ウォーキングに出る為、着替えた。
昨年、ワークショップで買った3本のズボンの内から一番使っていないのを選んだ。
試しに一本買ってみたらGパンより軽くて伸縮性があり、すっかり虜になってワークショップ巡りをした結果、予備と予備の予備を買ってしまったのだ。
私は気に入ったものがあると予備を買わなければ落ち着かない。
一番のお気に入りは最初に買ったやつだが、これはあまり使わないように大切にしていて普段は予備を使い、時々予備の予備を使う。
そして今日選んだのは予備の予備。
穿いてベルトを締め、漫歩計代わりのスマホをポケットに入れた時に違和感。
何かがポケットの底に入っていたので、出してみたら何とクシャクシャの1万円札。
「お母さん、ポケットからクシャクシャの洗濯された1万円が出てきた」と教えた。
今、各店で使われている自動精算機に使えるか心配になるほどのクシャクシャ。
「どれどれ」と手を出すルンバに渡してしまったら2度と私の所には戻ってこない気がし、聞こえないフリしてスマホに挟んだ。
少し寒く感じる空気の中、一生懸命歩くと冷たさが心地よくなる。
いつもの約2キロ地点で折り返した。
その時ふと浮かんだのは、私の服のポケットに手を入れているルンバの姿。
今流に云えば、トップスからボトムスまで予備の予備が沢山あるのだから、数枚のクシャクシャになった札が入っている可能性は宝くじを買うより確率は高い。
私は必死のジョギングに切り替えた。