梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

梅之博多日記・酒肴

2008年05月30日 | 芝居
朝10時から『京鹿子娘道成寺』の所化の踊りの<抜き稽古>。今回で4回目となります“花笠踊り”ですが、その都度段取りも変わりますし、当月の所化役12名、今、このメンバーで揃えるためにも、一からの稽古は欠かせません。
今回は舞台の間口の関係で、上手下手に座るのは12人、踊るのは10人ということになりました。となりますと2人は踊れないことになっってしまいますが、有り難いことに、ふた組を日替わりに出すことで、全員が踊れることになりました。私もこの“日替わり組”なのですが、一日置きでも博多座の大舞台で踊らせて頂けるということに、本当に感謝しております。

『対面』『加茂堤・賀の祝』の<総ざらい>に引き続いて、『娘道成寺』の<附総>となりましたが、山城屋(坂田藤十郎)さんの喜寿記念の演目であり、そういう晴れの舞台に出させて頂ける嬉しさは計り知れないものがございます。思えば10数年前、中学生の時分に、松竹百年記念の京都南座顔見世興行で山城屋さんの『娘道成寺』を初めて拝見いたしましたが、今度はこうして共演(という言葉はおこがましいのでしょうが、敢えて…)ができました“ご縁”。不思議ですね…。

『髪結新三』の<附立>で、出番が終わったのが午後4時で、さあこれから何して過ごそうかと思いましたが、昼寝と読書であっという間に夜が来ました。
誘惑多き中州を散歩し、結局はスーパーでお刺身を買って(時間が時間なので半額ね)帰ってテレビ見ながら部屋で晩酌。
こういう時間って、私的にはとっても幸せなんですけど。