'14-02-14投稿、追加・修正
既報自民会合で専門家は核のゴミ、国内処分可能というが、安全な核燃料サイクルによる再利用は不可能か?(2014-01-30)で記載しましたが、 以前から国政の抱える難問として、
・遅々として進んでいない3.11による原発事故の収束
・原発ごみの処分方法の確立
・ドイツと比べて計画通りに進展しない再生エネ化の挽回
が問われています。
再生エネ化の進展以上に難しいと想われる原発ごみの処分方法の一環として、実用化までの道のりは30年以上という放射性物質に中性子をぶつけて、毒性が低い物質に変える「核変換」の研究が「J-PARC」(茨城県東海村)で始まるという。
msn産経ニュース
2014.1.20 09:00
高レベル廃棄物対策の切り札 放射能減らす「核変換」本格研究へ
(一部割愛しました。)
「原発の使用済み核燃料に含まれる放射性物質に中性子をぶつけて、毒性が低い物質に変える「核変換」の研究が来年度から本格的に始まる。実用化までの道のりは30年以上と長いが、高レベル放射性廃棄物を減らす切り札として期待は大きい。(伊藤壽一郎)
「現代の錬金術」
安倍政権は原発を「重要なベース電源」と位置付け、今後も活用していく方針を打ち出している。その最大の課題は昨年3月末時点で1万7千トンに達した使用済み核燃料の処分だ。
使用済み燃料を再処理してウランやプルトニウムを回収した後に残る高レベル放射性廃棄物は、ネプツニウム237(半減期214万年)やアメリシウム243(同7370年)など、半減期が長く毒性が高い複数の元素が含まれている。これらはガラス固化体に加工して冷却後、人体への影響が低くなるまで数万年間、地下深くに貯蔵する地層処分となるが、最終処分場はまだ決まっていない。このため量を減らす方法の開発が急務になっている。
放射能を持つ元素の原子核は、放射線を出しながら時間とともに崩壊し、自然に別の元素に変わる。核変換はこれを人工的に加速させる技術で、原子核に中性子をぶつけて核分裂を起こさせ、半減期が短く毒性が低い物質に変えていく。いわば「現代の錬金術」だ。
もんじゅ停止契機
この研究は当初、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)が担うはずだった。核変換に必要な高速の中性子が運転時に発生するからで、長寿命の放射性元素を燃料に混ぜ、短寿命化する研究が検討されてきた。
しかし、トラブル続きのもんじゅは運転実績がほとんどない上、機器の点検漏れなどで原子力規制委員会から無期限の運転停止を命じられている。再稼働すれば研究も進められるが、先行きは全く見えない。
このため文部科学省の作業部会は昨年11月、原子力機構などの加速器施設「J-PARC」(茨城県東海村)に、加速器を使った核変換の実験施設を建設すべきだとする報告書をまとめた。
総工費220億円で2015年度に着工、20年にも実験を開始する。基礎データを蓄積した後、30年ごろから実用化に向けた新施設を建設し、50年ごろから核変換を行う見通しという。
核変換の仕組みはこうだ。長寿命の放射性元素を容器に入れて、中心部に鉛とビスマスからなる重金属の核破砕ターゲットを配置。ここに超電導加速器で光速の約90%に加速した陽子をぶつける。
重金属から高速の中性子が飛び散るように発生し、放射性元素の原子核に衝突。核分裂が始まり、電子を放出しながら核種が変わるベータ崩壊を繰り返し、短寿命で毒性が低い物質に変わっていく。
陽子は2年間当て続ける計画で、放射性元素は大半が短寿命化。理想的な反応が起きた部分は、放射能がない物質に変わる。
研究を担当する同機構の大井川宏之核変換セクションリーダーは「ネプツニウム237の場合、10%未満は長寿命のまま残る可能性はあるが、多くは放射能のないルテニウム102とセシウム133に変換される」と話す。
鍵握る分別技術
高レベル放射性廃棄物はこれまで、ひとまとめに加工してガラス固化体にされてきた。核変換を行う場合は目的の元素を取り出す分別が必要で、これが処理の効率化にもつながる。
ルテニウムやロジウムなどの白金属は、分別により資源として再利用が可能に。ストロンチウムなどの発熱性元素を分別すれば、冷却時間や地上の保管面積、地層処分量を削減できる。この結果、高レベル廃棄物は貯蔵面積が従来の100分の1、容積が3分の1になり、貯蔵期間も約300年に短縮する。
一方、分別は今後の技術的な課題でもある。高レベル廃棄物から目的の元素だけを抽出する実証実験はこれからで、実用化時は大規模な処理施設も求められる。また、重金属から高速の中性子を効率よく発生させるための陽子照射方法の研究も必要だ。
大井川氏は「加速器は日本の得意分野であり、その技術を応用して課題を克服し、原子力の安全利用と廃棄物処分の効率化を目指したい」と話している。」という。
