「……………」
「……………」
しばらくの、間のあと。
「「あっ!!!」」
「ああああ、そうだった」
「完全に忘れてた」
西一族と山一族は
狩り場を巡る諍い。
海一族と山一族は
諸々の諸事情で。
「「不可侵の決まりがあった」」
互いに、
無駄な争いを起こさぬよう、
不要な犠牲は出さないよう。
そして
それを侵したなら
攻め入られても文句はないよな、
という大義名分が発生してしまう。
「……やっぱり、忘れていたのか」
「気付いてるなら、
どうして途中で言わないのよ」
「いや、2人とも
簡単に行ける体で話すから」
そこまで、他一族の事に
詳しくないし、と満樹。
「なにか秘策でもあるのかと
思うだろう、普通は。
というか、そんな大事な事忘れないぞ普通は!!」
「普通はって2回も言われた!!」
ツイナは頭を抱える。
「どうしよう。
俺の旅が一時間で終わりそう。
ギャグかよ」
本当にな。
仕方無い、と満樹がため息をつく。
「山一族の村は俺ひとりで調べてくる。
お前達は海一族の村に戻るか
この辺りで待機していろ」
ええっ!!と京子。
「そんなの
何かあったら満樹が危ないじゃない」
「2人が変に立ち入って
一族間の諍いが起こるよりマシだろう」
「分かった!!
俺達顔を隠して、
満樹兄さんのお伴としてついて行こう」
「マントとか、フードとか、
着ぐるみは全身隠れるわよ」
「肌の色が違う俺でも
完全に隠せるね」
「全力で怪しい、却下!!」
そして、ばれたときおおごと。
「とりあえず、村に入り裏一族の情報を探る。
聞き込みをしたらすぐに戻るから」
山一族の村には近すぎず、遠すぎず、
程よく空間が広がり、
鬱そうとした森のなかで、
比較的陽が差し込む場所。
「何か物珍しい物があったら買ってくる。
京子、ツイナ、野営になるかもしれないから
ある程度準備しておけ」
「「はーい」」
さすがに一族の皆に迷惑を掛けるわけにはいかない。
京子が大人しく返事をする。
それじゃあ、と数歩あるいた満樹が
立ち止まり振り返る。
「京子」
びしり。
「ぜっっっつたいに、狩りをするなよ!!!!」
満樹を見送りながら京子がぽつり。
「ねぇ、ツイナ。
言葉は 押すなよ!!押すなよ!!
的なあれかしら」
「チャレンジャーだね、京子。
俺、そういうの好きだよ」
「満樹がお肉を買ってきてくれるか次第ね」
さてと、と
京子は布を広げる。
「満樹も少し時間掛かりそうだし、
私達もちょっと休憩しましょう」
NEXT
「……………」
しばらくの、間のあと。
「「あっ!!!」」
「ああああ、そうだった」
「完全に忘れてた」
西一族と山一族は
狩り場を巡る諍い。
海一族と山一族は
諸々の諸事情で。
「「不可侵の決まりがあった」」
互いに、
無駄な争いを起こさぬよう、
不要な犠牲は出さないよう。
そして
それを侵したなら
攻め入られても文句はないよな、
という大義名分が発生してしまう。
「……やっぱり、忘れていたのか」
「気付いてるなら、
どうして途中で言わないのよ」
「いや、2人とも
簡単に行ける体で話すから」
そこまで、他一族の事に
詳しくないし、と満樹。
「なにか秘策でもあるのかと
思うだろう、普通は。
というか、そんな大事な事忘れないぞ普通は!!」
「普通はって2回も言われた!!」
ツイナは頭を抱える。
「どうしよう。
俺の旅が一時間で終わりそう。
ギャグかよ」
本当にな。
仕方無い、と満樹がため息をつく。
「山一族の村は俺ひとりで調べてくる。
お前達は海一族の村に戻るか
この辺りで待機していろ」
ええっ!!と京子。
「そんなの
何かあったら満樹が危ないじゃない」
「2人が変に立ち入って
一族間の諍いが起こるよりマシだろう」
「分かった!!
俺達顔を隠して、
満樹兄さんのお伴としてついて行こう」
「マントとか、フードとか、
着ぐるみは全身隠れるわよ」
「肌の色が違う俺でも
完全に隠せるね」
「全力で怪しい、却下!!」
そして、ばれたときおおごと。
「とりあえず、村に入り裏一族の情報を探る。
聞き込みをしたらすぐに戻るから」
山一族の村には近すぎず、遠すぎず、
程よく空間が広がり、
鬱そうとした森のなかで、
比較的陽が差し込む場所。
「何か物珍しい物があったら買ってくる。
京子、ツイナ、野営になるかもしれないから
ある程度準備しておけ」
「「はーい」」
さすがに一族の皆に迷惑を掛けるわけにはいかない。
京子が大人しく返事をする。
それじゃあ、と数歩あるいた満樹が
立ち止まり振り返る。
「京子」
びしり。
「ぜっっっつたいに、狩りをするなよ!!!!」
満樹を見送りながら京子がぽつり。
「ねぇ、ツイナ。
言葉は 押すなよ!!押すなよ!!
的なあれかしら」
「チャレンジャーだね、京子。
俺、そういうの好きだよ」
「満樹がお肉を買ってきてくれるか次第ね」
さてと、と
京子は布を広げる。
「満樹も少し時間掛かりそうだし、
私達もちょっと休憩しましょう」
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