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芥川賞作家高樹のぶ子さんの小説を映画化した作品で監督は根岸吉太郎さん。
映像製作会社社長の今井郷(永島敏行さん)はかつて取材をしたことのある
石川県鶴来の刀鍛冶山崎火峯の元を訊ねるのですが、そこで当時高校生であった
娘千桐(秋吉久美子さん)と25年振りに再会したところから物語は始まる。
刀鍛冶の父は現役を退き、しかも寝たきりの状態。
千桐は離婚をしていて、中学生の一人娘と暮らしているので、生活は貧窮している。
その有様を知った今井郷は、妻子がある身でありながらお金を渡し
それがきっかけとなり、不倫の恋が始まる。
渡したお金の額はわかりませんが、封筒の厚みから察すると100万円程と思われます。
いくら映像製作会社の社長とは言え、かなりの金額と思います。
会社も大きな会社では無いので、無理をしているなとは感じました。
ただ、渡したお金に相当するほどの魅力があったのでしょう。
25年の少女は大人になって、さらに色香を増していました。
秋吉久美子さんはその千桐をリアルに演じていました。
大人の恋愛映画なのでお約束通りのシーンが多くR18指定となっています。
でも秋吉久美子さんの身体は、年齢を感じさせない美しさで
永島敏行さんが羨ましくも思える程・・・。
自らの病の治療よりも不倫と言うか刹那的な恋愛を選ぶ今井郷に
憧れると言う気持ちも無い訳ではないと言うのは男の性か。
そこまで燃える(萌えるではないよ)程の女性と知り合えること自体凄いと思う。
千桐の乗っているクルマが軽自動車であると言うのが
とてもリアリティのある暮らしぶりでした。
そして、今井郷と会う時のおめかしの仕方も、リアルな感じでした。
そのあたりが入り込みやすいポイントであったかも知れないです。
そして、列車内での別れのシーンは涙モノ。
すっかり入り込んでしまいました。
バックで流れる日野皓正さんのミュートのかかったトランペットの音が
画面を引き締めていて、これがなかなか良いです。
ラストシーンは秋吉久美子さんが、むしゃむしゃと鶏の骨付き肉を食べている
あの、映画「赤ちょうちん」を思わせるようなシュールさで
切なく感じたワタシです。

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