食と産業まつりの会場であった、弘前市運動公園。
公園の南端を弘南鉄道弘南線(弘前-黒石)が通っていて、「運動公園前」駅がある。その周辺の状況。
周辺の略図。上がほぼ北
ホームはけっこう長く、2両編成には充分すぎる長さ(朝は4両編成もあるんだっけ?)。2両の電車はほぼ中央に停車する。弘南鉄道のワンマン電車では、無人駅ではいちばん前のドアしか開かないので注意。(JRと違って、前の車両の後ろ寄りドアは開かない)
駅南西側から。左側が運動公園。産業まつり見学の小学生が降り立った
「駅舎」と呼べるものはなく、ホーム1本だけの駅。ホーム上には、いくつかの構造物がある。
まず、黒石寄りに屋根付きベンチがある。よくバス停にあるようなタイプ。「待合所」と呼んでおこう。
弘前行き電車の場合、待合所から前ドアまで多少距離がある。
そして、弘前寄りの端(上の写真手前)に、2つの建物がある。
ホームから弘前駅方向を眺める
1つは、おそらく乗車券売り場だったもの(写真手前)。昔は、運動公園で催しがある日に駅員が派遣されていたようだ。
もう1つは、奥にあるもの。ドア付きの待合室のようだが、今は使っていないようだ。屋根だけの待合所では、冬は寒そうだから、これが使えたらいいのに。
その前には、ダイドーとコカコーラの自販機と、
壊れた水飲み場?
弘南鉄道大鰐線の一部駅にも、似たような水飲み場があり、現役で使われているはず。※この記事最後にて
前回も触れた、駅から運動公園内へ行く方法。ホームには特に案内表示はなかったはずで、初めて降り立った人はどちらに行けばいいのか、戸惑う。(逆に公園内から駅への案内もあまりなかった気がする)
弘前寄りの閉鎖された待合室・自販機のところから、園内へ入るようになっている。
しかし、逆の黒石側からも、なんとなく運動公園へ入れそうな雰囲気がしなくもない。(略図の赤矢印)
ホームから黒石側
こちらは、新しそうな広いスロープがあり、線路の反対側へ渡る踏切がある。その踏切の辺りから園内へ入れそうなのだが…
道はあるのに、高さが揃っていなくて通れない!
たぶん、昔は通れたのかもしれないが、スロープ設置時にスペース的な制約から、通路を封鎖してしまったのかもしれない。【30日追記】でも、通路側の柵の錆具合からすれば、スロープ設置前からあったのかもしれない。
僕はここの構造を帰りまで分からなかった。園内側から駅へ行こうとしてこの行き止まりの場所へ出てしまい、うろうろしていると、通りかかった地元の方が「このすき間を抜ければ大丈夫。お年寄りもみんな通っているよ」と教えてくださった。
たしかに、標準的な体型で足元がしっかりした人なら、通行止め部分をすり抜けられる幅の柵のすき間がある。特に通行禁止という表示もないし、自己責任で通っても問題はなかろう。(雪が積もったら無理そう)
【30日追記】場所によっては、段差や溝があったり、傾斜で足元が不安定な箇所があるかもしれません。通行はあくまでも自己責任で。
それにしても、バリアフリーを図るべく設けたスロープが、利用者の円滑な通行を妨げ、迂回やすり抜けさせているとは、皮肉なお話。
では、踏切を渡って、線路の反対側へ。
上記の通り、黒石寄りに踏切がある。「構内踏切」というヤツだ。遮断機付き。
駅南東(略図の青矢印)
踏切を渡ったところが、駅の正面の扱いらしく、駅名看板や時刻表・運賃表がある。
踏切には「鉄道ご利用者以外の通行を禁じます」「自転車の通行を禁ずる」とある。
実は、駅近隣数百メートル内には、オーバーパスの国道7号線以外に、線路を越える道路がない。そのため、自転車も含めて構内踏切~運動公園前駅ホーム~運動公園内を抜け道として使ってしまう人がいるのだろう。黒石寄りの公園内通路を通行止めにしたのには、通りにくくして抜け道として使わせない意図もあったのかもしれない。
運動公園前駅の南側は、新しく造成されたような道路と町ができている。その中で目立つのが、駅南西の「弘前医療福祉短大・大学」。地名としては扇町~小比内(さんぴない)。
この辺りが、2001年に分譲が始まった27.9ヘクタールの産業拠点、「弘前オフィス・アルカディア」。
いくつかの企業ができているが、まだ空き地も多い
【30日追記】弘前駅の北西、野田地区(和徳の北)にある、津軽保健生活協同組合の「健生病院」が、2014年にアルカディア内に移転して開業するそうだ。
【2014年6月27日追記】その後、建設費(資材)高騰などにより、病院の移転は2017年度以降にずれ込むことになった。
「万助川」という小さな川に架かる「古今橋」
アルカディアの中を歩くと、以前からあるような道路と家並みに出た。オフィスアルカディアの入口。
