梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

梅之博多日記・有り難うございました

2008年06月26日 | 芝居
本日無事に、博多座『六月大歌舞伎』の千穐楽を迎えることができました。

『娘道成寺』の所化と『髪結新三』の通行の女ということで、ずっと座っているのと、一瞬で駆け抜けるのと、両極端なお役を勤めたひと月。所化の花笠踊りは何度させて頂きましても難しく、また通行の女では、どうしたらその場その状況らしく見えるか、悩まされました。
大過なく25日の舞台を勤められ、ホッといたしておりますが、以前にくらべましたら、所化で座っている時間が苦にならなくなりまして、師匠の後見で、舞台に<控えて>いることが多くなってきたことも影響しているのかしら? なんて思ったりもしておりますが、こういう小さなことでも、やはり昔の私とは変わってきたんだなァと思うと、10年の歳月は無駄ではなかったのかな…なんて。これからも、作らずに、考えすぎずに、力を抜いて自然な状態で舞台にいられるように、心身ともに修行してゆく所存です。

今月はいっぺんも風邪をひくこともなく、よいコンディションで生活できました。チョイとお酒を頂きすぎたかな、という日はありましたが、先輩方や仲間たちと、楽屋でもオモテでも、楽しい時間を過ごすことができ、また色々と話をすることができたこと、有難く思っております。
明日は午前中に東京に戻り、国立劇場へ直行して勉強会の準備。夜は先輩が出演なさっている、シアターコクーン『夏祭浪花鑑』を拝見に…って、体力続くのかしら!?

なにはともあれ、これにて2冊目の『梅之博多日記』は終了です。
そしてお次ぎは3冊目の『梅之巡業日記』のはじまり…。
誰もいない自宅はどうなることでしょう!?