心技体

人は、体と心とで出来ている

体と心とが治癒されて、はじめて人間の治癒と言えよう
体だけ治癒し、心は置き去り状態ではいけない

体と心のケアが出来てはじめて人間のケアと言えよう
ADL優先なのは分るが、QOLを無視してはいけない

患者も利用者なども尊厳とか人権とか
患者様とか利用者様とか、そんな特別な人ではないのだ

あなたと同じ人間なのだ、ただそれだけなのだ

知識をいくら覚えても、いくらスキルアップをしたとて
「人は、体と心とで出来ている」
その基本的なことが身についていなければ、意味のないものになる。

比べない

「上を見ても下を見てもキリがない」

私の立場上「あなたは僕よりましです」とか
「私はあなたより大変な人を知っています」とか伝えられる

私自身、進行性の病や、痛みの伴う障害などより、、、と思うこともあった
しかし、何でもそうだが他人と比べたり、昔の自分と比べても無意味

比べて一喜一憂しても仕方のないこと
比べてみたところで現実は何も変わらない
比べて何かを感じても、それは一時的なもの

★誰かや何かと比べて得られるものなど何もない。

生きがい

私は働き盛りに倒れ
脳幹出血から一命を取り止めたものの、四肢麻痺となった

命が助かった時点で「生きていて良かった」とは思えなかった
お年寄りにしてもそうなのだろう「長生きして良かった」と思えること

私は四肢麻痺の現実に「死にたい」とすら思った
お年寄りもよく「私も早く死にたいよ」と口にする

当事者にとって、命がある＝良かったには思えない
私の経験からすれば、生きがいを見つけられた時
「生きていて良かった」「長生きして良かった」になるのだろう

しかし現在、病院では体の治癒
高齢者施設では身体介護で精一杯
病院でも施設でも「生きがい」探し「生きがい」づくりなどは本人任せ

なかなか本人が「生きていて良かった」
「長生きをして良かった」と実感できる場面は少ないのが現状だ。

絶対

私は絶対「障害者になって良かった」などとは言わない

支援職の人があたかも関わった障害者の人が言っている
とか、あたかも自立した例としてよく使ってはいるが

あわよくば、例え当事者が言っていたにせよ
そのことを真に受けて公言している支援職の能力を疑う

その人は、そう思わなくては
そう言わなくては前に進めないのである

否と言う支援職の人が居るのであれば、私は聞いてみたい
「人徳者などになれるのであれば、あなたは障害者になってもいいですか?」と。

分岐点

私は障害を受け入れてはいないが
障害のある自分を受け止めてはいる

そこのプロセスとすれば、私も夜中でも大声を出したり
左手で頭を掻きむしったり、家内に八つ当をしたり、、、

一通りの葛藤行動は起こしていた
そんな在宅生活が始まって3.4年が過ぎた頃だったろうか

ある日気がついた「このままでは家庭を壊してしまう」
結婚以来、私が大切に守って来た家族、それを自らの手で壊してしまう

いくら暴れて嘆いても、いくら悔やんで喚こうが
現実は何も変わらない、変わらないどころか現実を壊してしまう

そんな風に思えてから、私の葛藤行動は収まりました。

ものは考えよう

絶望、不安や心配などは悪い方悪い方へと考えてしまう
そんな時の私の対処方法は、ものは考えよう!

私は脳幹出血に倒れた、脳幹出血は死亡率が高い病
助かったとしても植物状態になったり脳障害が残る場合が多い、らしい

そんな病気から幸運にも私は助かり
普通に考えることも出来て、左手だけはいくらか動いた
リハビリの末、ぎこちなくも動く左手でパソコンをやり発信をしている

しかし、確かに私は動けないし歩けない、故に
私が認知症になっても徘徊はしない、暴力も振るわない

動けないと嘆くよりも、ものは考えよう!ってところかな。