TAKAのつれづれ帳

生かされている人生なら、今を楽しみましょう。音楽ネタや映画鑑賞記など気ままに書いています。

キング・クリムゾン「暗黒の世界」(1974年)

2006年12月07日 | 海外アーティスト
アルバム「クリムゾン・キングの宮殿」で1969年にデビュー以来
独自の路線を築いてきたプログレッシブ・ロックバンドのキング・クリムゾン。
この「暗黒の世界」は活動休止直前に作られたアルバムで
何故かライブ音源にスタジオ録音が重ねて作られているという
不思議なアルバムですが、音の創り方は極めて繊細です。

この時代のプログレッシブ・ロックに必ず使われるメロトロンが
妙に哀愁を帯びた音色に聞こえて、これがまた秋の夜長に似合うのです。
そして「偉大なる詐欺師」の後半に出てくるロバート・フリップのギターは
とてつもなくかっこ良いし、切れ目なしに始まる「人々の嘆き」の
ドラムの切れの良さには興奮ものです。「トリオ」の雅楽っぽい曲調は
これがイギリスのバンドの音?と思わせるものです。
そして本当に不思議なのが「詭弁家」の終わり方。まるで録音テープが
切れたかのようにプツッと突然終了!これは放送局泣かせだったでしょう。

B面はプログレッシブ・ロックのお約束どおりの長い曲が2曲。
タイトルナンバーの「暗黒の世界」は9分11秒、「突破口」は11分14秒。
しかもボーカルなしのインスト物。しかしこの2曲こそがキング・クリムゾン
らしい音なのです。重厚であり、聴くものに、じわっと感動を与える演奏は
たまりません!ライブ音源が元になっているので、その臨場感と緊張感が
直に伝わってきて、涙が出そうになります。特にラストのギターのリフには
言うことなし!


A1 THE GREAT DECEIVER(偉大なる詐欺師)
A2 LAMENT(人々の嘆き)
A3 WE'LL LET YOU KNOW(隠し事)
A4 THE NIGHT WATCH(夜を支配する人)
A5 TRIO(トリオ)
A6 THE MINCER(詭弁家)
B1 STARLESS AND BIBLE BLACK(暗黒の世界)
B2 FRACTURE(突破口)

アルバムのライナー・ノーツに書かれている、今野雄二さんのコメントは
「これは男の、男による、男の為の音楽」

確かにこのアルバムを象徴するひとことと思います。
やはりプログレは最高です。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