浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

ブリュショルリのベートーヴェン スピード感とシャープさ際立つ熱演

2008年10月03日 | 洋琴弾き
ブリュショルリの演奏には、シャープさとは対照的にぬくもりを感じる優しく柔和な表情もあり、表現の幅は、現代的な演奏スタイルを持つ人の中では抜きん出てゐるやうに感じていた。しかも、何気なく聴いてゐたベートーヴェンの協奏曲第3番の演奏がライブ録音であることが分かった。

このレコヲドは1966年1月14日に、独逸はハンブルグで行われた演奏会での実況録音と記されてゐる。ミュンシュとの共演も非常に多く、1966年暮れの交通事故で演奏不能となるまでには相当数のライブ録音が各地の放送局に残されてゐるはずである。といふのも、1965年までの10年間に700回を越すコンサートを全世界で行ったといふ記述もある。1966年の来朝時のサンサーンスも録音が残ってゐるのではないだらうか。NHKに問い合わせてみやうと思ふ。

スタジオ録音でも圧倒的な個性と魅力ある演奏スタイル、それに切れ味鋭いタッチの魅力の虜となった方も多いと思ふが、ライブでは尚更である。終楽章では、フェレンチェイクもうまく合わすことのできないちょっとした加速やフライングがありスリリングだが、それ以外は、よくブリュショルリの個性に合わせてゐて感心させられる。

印象に残らないことを売りにして有名になった素通りポイント・佐賀への出張から帰って来て、久々に音楽を聴いてゐるが、学生時代にフェレンチェイクが洪牙利国立管絃團を連れて来朝したときのことも懐かしく思い出しながら聴いてゐる。その際にはお国ものをいくつか聴いたが、正直言ってそれほど印象には残ってゐなかった。あらためて聴いてみて、この指揮者の伴奏に見せる優れた才能に驚いてゐる。

盤は、国内DENONによるCD COCQ-84275。

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番&第4番
オムニバス(クラシック)
コロムビアミュージックエンタテインメント

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