「あああああああああ!!」
そこには、空っぽの鳥かご。
トキの父親は言う。
「ここに、なんか
なんとも形容しがたい生き物が居てな。
どうやら何者かにこのカゴに閉じ込められていたらしく」
「その何者か、俺ぇ―――――!!!」
え、とトキの父親は一瞬固まる。
「逃したの!?
父さん逃したの!?」
「いや、聴いてくれ、
あれは暴れていたが、害のある生き物ではない
自然に帰せば」
「そう言う問題じゃなくてさ!!」
「あれ、谷のマサシさんから、俺が託されて
南一族の旅人まで無事届けてって」
プチパニックなトキは
若干涙目で訴える。
「届けてって言われて、……俺。
ちゃんと渡す相手まで見つけたのに」
これはやばい、と血の気が引くトキ父。
「トキ、父さんが悪かっ………はぁっっ!?」
そして、トキ父は
トキの背後に佇むアヅチ、マツバ、そしてへび呼に気がつく。
「………」
「………」
「………」
無言。
「………」
「………」
「………キコ」
無言の圧力。
「あ。ああ」
「コロイド、
………やっと会えると思ったのにキコ」
ぽつり、と呟くへび呼ぶ。
「ぐはああああああ!!!」
見えない力に吹き飛ばされるトキ父。
す、とそのまま姿勢良く地面に座る。正座。
「この度は誠に、不徳の致すところ!!!」
「父さんはさぁ。
いつも良かれと思って、やがて悪ろうし!!」
トキ親子漫才?はさておき。
さてはて、とアヅチは首を捻る。
「いや、でもぶっちゃけ。
コロイドってそんなだっけ?」
「そんなとはキコ?」
「言葉と理性を忘れ、暴れる獣的な?」
こんなカゴに入れておかねば
暴れてどうしようもない、そんな存在。
――――だったっけ?
アヅチ達は凶暴コロイドを見ていないので
いまいちピンときていない。
「あら、よくあるパターンじゃない」
マツバはどこか納得している。
「人への執念、恨みつらみ、
もの●け姫でおっ●と●しさまも祟り神となり言葉を無くし
そこでモ●のきみが」
「おおっと、アウトだ!!!」
「マツバ、それ以上続けちゃダメキコォオオオ!!!」
「全ては俺が
あの獣を逃してしまったばっかりに」
「父さんっていっつもそう!!!!!!」
ぜーはー。
肩で息をする一行。
「逃げちゃったものは仕方無い。
とりあえず追いかけてみるか?」
「追いかけるってどこへよ?」
「コロイドは同僚達を助けようとしているキコ」
でも、その同僚はどこにいるのか分からない。
農作物の被害も最近は起こっていないらしいし。
うーん、どうしよう。
「とりあえず逃げた方向に向かってみる?」
「まあ、それが妥当だろうな」
「父さん、どっちへ行ったか分かる?」
トキ父はやっと役に立てる、と
意気揚々と指をさす。
「ああ、あちらの方向………に、あれ?」
「あっちって」
「よし、あっちか!!」
「とりあえず向かってみましょう!!」
「行くキコ!!GOキコ!!」
お昼ご飯までにはかたをつけたい、と
今日の昼食に思いを馳せるアヅマツヘビの後ろで
トキとトキ父は顔を見合わせる。
「「あっちって宗主様のお屋敷の方角だよな」」
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そこには、空っぽの鳥かご。
トキの父親は言う。
「ここに、なんか
なんとも形容しがたい生き物が居てな。
どうやら何者かにこのカゴに閉じ込められていたらしく」
「その何者か、俺ぇ―――――!!!」
え、とトキの父親は一瞬固まる。
「逃したの!?
父さん逃したの!?」
「いや、聴いてくれ、
あれは暴れていたが、害のある生き物ではない
自然に帰せば」
「そう言う問題じゃなくてさ!!」
「あれ、谷のマサシさんから、俺が託されて
南一族の旅人まで無事届けてって」
プチパニックなトキは
若干涙目で訴える。
「届けてって言われて、……俺。
ちゃんと渡す相手まで見つけたのに」
これはやばい、と血の気が引くトキ父。
「トキ、父さんが悪かっ………はぁっっ!?」
そして、トキ父は
トキの背後に佇むアヅチ、マツバ、そしてへび呼に気がつく。
「………」
「………」
「………」
無言。
「………」
「………」
「………キコ」
無言の圧力。
「あ。ああ」
「コロイド、
………やっと会えると思ったのにキコ」
ぽつり、と呟くへび呼ぶ。
「ぐはああああああ!!!」
見えない力に吹き飛ばされるトキ父。
す、とそのまま姿勢良く地面に座る。正座。
「この度は誠に、不徳の致すところ!!!」
「父さんはさぁ。
いつも良かれと思って、やがて悪ろうし!!」
トキ親子漫才?はさておき。
さてはて、とアヅチは首を捻る。
「いや、でもぶっちゃけ。
コロイドってそんなだっけ?」
「そんなとはキコ?」
「言葉と理性を忘れ、暴れる獣的な?」
こんなカゴに入れておかねば
暴れてどうしようもない、そんな存在。
――――だったっけ?
アヅチ達は凶暴コロイドを見ていないので
いまいちピンときていない。
「あら、よくあるパターンじゃない」
マツバはどこか納得している。
「人への執念、恨みつらみ、
もの●け姫でおっ●と●しさまも祟り神となり言葉を無くし
そこでモ●のきみが」
「おおっと、アウトだ!!!」
「マツバ、それ以上続けちゃダメキコォオオオ!!!」
「全ては俺が
あの獣を逃してしまったばっかりに」
「父さんっていっつもそう!!!!!!」
ぜーはー。
肩で息をする一行。
「逃げちゃったものは仕方無い。
とりあえず追いかけてみるか?」
「追いかけるってどこへよ?」
「コロイドは同僚達を助けようとしているキコ」
でも、その同僚はどこにいるのか分からない。
農作物の被害も最近は起こっていないらしいし。
うーん、どうしよう。
「とりあえず逃げた方向に向かってみる?」
「まあ、それが妥当だろうな」
「父さん、どっちへ行ったか分かる?」
トキ父はやっと役に立てる、と
意気揚々と指をさす。
「ああ、あちらの方向………に、あれ?」
「あっちって」
「よし、あっちか!!」
「とりあえず向かってみましょう!!」
「行くキコ!!GOキコ!!」
お昼ご飯までにはかたをつけたい、と
今日の昼食に思いを馳せるアヅマツヘビの後ろで
トキとトキ父は顔を見合わせる。
「「あっちって宗主様のお屋敷の方角だよな」」
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