タカ長のタカの渡り観察

タカが好き、山が好き、花が好き、心はいつも旅もよう。日々移ろいゆく心もようを綴るナチュラリストのつぶやきです。

たった独りの山旅~3

2021年01月18日 | 山歩きから
広島県の北東部にある比婆山連峰は何度も歩いた山です。

その頃、土曜日は半ドン、午前の仕事を終えてから急ぎ列車に乗り、JR比婆山駅から歩いて、比婆山連峰の竜王山の麓にある熊野神社までは長いりロード。

熊野神社から山道に入り、那智の滝を過ぎるころには夏でも陽が暮れて、竜王山の山頂近くにある小屋までは夜道を登ることになります。

小屋に素泊まりした翌日は竜王山から比婆山、吾妻山へと縦走して森脇に下り、そこからバスで三次(みよし)に出て帰る1泊2日山旅が基本的なパターンでした。

    

タカカノとテントを持って冬の竜王山に登り、山頂近くでテン泊したこともありますし、日本製鋼所山岳部の人と、無謀な(?)スキー縦走をして土地の古老から叱られたこともあります。

今から思うと時間的な感覚が合わないのですが、しかし、そのような登山をしていたことは間違いありません。弱い登山者だとか、落ちこぼれとか言っていますが、あの頃の登山者は脚力があったのでしょう。

マイカー時代になりJR比婆山駅から熊野神社まで何度も車で走りました。何度走っても長く感じるあの道を、重いザックを担いで歩いていた自分がいたなんて、自分でも信じられないのです。

    

独りで比婆山連峰の縦走したことは何度もありますが、この比婆山では淋しい思いをした記憶はありません。

しかし、怖い思いをしたことは何度もあります。

と言っても技術的なことではありません。

そのころ何度も「独りで山を歩いて怖くありませんか?」と聞かれました。

そのような質問をされて、熊が怖いとか言う人は独りで山を歩いたことがない人だと勝手に持っていました。

山で一番怖いのは夜の山で人に遭うことです。比婆山を例にすれば、、、、

    

那智の滝を過ぎるころから暗くなり、夜道を急いでいたら竜王山のほうから登山者の明かりが見え、その明かりがだんだんと近づいてくる、あの時の何とも言えないような怖さは経験した人でないと分からないはずです。

その明かりの主が普通の登山者と分かり、ホット一息ついで山情報など交換して別れて行くときの安堵感。

忘れることが出来ないたった独りの山旅の思い出です。


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