タカ長のタカの渡り観察

タカが好き、山が好き、花が好き、心はいつも旅もよう。日々移ろいゆく心もようを綴るナチュラリストのつぶやきです。

先生のひと言

2019年12月11日 | 日々雑感
吉野彰さんがノーベル化学賞を受賞されることはとても明るいニュースですが、その吉野さんが化学を志すきっかけになったのが「ロウソクの科学」を読んだことだと、吉野さん自身が話されています。

      

吉野さんに「ロウソクの科学」を読むように勧めたのは小学校の先生でした。NHKが昨夜その先生のことを紹介していました。それを見ながら思ったことです。

その内藤先生(現在は津田姓)は吉野さんのノーベル賞受賞を喜んでおられましたが、小学校時代のことは記憶の外に消えているようだと話されていました。

    

唐突ですが、ノーベル賞の受賞と団地の編集長の間には、その業績において「月とスッポン」以上の差があります。登山にたとえたら、裏山歩きとヒマラヤ登山以上の差があります。

そのようなことは言うまでもないことですが、昨夜の放送を見ながら、吉野少年に「ロウソクの科学」を読むことを勧めた内藤先生の、教育者としての目はすごいと思いました。

詳しくは承知していませんが、内藤先生が「ロウソクの科学」を読むことを勧めたのは、クラスの子全員に対してではなく、吉野少年に何かを感じ、そのためあの本を読むように勧めたのだと、タカ長は理解しているのです。

    

似たようなことをタカ長も経験しています。

タカ長が中学生だった頃、国語の先生に作文を褒められました。そのと時ことは鮮明に記憶しています。

下校の時、校庭を歩いているタカ長を呼び止め、「すごい作文を書いたなぁ」と褒められたのです。

その作文は、小学生低学年のころ九州の炭鉱町にいる伯父を、父とともに訪ねた時の想い出を書いた、原稿用紙で10くらいの「大作」(?)でした。

    

タカ長が文章を書くようになった原点は、その先生のひと言にあります。

ゼニになる文章は書けませんが、原稿用紙のマスを埋めるくらいのことは出来る、と言う変な自信(うぬぼれ?)をその時以来持ち続けていることが、団地の編集長を続けている根本になっています。

内藤先生は、吉野少年に「ロウソクの科学」を読むことを勧めたころのことは記憶されていないようでした。同じように、タカ長の作文をほめて下さった先生も、そのようなことがあったことなどとっくに忘れられているはずです。

しかし、先生のひと言で人生が変わった経験を持つ人は全国に五万といるはずです。

    

タカ長のことなどどうでも良いことですが、吉野少年に何かの芽を感じて、「ロウソクの科学」を読むことを勧められた、内藤先生の教育者としての目は本当に、本当にすごいと思います。

そのとき内藤先生は23歳。と言うことは「新米の先生」(?)。それにしてはすごすぎます。

それにしても吉野彰さんなあの笑顔、本当に素敵です。

せめてあの笑顔くらい真似したいのですが、これも一朝一夕には出来ませんね。

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