浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

ミュンシュ指揮巴里管絃團によるブラームスの交響曲第1番

2009年04月12日 | 指揮者
周囲の大きな変化に翻弄されつつ、Z共和国での新たな生活も2週間が経ち、ぼちぼちこの地の風習が見えてきた。そんな中、ふと昔聴き親しんだミュンシュのブラームスを確認してみたくなった。

今日は嫁さんと二人でスーパーに買物に出かけた。Z共和国にも日本と同じやうなスーパーがある。僕の子供の頃、日本國にはスーパーなるものは無かった。亜米利加で幼少時期を過ごし、スーパーでの買物が普通になってゐた僕は、帰国してカルチャーショックを受けたのを覚えてゐる。今また、僕が幼い頃に感じたのと同じやうな感覚をZ共和国で抱いてゐる。

朝、スーパーに開店と同時に入ったが、未だ商品が並んでゐない。客が入って来てからおもむろに店員が並べてゐる。実に能転気なものだ。

夜、閉店間際に値段を見学がてらスーパーを覗いた。すると日本國と同様、生鮮食料には"Price Down"の文字があった。早速、見慣れぬ魚などを買ってゐると、いきなり照明が消えてゐくではないか。客が居るのに確認もせずに店員が店じまいを始めたのである。実に大雑把なものだ。レジを済ますと鍵のかかった扉を勝手に開けて店から出た。出ると同時に店は真っ暗になった。店員は施錠もせぬまま裏から出て行ったことだらう。本当に間抜けなお話だ。今晩、盗人が侵入しても僕の知ったことではない。

この地の文化水準や人々の生活リズムが、僕のそれとは大きくずれてゐるといふことが分かった。ミュンシュのブラームスを聴きつつ、こんな地でも日本國同様、ミュンシュの名演奏に感動する人々が居るのかと思ふと不思議な気持ちになった。

ミュンシュの名演には久々に感動した。小気味の良い第1楽章、少々不安定なテンポ運びで聴き手に適度な緊張感を与える第2楽章、オケの上手さを味わえる第3楽章、圧倒的な力で押してくる終楽章。素晴らしい演奏だ。

盤は、国内EMIのCD TOCE-7010。

ブラームス:交響曲第1番
ミュンシュ(シャルル)
EMI MUSIC JAPAN(TO)(M)

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