⇒高速の中性子を効率よく発生させるための陽子照射方法の研究は日本の得意分野であり、その技術を応用して課題を克服し、原子力の安全利用と廃棄物処分の効率化を目指したいという。
核分裂

(google画像検索から引用)
既報環境放射能の異変が大気圏、生態系に及ぼす影響に係る記載を調べました。(2014-01-23 )で記載したように、環境中に宇宙・太陽、地球内部から発生している放射能と比べて、原発、核実験・爆発、原発事故由来の放射能はたかだか半世紀から発生しはじめた人工的な環境放射能ですが、
地震・津波のみならず、内部被曝、生態系、異常気象など天変地異への影響についても杞憂しています。
最大の課題は昨年3月末時点で1万7千トンに達した使用済み核燃料の処分に係る消染は原発再稼動とは別次元の問題であり着目すべき技術か?と思われます。
【追記】
個人的には技術的には不詳ですが、今後の成否を含めた本件に対する
諸氏の感想をツイログ、はてブ人気コメントから抜粋して抽出しました。
http://ceron.jp/url/sankei.jp.msn.com/science/news/140120/scn14012009000004-n1.htm
いずれも 再処理→抽出→うまくあてて変換→これを低コストで。という実現性の極めて低いもの。
正直もうこれしか無いだろうな。もしこのまま行けば高レベル放射性廃棄物は増え続ける一方だから。実用化に全ての希望を賭けるしか無い。
「30年ごろから実用化に向けた新施設を建設し、50年ごろから核変換を行う見通しという。」
タイムリミット20年とかじゃなかったっけ。
こういう事は、早く実行してもらいたい。また利権がらみでモタモタするのか?
もんじゅと同じように実績ださずに「研究中」で毎年税金から莫大な金をせびって自分たちの利権を永遠に守ろうと言う事かな(笑)・・・
「加速器は日本の得意分野であり、 その技術を応用して課題を克服し、原子力の安全 利用と廃棄物処分の効率化を目指したい」
原子力利権ヤバすぎる
この技術、重要!実用化まで課題がありそうだが、本質的な解決策だ、早く進めた方がいいぞ!・・・・
「電子を放出しながら核種が変わるベータ崩壊を繰り返し、短寿命で毒性が低い物質に変わっていく。」その電子は電機エネルギーに利用できない?
今ある廃棄物を処理するだけでも、どれだけ時間がかかるんだ?
原発再稼働の援護射撃ね。エントロピーのことを考えたら、エネルギー収支が合わない気がするのだがな。どうもインチキ臭い。
この「30年以上」は、「石油が枯渇するまでに30年」と同じで、30年後でも「あと30年」と言い張るに違いない
日本で原発止めても世界中で稼働してるんだからこういう技術の研究は再生エネルギーの研究より大事。
加熱でトリチウム消滅、EM菌で放射能消滅、とは違い本当に放射能を減らせる技術
これと同時に発電も行いエネルギー収支プラスにするのが加速器駆動未臨界炉だが、実現できるか?
「実用化まで30年以上」実用化できるとする前提が不可解。もんじゅで時間と税金を浪費した日本の原子力研究者や経産省行政を、どうして信用できるのか。延性帯涵養地熱発電などに研究費を投じた方がまだまし。
「元素変換」辺りとは違って原理的には至極まっとうではあるけど、加速器使ってまでやってどれだけ処理できるんだろうか。もっと手軽な中性子ビーム源がありゃあいいんだろうけど。
技術としては当然考えられているのだろうけど、実用がなぁ。現在ある廃棄物の処理と、緊急時の即時反応停止、そして廃棄物そのものへの対処が確立してからでないと使ってはいかん技術だと思うのだがねぇ
コストと安全性無視したら実現できそうだけどこれってペイすんの?制御しない&発生する熱を利用しない原子力発電なんじゃない?
「核変換」をすればそこでの事故発生確率増大、関連放射化物増大。世界で検証済み。化石のような計画、時代錯誤だ。東海の加速器事故を見ろ。
最終処分場決まらぬ為もんじゅがこの研究する筈だったがダメで東海村の加速器施設で行うことになった。期待は大きくても危険はないの?
はてブ人気コメント:
こういう前宣伝を鵜呑みして見切り発車した結果が40年分溜まりに溜まった廃棄物であり、一向に進展しないもんじゅだったりするわけで。実際に目処が立ってからにしろとしか。
別に楽観的な記述はないのだが、課題山積み的な記事を何本を見た後なので非常に楽観的に見えてしまう。10月あたりにも話題になってたことを今こういうふうに書くのは、都知事選をにらんでかとか陰謀論に走りそうに
加速に膨大なエネルギーが必要なので新しく原子力発電所作りますとか言い出しそう/陽子=プラズマ化した水素原子を亜光速まで加速して発射→加粒子砲→人類全滅フラグ