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曹洞宗を開き禅の教えを説いた鎌倉時代の僧、道元禅師の生涯を描いた映画。
お線香の香りがしてきそうな映画でしたが、道元禅師の思いや
彼を支えていく人々の描き方は、決して古臭いものではなかったです。
あるがまま、自然の流れに身を任せ、ただ座るのみ「只管打坐(しかんたざ)」
この精神を貫いてきた道元禅師。
禅とはただ座禅を組むことだけの修行ではなく
日常のこまごまとした仕事をこなしていくのも大切な修行。
庭を掃除したり、廊下を雑巾で拭いたり、食事の支度をしたりすることも。
「仏は自らの中にいる、現世を生きることが大切なこと」
そのような台詞がありましたが、多くの人たちが不安を抱えている時代だからこそ
自分と向き合うことが大切と感じました。
生き方に迷い悩んでいる方にオススメの映画です。
映画の中では常に座禅を組むシーンがありまして、見ながらも
手だけは座禅の形になっている自分がいました。
また道元禅師役の中村勘太郎さんが本当に僧侶のように見えてきて
何度も手を合わせてしまいました。
凛とした空気感と静寂がスクリーンのみならず劇場内にも広がり
禅寺で法話を聞いた後のようなすがすがしさが感じられました。
「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて すずしかりけり」
この道元禅師の言葉こそ日本の心。見終わった後、ありがたい気分になりました。
ただ、専門用語が多いので、耳で聞いただけでは理解が出来ないところもありました。
テレビドラマ的な手法になりますが、テロップとか説明が欲しかったです。
また、CGの使い方が新興宗教の勧誘映像的な感じで残念でした。
あれなら使わない方が良かったと個人的には感じました。
約2時間で道元禅師の生涯を描くと言うことで、駆け足的な進行ではありましたが
映像の美しさと、上質な音楽のおかげか、ゆったりと鑑賞できました。
年の初めに、自らの生き方を考えるのにふさわしい作品と思いました。
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