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今日の筆洗

2021年08月02日 | Weblog

一九六四年の東京五輪での選手団の活躍に心打たれたコメディアンの谷啓さん。日本選手団の上着をこしらえ、それを着て町を歩いたそうだ。選手団に間違われたかった▼閉会式の次の日、近所の銃砲店へ行った。四年後のメキシコ五輪に射撃で出場する気だったそうだ。当時三十二歳。その後、熱は冷めたが、「やりすぎ」が分からぬではない。競技にすべてを懸け、躍動する選手たちを見れば、自分も何かという思いが少なからず、わいてくるか▼新型コロナウイルスの感染拡大が過去最悪のレベルにある。東京の新規感染者数はこのところ連日、三千人を超えている。政府の対策分科会の尾身茂会長の言葉を借りれば「今、火事が燃えさかりつつある」▼五輪を開催できるぐらいだから大丈夫だろう。そんな気の緩みや政府の一貫性のない対応が今の事態を招いたことは否定しにくく、それを思えば中っ腹にもなるが、今は「火事」を消すことを第一に考えたい。医療崩壊だけは何としても食い止めねばなるまい▼もう一度、気を引き締め、対策の基本に立ち返るか。残念ながら不要な外出はできるだけ控えるしかなさそうだ▼逆境を乗り越え、活路を見いだす。谷さんではないが、テレビの向こうの五輪選手を励みにして感染対策に一人一人が取り組んだ方がよさそうである。努力なしに火は消えまい。ガンバレ、ニッポン。