女の子は問いかけます。
「あなたは何ができるの?」
海の近くに暮らす一族は答えます。
「俺達は、武器を使うのは得意じゃない。
でも、舟を漕がせたら水辺一だ!!」
谷にある洞窟で暮らす一族は答えます。
「ギャズンを倒すのに役に立つ物は作れないけれど、
この目はどんなに遠くでも見通すことが出来るよ」
砂漠の近くに住む一族は答えます。
「あまりケンカは上手じゃないの。
でも、薬を作るのはまかせてちょうだい。
ギャズンの動きを止めてみせましょう」
湖の西に暮らす一族は答えます。
「俺達は、魔法が使えないけれど
普段は狩りを行っているんだ。
ギャズンの体力を削って見せよう」
山に住む血一族は答えます。
「僕らは人は少ないけれど
ひとりひとりの腕には自信があるよ。
鳥を使って獲物の位置を探すのも得意さ」
湖の東に住む一族は答えます。
「私たちは、封印の魔法が使えます。
それで、ギャズンを封じ込めてしまいましょう。
でも、敵の動きが完全に止まらないとこの魔法は使えません」
それならば、と湖の北に住む一族が続きます。
「威力はないけれど
精密な魔法を使う私たちにお任せください。
少しの時間であれば、敵の動きを止められるでしょう」
さて、と
女の子はひとり残った一族の者に問いかけます。
「あなたは何ができるの?」
湖の南に住む一族の者です。
一番最初にギャズンに戦いを挑んだ若者でした。
「俺は何もできないかもしれない」
それでも、と彼は言います。
「見ているだけは我慢ならない。
どうか、戦いに参加させて欲しい」
彼の言葉に女の子は頷きます。
「だれもが諦めていた時
あなただけが動いたのよ」
だから、と女の子は彼の手を引きます。
「一緒に行きましょう」
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