不思議なほど
普通に戻っていた。
また突然、裏一族が襲ってくるんじゃないか、とも
感じられない。
彼らは休み、食事を共にする。
「すっごい、大きなテーブル」
人数が多いので、一部屋貸し切りにしてくれた。
血のつながりはあるが
端から見れば、敵の一族同士とも見られかねない。
それに、つもる話もある。
「でもこれじゃあ、広すぎよね」
ひとりひとりの間隔が1メートルは離れている。
「何それ、ソーシャルディスタンス」
「食事はリスクが高いのよ」
「でも、いくらなんでも」
ヨシノは不服そうに頬を膨らませる。
「大丈夫だよ! (1メートル先の)横にいるから!」
「じゃあその香草サラダみたいなのとって!」
「はいっ!」
ツイナはテキパキと動く。
京子は皆を見ながら、旅のはじまりを思い出す。
長い旅だった。
例え、実際の期間が短くても。
ただ、この場に
耀とチドリはいない。
「大丈夫?」
「・・・うん」
「こうもなるとは、思っていなかったわよねぇ」
「・・・・・・」
皆、それぞれの旅を振り返る。
「世界がこうひっくり返ったような」
「・・・ええ」
「まさか、こんなことになるなんて」
「思いもしなかった」
「いろんなものが売り切れたり・・・」
「自治体間鎖国になったり・・・」
「お出かけや外食が出来なくなったり・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「それ?」
「新型コロ、」
「皆まで云うな!!」
話を戻そう。
「まぁ、こんな短期間できょうだいが増えるなんて」
マサシが笑う。
「考えたことなかった」
「まだ、実感ないけどね!」
オトミが云う。
「私は養父母に預けられてたし」
「ノギは?」
「オイラんとこ(砂)は、そもそも家族観がないからなぁ」
「私は母親だけだったけど、父親のこと考えなかったな」
ヨシノは頷く。
「満樹も東にはご両親がいるしねぇ」
「あぁ」
「そりゃあ実感なんかわかないわ」
京子は、皆を見回す。
「京子?」
「皆・・・」
「あなたが1番、心の整理がいるわね」
京子は小さく頷く。
肯定ともとれるような、否定ともとれるような。
皆、それぞれの地で
一族の家族がいた。
でも、京子は
会えなくとも
最初から翼が父親だった。
「・・・・・・」
マサシは京子を見る。
小さく息を吐いて、云う。
「ねぇ皆、これからどうする?」
ここに揃う、7人。
「とりあえずは、帰るかな?」
その言葉に、頷く者が多い。
「母に顔を見せてこなきゃ」
「満樹、あなたも?」
「ああ」
京子は手を握りしめる。
皆で目的に向かって進んできた。
それも、終わり。
「お別れなのね・・・」
「え?」
「京子ちゃん?」
「短かったけど、なんだか長いこと皆といたから!」
京子は皆を見る。
「お別れが・・・」
「永遠のお別れじゃないわよ」
ね、と、マサシが云う。
「きっとまたもとの生活に戻るんだと思う」
「・・・・・・」
「でも、私たちには血のつながりがあるじゃない」
その言葉に、皆、頷く。
「また、集まりましょう」
「マサシ」
「そうだな」
「満樹」
「私も行くわ」
「ヨシノ」
「俺も!」
「ツイナ」
「だな」
「ノギ」
「うん!」
「オトミ」
「約束よ」
京子の言葉に、皆、再度頷く。
NEXT
普通に戻っていた。
また突然、裏一族が襲ってくるんじゃないか、とも
感じられない。
彼らは休み、食事を共にする。
「すっごい、大きなテーブル」
人数が多いので、一部屋貸し切りにしてくれた。
血のつながりはあるが
端から見れば、敵の一族同士とも見られかねない。
それに、つもる話もある。
「でもこれじゃあ、広すぎよね」
ひとりひとりの間隔が1メートルは離れている。
「何それ、ソーシャルディスタンス」
「食事はリスクが高いのよ」
「でも、いくらなんでも」
ヨシノは不服そうに頬を膨らませる。
「大丈夫だよ! (1メートル先の)横にいるから!」
「じゃあその香草サラダみたいなのとって!」
「はいっ!」
ツイナはテキパキと動く。
京子は皆を見ながら、旅のはじまりを思い出す。
長い旅だった。
例え、実際の期間が短くても。
ただ、この場に
耀とチドリはいない。
「大丈夫?」
「・・・うん」
「こうもなるとは、思っていなかったわよねぇ」
「・・・・・・」
皆、それぞれの旅を振り返る。
「世界がこうひっくり返ったような」
「・・・ええ」
「まさか、こんなことになるなんて」
「思いもしなかった」
「いろんなものが売り切れたり・・・」
「自治体間鎖国になったり・・・」
「お出かけや外食が出来なくなったり・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「それ?」
「新型コロ、」
「皆まで云うな!!」
話を戻そう。
「まぁ、こんな短期間できょうだいが増えるなんて」
マサシが笑う。
「考えたことなかった」
「まだ、実感ないけどね!」
オトミが云う。
「私は養父母に預けられてたし」
「ノギは?」
「オイラんとこ(砂)は、そもそも家族観がないからなぁ」
「私は母親だけだったけど、父親のこと考えなかったな」
ヨシノは頷く。
「満樹も東にはご両親がいるしねぇ」
「あぁ」
「そりゃあ実感なんかわかないわ」
京子は、皆を見回す。
「京子?」
「皆・・・」
「あなたが1番、心の整理がいるわね」
京子は小さく頷く。
肯定ともとれるような、否定ともとれるような。
皆、それぞれの地で
一族の家族がいた。
でも、京子は
会えなくとも
最初から翼が父親だった。
「・・・・・・」
マサシは京子を見る。
小さく息を吐いて、云う。
「ねぇ皆、これからどうする?」
ここに揃う、7人。
「とりあえずは、帰るかな?」
その言葉に、頷く者が多い。
「母に顔を見せてこなきゃ」
「満樹、あなたも?」
「ああ」
京子は手を握りしめる。
皆で目的に向かって進んできた。
それも、終わり。
「お別れなのね・・・」
「え?」
「京子ちゃん?」
「短かったけど、なんだか長いこと皆といたから!」
京子は皆を見る。
「お別れが・・・」
「永遠のお別れじゃないわよ」
ね、と、マサシが云う。
「きっとまたもとの生活に戻るんだと思う」
「・・・・・・」
「でも、私たちには血のつながりがあるじゃない」
その言葉に、皆、頷く。
「また、集まりましょう」
「マサシ」
「そうだな」
「満樹」
「私も行くわ」
「ヨシノ」
「俺も!」
「ツイナ」
「だな」
「ノギ」
「うん!」
「オトミ」
「約束よ」
京子の言葉に、皆、再度頷く。
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