「対立している有名どころと云えば、西と東だ」
「・・・・・・。」
「まあ、どんな争いをしているか知らんが、」
「「・・・・・・。」」
「別に俺は、西の印象も東の印象も悪くない」
「「「・・・・・・。」」」
「西は料理がうまいし、東は、・・・そうだな。女性に会えたらラッキーだな」
潮風。
「とりあえず、カニ獲れたから、食うか?」
「カニ?」
「いただこうじゃない」
「いやいや、誰だよお前ーっ!!」
上記のやたら説明っぽいセリフにツッコんだのは、へび呼ロイドだけだった。
「あ。俺、海一族だけど」
「いやいやいや! こちらは、南一族ですよ!?」
「だから?」
「南一族と海一族は、争っているんじゃないんかい!」
「そうだっけ?」
「そうなの?」
「おぎゃーーぁああああ!!」
とりあえず、叫ぶへび呼ロイド。
「争ってるって、たまに行う一族対抗体育祭のことか?」
水辺の周囲には、東西南北、海山砂谷、と8つの一族がいて
それぞれ、個性ある暮らしをしているが、
なんだかんだ、南一族と海一族は、楽しい感じが似ているらしい(笑)
「黒髪の女性が見えたから、ひょっとして東の女性かと思って、ついな!」
ついって、なんだ。
「別に、南の女性も嫌いじゃないぜ!」
本当に、なんなんだろう、この人は。
「とにかく、カニを焼こう。話はそれからだ」
「あ。俺、火起こすよ」
「サンキュー」
「醤油はあるのかしら」
「醤油もレモン汁もあるから、向こうの家に取り入ってもらえる?」
マツバは、すたすたと調達に向かう。
「おい。へび呼ロイド」
ひとり置いてけぼり状態のへび呼ロイドに、アヅチが声をかける。
「食べたいんなら、手伝えよ!」
「はいっ」
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