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水徒然

水に関する記事・記録・感想を紹介します。水が流れるままに自然科学的な眼で
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放射線に係る記載を調べました。(その8-5:各種放射線の作用;X線)

2011-04-28 | 日記

 既報にて調べました「放射性核種が崩壊時の原子核に残存している過剰なエネルギーから生成される電磁波であるガンマ線」とは生成機構は異なり、軌道電子の遷移によって生成される電磁波であるX線に係る記載を引き続いて調べました。
 X線はガンマ線と同様な作用を環境中の物質に与える電磁波であることより、今後の残留放射性物質からの放射線の作用を理解するのに有効と思われる放射化分析(機器分析)に係る記載を併記しました。
* 放射化分析に利用されている放射線は試料(物質)に荷電粒子、γ線、中性子などを照射し目的とする元素を人工放射性元素に変換し、それの放射能の性質(種類や強さなど)を測定し、もとの元素の定量、定性などを行う分析法である。

ウィキペディアによれば、
http://ja.wikipedia.org/wiki/X%E7%B7%9A
(一部抽出しました。)
「X線」
「・・・物理学では波長が1pm - 10nm程度の電磁波のこと。放射線の一種。・・・波長のとりうる領域(エネルギーのとりうる領域)がガンマ線のそれと一部重なっている。これは、X線とガンマ線との区別が波長ではなく発生機構によるためであり、波長からX線かガンマ線かを割り出すことはできない。・・・」
「発生方法」
「・・・ 例えば、対陰極として銅、モリブデン、タングステンなどの標的に、加速した電子ビーム(30 keV程度)を当て原子の1s軌道の電子を弾き飛ばす、すると空になった1s軌道に、より外側の軌道(2p、3p軌道など)から電子が遷移してくる。この遷移によって放出される電磁波がX線(特性X線)である。この時、軌道のポテンシャルエネルギーの差で電磁波の波長が決まる・・・」
<X線管での発生例> 


       (google画像検索から引用)

<電子線の励起によるX線の発生モデル>

 「用途」
「医療分野(診断用)でのX線写真・CT 材料の内部の傷等の探索(非破壊検査)物性物理学分野では結晶構造解析の手段・・・」

「特性X線」
「・・・ある原子の電子軌道や原子核において、高い電子準位から低い電子準位に遷移する過程で放射されるX線である。単一エネルギー、線スペクトルが特徴。機器分析で使用される単一波長のX線はふつう特性X線を利用しており、発生源となる元素と電子殻によって表記する。X線光電子分光ではMgKα線 (1253.6eV) やAlKα線 (1486.6eV)、X線回折ではCuKα線 (8.048keV) やMoKα線 (17.5keV) などを用いる。・・・ 」

「X線光電子分光」
 「XPS (X-ray Photoelectron Spectroscopy) または ESCA (ElectronSpectroscopy for Chemical Analysis, エスカ) は、光電子分光の1種。サンプル表面にX線を照射し、生じる光電子のエネルギーを測定することで、サンプルの構成元素とその電子状態を分析することができる。・・・固体に一定エネルギーの電磁波をあて、光電効果によって外に飛び出してきた電子(光電子とよばれる)のエネルギーを測定し、固体の電子状態を調べる方法である。測定対象となる物質は主に金属,半導体であり絶縁体はチャージアップの関係から測定には不向きである照射する光にX線を用いるものをX線光電子分光 (XPS) 、紫外線を用いるものを紫外光電子分光 (UPS) と呼ぶ。
XPSは元素の内殻電子の状態を、UPSは固体の状態密度を知る目的などで使用される。・・・」

「X線回折」
「X線回折(
X‐ray diffraction、XRD)は、X線が結晶格子で回折を示す現象である。・・・物質の結晶構造を調べることが可能である。このようにX線の回折の結果を解析して結晶内部で原子がどのように配列しているかを決定する手法をX線結晶構造解析あるいはX線回折法という。しばしばこれをX線回折と略して呼ぶ。他に同じように回折現象を利用する結晶構造解析の手法として、電子回折法や中性子回折法がある。・・・」

「蛍光X線分析法」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%9B%8D%E5%85%89X%E7%B7%9A
「・・・元素に特有の一定以上のエネルギーをもつX線を照射することによって、その物質を構成する原子の内殻の電子が励起されて生じた空孔に、外殻の電子が遷移する際に放出されるX線である。その波長は内殻と外殻のエネルギー差に対応する。内殻・外殻のエネルギー差は元素ごとに固有であるので、蛍光X線のエネルギーも元素に固有である。このことから、蛍光X線のエネルギーを実験的に求めることにより、測定試料を構成する元素の分析を行うことができる。あるいはその強度を測定することにより測定試料中の目的元素の濃度を求めることができる。このような元素分析の手法を蛍光X線元素分析法(XRF; X-ray Fluorescence Analysis)と呼ぶ。対象となる元素は実用的にはNa (Z = 11) 以上の原子番号を持つ元素である。・・・」
<蛍光X線の発生例>

⇒X線はガンマ線、電子線はベータ線に相当することより、残留放射性物質からの誘導放射線(ガンマ線、ベータ線、中性子線)の放射化現象を調べる時の参考とするつもりです。


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