梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

梅之博多日記・6月になりました

2008年06月01日 | 芝居
午前11時半から『対面』の<初日通り舞台稽古>。
師匠演じます工藤祐経につく黒衣の後見は、弟弟子が勤めますので、ここでの私の仕事は着付作業まで。
幕開きに、師匠の工藤をはじめ、傾城や朝比奈、親子梶原が居並んでいる二重(にじゅう)屋体の位置が、博多座の舞台機構の関係で、少々奥まってしまうというのを、可能な限り前へ出すことになりました。役者と客席との距離が、あまり離れてしまいましてもね。まして動きの少ない芝居ですし…。

『髪結新三』も<初日通り舞台稽古>。
私は「永代橋の場」の通行人(女)。開幕早々、降り出した雨に道を急ぐというお役で、“通行”というより“走り去る”感じ。30秒も舞台にいないのではないかしら。
とはいえ、濡れないように裾を端折ったり、手拭をかぶったり、水たまりを避けるように走ったりと、それぞれが芝居しながら勤めます。お客様に<雨>を感じて頂けるよう、気を抜かず、丁寧に演じたいです(といってできるだけ長く舞台にいようというわけではないので念のため)。

いよいよ明日から公演がはじまります。まずはぶっつけ本番の<花笠踊り>が無事勤められますよう、おさらいをしてから寝ることにいたします。