梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

新旧交代

2008年05月05日 | 芝居
今日は端午の節句とて、楽屋風呂が菖蒲湯となり、私も『青砥稿花紅彩画』の序幕の出番を終えてから入浴、爽やかな気持ちとなりました。

さて…。
黒衣の<手甲(てっこう)>がだいぶ綻んできたので、新規にあつらえました(写真上が新規、下がこれまでのもの)。
ご覧頂くとおわかりでしょうが、黒、というより灰色になってしまっています。

黒衣は、腕を覆うこの<手甲>の他に、頭にかぶる<頭巾>、上っ張りである<着付>、腰から下にはく<紐付>、首から腹までを覆う<腹掛け>とわかれ、これに黒足袋を履いて一式となりますが、消耗品といってもいい足袋は別としても、一番痛むのは<紐付>ですね。舞台上でも楽屋内でも、仕事をするおりは常に床、舞台と接しているので、膝が擦り切れて穴があいてしまうのです。
私の<紐付>は現在4代目、<着付>は3代目、<頭巾>と<手甲>が2代目となり、入門時から使っているのは<腹掛け>だけになってしまいました。
研修生のときに支給されて以来のものですので、かれこれ10数年使っているのですが、サアこれもいつまで使えることでしょう?