最近のテレビには、ステキな肥満の女性が出演しています。彼女達のお話は味わい深く、知性と教養に溢れています。そのファッションも、個性的なものになっています。単なる肥満から、個性派の肥満を演出しています。やせ形の女性を多用してきたテレビ業界も転換期にきているのかもしれません。今までの価値観を徐々に変えつつ、新しい魅力を発揮する一歩になるかもしれません。日本における衣料品の市場は、11兆円の規模と言われています。服装業界は、体型の細い方から太い方まで広い市場が形成されています。その中で、肥満の方を対象に売り場に置かれているのは、非常に狭いスペースです。普通サイズの選択肢とビッグサイズの選択肢は、9対1以上の差になっているのです。肥満の方が、選択するファッションは、限られたものになっているわけです。彼らの側に立って、もっといろんなタイプを受け入れる販売戦略を開発する時期かもしれません。
そこで、肥満の方をターゲットにした服装の販売を考えてみました。服装の流行を導くファッション雑誌は、数を増やしただけでなく、読者層を細分化してきました。ビックサイズの少ない日本では、肥満の人は少数派の枠に押し込まれてきました。太めの体型の人には、着られるサイズがなかなかないという深刻な現実があったのです。容姿を魅力的に見せたいという願望は、どの女性にも男性にもあります。容姿に合わせたファッションは、個々の顔に合わせた化粧や個々の性格に合わせた装いが求められます。太めの方は、「着る服がない」と口癖のようにつぶやいていました。でも、最近の通販や個人を重視した販売は、太めの方にも似合う服装を作ることに成功しています。むしろ、普通の人が身につければ、着負けしそうなアイテムでも、太めだからそこ着こなせる優位性も出てきています。世の中が、「世界でただ一つ」とか「レアな服装」といったことに価値を見いだしてきました。ファッションビジネスでも、高い利益を生み出す分野は贅沢産業と呼ばれています。この分野は、細身の方の独壇場でした。ここにほんの少しですが、足場を築いたともいえるかもしれません。
余談ですが、中国では肥満の増加が顕著になっています。所得が増えると食事に投入する資金が増えます。食事が豊かになるにつれて、肥満の割合が高くなるという連鎖があるようです。食欲は、なかなか意志の力では抑えることができません。アジアの国々は、高い経済成長を実現してきました。肥満は、アジアで増加していくことが確実視されています。肥満の方が増える市場には、チャンスが生まれます。日本と同じように痩せることに、努力する人はいます。もう一方では、アジアの指導者のように肥満をステイタスの象徴とする人達もいます。体型をそのままにして、服装の見栄えを良くするという人達がいるわけです。お金も地位もある方のファッションは、高い利益を生み出します。この分野は、贅沢産業の出番になります。日本で流行ったファッションは、台湾や香港で流行、次に中国本土に波及する傾向があります。肥満の方がステキに着こなせるビックサイズを、日本の衣料メーカーが提案していきたいものです。