梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

<俳優祭>お稽古1日目

2007年05月23日 | 芝居
あと5分で日付が変わります。ただいま<俳優祭>のお稽古を終えて帰宅いたしました。
本日は『郷土巡旅情面影(くにめぐりたびのおもかげ)』の舞台稽古。石川県小松市の子供たちが素演奏をお聴かせする、上の巻「勧進帳」は後日のお稽古となりましたので、中・下の巻「山鹿灯籠踊」「阿波踊り」のふたつを、終演後の歌舞伎座の舞台でおこないました。
2演目とも、今日のお稽古で初めて出演者全員がそろうという状態。各地で歌舞伎公演が行われているためとは申せ、全員でのお稽古が舞台稽古1回のみというのはちょっと不安もございました。しかし、監修でいらっしゃる大和屋(三津五郎)さんはじめ、坂東流のお師匠さん方が懇切丁寧に指導して下さいましたので、なんとか無事に通して演じることができました。
歌舞伎座の広い舞台で、私たち名題下の面々が踊らせて頂けるありがたさを、ひしと感じましたが、感激しっぱなしでもいけません。皆と合わせること、行儀よく踊ること。気をつけなくてはいけないことは沢山ございます。楽しく真面目に踊れたらいいと思っております。
灯籠踊りは、その名の通り灯籠を頭に載せて踊るのですが、今回ご当地山鹿から、本物をお借りして使用することになりました。踊りやすいように紙でできているのですが、その細工の素晴らしいこと! 手間ひまのかかった立派な工芸品です。ご覧になる方はちょっと注目してみて下さいね。

「阿波踊り」も楽しい演出、振り付けがなされ、お囃子方の生演奏が迫力満点です。俳優祭のオープニングを飾る3段返し、是非是非お楽しみに!