岩木山がそびえる
運動公園前駅はこっちという看板もあったが、わざわざ車で来る人は少ないだろう。
そこにあったのが、
「いとくアルカディア店」
オフィスアルカディアの一区画の扱いで、すたみな太郎とツルハドラッグ、そしてスーパーのいとくがある。まとめて「弘前アルカディアショッピングセンター」と呼ぶらしい。
弘前市内のいとくといえば、ここの1キロほど南西の「安原店」の印象が強かったが、2006年に安原店が移転する形でアルカディア店が開店した。現在は弘前市唯一のいとく。店の内外の造りは、最近のいとくらしいもので、にぎわっていた。
いとくの近くには葬儀場まであった。これもオフィスアルカディアの区画。
駅に戻ると、医療福祉大の学生が10人ほど、列車を待っていた。
近くに学生向けアパートは少なそうだし、大学の性質上、自宅から通う学生が多いのかもしれない。近くにバス路線がないここでは、かなり便利な通学手段になる。
運動公園前駅のいちばんの得意客が同大学の学生かもしれない。そして、高校の最寄り駅を除く無人駅にしては、けっこうな利用者がいそうだ。
そうすると、学校から駅まで、踏切の位置関係から遠回りになってしまうのが惜しい。せっかくだから、弘前駅寄りにも踏切を作ればいいのに。
やって来た弘前行き電車は、黒石方面からのお客と合わせて、座席がほとんど埋まってちらほら立ち客がいる。昼間の地方鉄道としては盛況。大鰐線ではまず見られない光景だった。
弘南鉄道弘前駅の駅名標
弘前駅の駅名標は、本来、隣の駅名を書くべきところに「黒石」と、終点の駅名を入れてしまっている。なんて大雑把な!
ラインカラーがオレンジ色なのも、JR東海みたいでおもしろい。弘南鉄道にオレンジ色のイメージはあまりないけど…
弘南鉄道の大鰐線は、利用者の減少が激しいらしい。
一方、弘南線は、列車本数の多さと見た感じから、利用状況はそう悪くないように感じた。田舎館村の田んぼアートの会場の1つである「道の駅いなかだて」近くに、駅を新設することが、弘南鉄道と村によって検討されているという報道もあった。今後に期待。
【30日追記】上記追記の通り、健生病院が移転すれば、弘南線が主要なアクセス手段となり、運動公園前駅の重要性が増す可能性もある。そうなれば、ダイヤや運動公園前駅施設の充実もあり得るかもしれない。
今回の弘前訪問記は、とりあえずこれで終わりになると思います。※もう1つ話題がありました。
※2017年10月に健生病院がアルカディアへ移転。それに合わせて、新たなバス路線が運行された。
公園の南端を弘南鉄道弘南線(弘前-黒石)が通っていて、「運動公園前」駅がある。その周辺の状況。
周辺の略図。上がほぼ北
ホームはけっこう長く、2両編成には充分すぎる長さ(朝は4両編成もあるんだっけ?)。2両の電車はほぼ中央に停車する。弘南鉄道のワンマン電車では、無人駅ではいちばん前のドアしか開かないので注意。(JRと違って、前の車両の後ろ寄りドアは開かない)
駅南西側から。左側が運動公園。産業まつり見学の小学生が降り立った
「駅舎」と呼べるものはなく、ホーム1本だけの駅。ホーム上には、いくつかの構造物がある。
まず、黒石寄りに屋根付きベンチがある。よくバス停にあるようなタイプ。「待合所」と呼んでおこう。
弘前行き電車の場合、待合所から前ドアまで多少距離がある。
そして、弘前寄りの端(上の写真手前)に、2つの建物がある。
ホームから弘前駅方向を眺める
1つは、おそらく乗車券売り場だったもの(写真手前)。昔は、運動公園で催しがある日に駅員が派遣されていたようだ。
もう1つは、奥にあるもの。ドア付きの待合室のようだが、今は使っていないようだ。屋根だけの待合所では、冬は寒そうだから、これが使えたらいいのに。
その前には、ダイドーとコカコーラの自販機と、
壊れた水飲み場?
弘南鉄道大鰐線の一部駅にも、似たような水飲み場があり、現役で使われているはず。※この記事最後にて
前回も触れた、駅から運動公園内へ行く方法。ホームには特に案内表示はなかったはずで、初めて降り立った人はどちらに行けばいいのか、戸惑う。(逆に公園内から駅への案内もあまりなかった気がする)
弘前寄りの閉鎖された待合室・自販機のところから、園内へ入るようになっている。
しかし、逆の黒石側からも、なんとなく運動公園へ入れそうな雰囲気がしなくもない。(略図の赤矢印)
ホームから黒石側
こちらは、新しそうな広いスロープがあり、線路の反対側へ渡る踏切がある。その踏切の辺りから園内へ入れそうなのだが…
道はあるのに、高さが揃っていなくて通れない!
