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今日の筆洗

2021年08月18日 | Weblog
天候不良などで審判が試合を打ち切る「コールドゲーム」。コールドとは「CALLED」であって「審判に宣告された」という意味だが、雨にぬれた選手を見れば「冷たい」の「COLD」の方が浮かんでしまう。そんな昨日の高校野球の試合だった▼優勝候補同士の戦いとなった、大阪桐蔭対東海大菅生。強い雨の影響によって八回、東海大菅生の攻撃途中で打ち切りとなり、大阪桐蔭が勝利した▼たたきつけるような雨にグラウンドはぬかるみ、打球が弾まない。投手の滑り止めはまるで役に立たず、制球さえ定まらぬ▼泥まみれになりながら、打球に飛びつく野手。悪天候の中、勝利を信じ、奮闘する選手の姿に胸を熱くした方もいるだろう。東海大菅生はもちろんリードしていた大阪桐蔭の選手や打ち切りを宣言せざるを得なかった審判団も試合を続けたかったはずだ。本物の「晴れの舞台」を用意してあげたかった▼試合ができた選手はまだ救いがあるか。宮崎商と東北学院。新型コロナウイルスに選手が感染し、出場辞退を決めた。つかんだ夢の切符をこんな形で手放すことになるとは。選手は泣いているだろう▼長引く大雨やコロナ。大きな災いの中にある、この夏の日本である。三十一日が期限だったコロナ対策の緊急事態宣言は九月十二日まで延長となる。事態収束を告げる「コールド」の声はいつ掛かるのか