ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

ゲームを世界に発信する仕組み アイデア広場 その162

2017-08-15 15:29:01 | 日記
 日本で繁栄したゲームが、やや陰りを見せています。日本のロールプレイングゲームは、つまらないゲームの代名詞になりつつあります。日本のゲーム専用機も、もう中身は日本で作られていません。プレイステーションの中に入っている基幹技術は、すべてアメリカ製になっています。このソフトウェアについても、アメリカとヨーロッパ勢が作成しているわけです。任天堂には、まだ日本製の技術も入っています。でも、中のアーキテクチャーはIBMが作っています。3DSにしても、搭載されくいるチップを設計したのは、イギリスの企業なのです。
 そこで、日本のゲームを改めて世界に発信する仕組みを考えてみました。現在、元気にゲーム産業を行っている国は、カナダです。モントリオールには、ゲーム開発をするうえで密接に関わる産業が200社以上あるのです。ゲーム開発には映画製作、CGソフト、音響ソフト、アニメーション制作の分野、シナリオライター、品質評価会社、大学、人材コンサルタントなどが必要になります。さらに、広告代理店も必要になります。これらの技術者と起業家の集積が、ゲーム開発の新しい聖地になっていきます。例えばゲームをする中で、心を鼓舞する効果音は重要な要素です。ゲームに効果音をつける手間暇を、10分の1以下にする技術を開発した起業は、この集積地では貴重な存在になります。すぐに地域の寵児になります。ゲーム効果音の技術を開発した起業は、たった社員12人です。でも、世界中のゲーム会社を顧客に持つ企業になっています。
 ゲーム開発は、ひとりの人間によってつくられるものではありません。創造的ゲームをは、多くの才能を持ち、かつ異質な才能を持つ人たちと接触し啓発されることで相乗的に作られていくものです。重要なことは、ゲームを開発する先端的人材を集めることです。ゲームを作る楽しさを体験できること、そしてゲームからもたらされる利益の2つが、この種の有用な人材を集める要素になります。モントリオールは、この2つの要素を満たす街です。例えば、ゲーム産業に従事する社員に10万ドル支給したら、ケベック州は3万ドルを企業に現金で還付するのです。ケべック州の制度は海外の企業にも適用され、従業員の国籍も問われません。従業員の国籍も問われないので海外のゲーム開発企業が、続々とモントリオールに集結しているのです。そして、いうまでもなくモントリオールは、ゲーム開発の聖地になりつつあるのです。
 ゲーム企業にとっても開発者にとっても、働きやすい街が求められています。日本には、世界と比較してゲーム開発の条件が低いレベルにあります。でも、任天堂にしてもプレイステーションにしても、世界のゲームプレイヤーを魅了してきたコンテンツを数多く保有しています。そして、プレイヤーの興味関心をデータとして蓄積しているのです。このデータとこのデータに魅力を持つ世界の人材を、日本に集めることは可能でしょう。日本の蓄積した構造データとこれから予定される規制緩和が、ゲーム開発の人材を導く誘い水になるかもしれません。