たぶん、昔は通れたのかもしれないが、スロープ設置時にスペース的な制約から、通路を封鎖してしまったのかもしれない。【30日追記】でも、通路側の柵の錆具合からすれば、スロープ設置前からあったのかもしれない。
僕はここの構造を帰りまで分からなかった。園内側から駅へ行こうとしてこの行き止まりの場所へ出てしまい、うろうろしていると、通りかかった地元の方が「このすき間を抜ければ大丈夫。お年寄りもみんな通っているよ」と教えてくださった。
たしかに、標準的な体型で足元がしっかりした人なら、通行止め部分をすり抜けられる幅の柵のすき間がある。特に通行禁止という表示もないし、自己責任で通っても問題はなかろう。(雪が積もったら無理そう)
【30日追記】場所によっては、段差や溝があったり、傾斜で足元が不安定な箇所があるかもしれません。通行はあくまでも自己責任で。
それにしても、バリアフリーを図るべく設けたスロープが、利用者の円滑な通行を妨げ、迂回やすり抜けさせているとは、皮肉なお話。
では、踏切を渡って、線路の反対側へ。
上記の通り、黒石寄りに踏切がある。「構内踏切」というヤツだ。遮断機付き。
駅南東(略図の青矢印)
踏切を渡ったところが、駅の正面の扱いらしく、駅名看板や時刻表・運賃表がある。
踏切には「鉄道ご利用者以外の通行を禁じます」「自転車の通行を禁ずる」とある。
実は、駅近隣数百メートル内には、オーバーパスの国道7号線以外に、線路を越える道路がない。そのため、自転車も含めて構内踏切~運動公園前駅ホーム~運動公園内を抜け道として使ってしまう人がいるのだろう。黒石寄りの公園内通路を通行止めにしたのには、通りにくくして抜け道として使わせない意図もあったのかもしれない。
運動公園前駅の南側は、新しく造成されたような道路と町ができている。その中で目立つのが、駅南西の「弘前医療福祉短大・大学」。地名としては扇町~小比内(さんぴない)。
この辺りが、2001年に分譲が始まった27.9ヘクタールの産業拠点、「弘前オフィス・アルカディア」。
いくつかの企業ができているが、まだ空き地も多い
【30日追記】弘前駅の北西、野田地区(和徳の北)にある、津軽保健生活協同組合の「健生病院」が、2014年にアルカディア内に移転して開業するそうだ。
【2014年6月27日追記】その後、建設費(資材)高騰などにより、病院の移転は2017年度以降にずれ込むことになった。
「万助川」という小さな川に架かる「古今橋」
アルカディアの中を歩くと、以前からあるような道路と家並みに出た。オフィスアルカディアの入口。
岩木山がそびえる
運動公園前駅はこっちという看板もあったが、わざわざ車で来る人は少ないだろう。
そこにあったのが、
「いとくアルカディア店」
オフィスアルカディアの一区画の扱いで、すたみな太郎とツルハドラッグ、そしてスーパーのいとくがある。まとめて「弘前アルカディアショッピングセンター」と呼ぶらしい。
弘前市内のいとくといえば、ここの1キロほど南西の「安原店」の印象が強かったが、2006年に安原店が移転する形でアルカディア店が開店した。現在は弘前市唯一のいとく。店の内外の造りは、最近のいとくらしいもので、にぎわっていた。
いとくの近くには葬儀場まであった。これもオフィスアルカディアの区画。
駅に戻ると、医療福祉大の学生が10人ほど、列車を待っていた。
近くに学生向けアパートは少なそうだし、大学の性質上、自宅から通う学生が多いのかもしれない。近くにバス路線がないここでは、かなり便利な通学手段になる。
運動公園前駅のいちばんの得意客が同大学の学生かもしれない。そして、高校の最寄り駅を除く無人駅にしては、けっこうな利用者がいそうだ。
そうすると、学校から駅まで、踏切の位置関係から遠回りになってしまうのが惜しい。せっかくだから、弘前駅寄りにも踏切を作ればいいのに。
やって来た弘前行き電車は、黒石方面からのお客と合わせて、座席がほとんど埋まってちらほら立ち客がいる。昼間の地方鉄道としては盛況。大鰐線ではまず見られない光景だった。
弘南鉄道弘前駅の駅名標
弘前駅の駅名標は、本来、隣の駅名を書くべきところに「黒石」と、終点の駅名を入れてしまっている。なんて大雑把な!
ラインカラーがオレンジ色なのも、JR東海みたいでおもしろい。弘南鉄道にオレンジ色のイメージはあまりないけど…
弘南鉄道の大鰐線は、利用者の減少が激しいらしい。
一方、弘南線は、列車本数の多さと見た感じから、利用状況はそう悪くないように感じた。田舎館村の田んぼアートの会場の1つである「道の駅いなかだて」近くに、駅を新設することが、弘南鉄道と村によって検討されているという報道もあった。今後に期待。
【30日追記】上記追記の通り、健生病院が移転すれば、弘南線が主要なアクセス手段となり、運動公園前駅の重要性が増す可能性もある。そうなれば、ダイヤや運動公園前駅施設の充実もあり得るかもしれない。
今回の弘前訪問記は、とりあえずこれで終わりになると思います。※もう1つ話題がありました。
※2017年10月に健生病院がアルカディアへ移転。それに合わせて、新たなバス路線が運行された。