は穏やかな日々だったといい「平和で何事もなく、ありがたい、ありがたいと思っているんです」と語ったそうだ。戦没者を思う8月。これ以上揺れず、何事もないことを祈る。
 
 

 


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