秋田大学医学部附属病院の外来通院時の、会計待ち時間を大幅に短縮することが可能になった話。
ただし、クレジットカード(家族名義でも可、クレジットブランドのデビットカードは不可)とメールアドレス【29日補足・登録に必須。通院時は不要なのでパソコン用で可】が必要で、自己負担上限管理票や助成券所有者、治験中の人は利用不可。
※今後、変更の可能性もあるので、詳細は病院ホームページ(後述)やリーフレットで確認を。
医療機関に通院時に、なんとかならないかと思うことの1つが「待ち時間」。個人の開業医でもなくはないが、総合病院では、診察より待つ時間のほうが長いのは常識。
(診療・診察としては)生まれて初めてかかる総合病院である、秋田大学医学部附属病院もご多分に漏れず。再来患者は、時間枠を指定した予約制だが、その時間から1時間経ってから呼ばれることもある。診察室の数と医師の人数に限りがあるのだから、しょうがない。これは「診察前の待ち時間」。
もう1つが、「診察後・会計の待ち時間」。
これが思ってもいなかった長さ。
病院ホームページ「受診に際して」には、「診療費の計算には、通常10分~15分程度要します(曜日・時間帯によっては、待ち時間が長くなる場合もあります)。」と書いてあるのだが、カッコの前は(基本的・総合的に)大ウソだと言わざるを得ない。
総合病院では、すべての診療科の患者の会計を、中央で一括して処理するのが原則らしい。
したがって、受診した科の診察がとてもスピーディーに終わったとしても、他の診療科の患者が多くて(もしくは平常並みで)、診察前よりも長く待たされることもある。
1階会計窓口での受け付け順に、連番の「会計番号」が振られる(「呼出受信機」に配信)。余談だが「444」番も飛ばさずに振られるようだ。
1階正面・玄関ホールのディスプレイ(番号表示盤)では、何番まで会計ができているかが表示される。自分の番号と差し引きすれば、何人待っているのか分かる。
大雑把な感覚としては、100人待っていれば、1時間かかる。
おそらく朝イチだと、ホームページの通り「10分~15分程度」ででき上がるのだろう。
これも大雑把だが、10時過ぎ~11時辺りで会計に提出すると、30分程度で会計ができあがる。そして、昼前後になると、1時間待ちはほぼ確実。2時間かかることもあった。
会計待ちの間は病院の外に出てもいい(17時前までに戻って支払えばいい)のだが、「呼出受信機」を預けなければいけない。おそらく院外に持ち出すと、警告音か何かを発する。
病院の窓口の人も忙しそうで、預けて・受け取ってが申し訳なく感じてしまう。ところで、病院玄関には、100円玉リターン式のコインロッカーがある。それを使って…ということも…
そんなわけで、病院内の空いているベンチを探して、院内Wi-Fiに接続したスマホをいじって、隣のイオンスタイル広面で買ってきたおにぎりかパンを食べて(昼前後は院内ローソンは混雑)、などと時間をつぶして、時には、それらも済んで何もやることがなくなってしばらくして、やっと会計ができて支払って、放免。
患者としては早く計算しろと言いたくなるが、病院側・職員側としても、次々に書類が増えていく中、ミスなく計算するのはプレッシャーだろう。すべてコンピューター処理されるわけではなく、手書きの書類もあるようで、その点でも改善の余地はあるかもしれないが。
JA秋田厚生連の秋田厚生医療センターでは、スマートフォンアプリを使い、後からクレジットカード決済され、診察後すぐに帰宅できるシステムがあると聞いた。秋大でも導入してほしいけれど、地方国立大学では無理かなと思っていた。
2025年1月は気付かなかったが、2025年2月の通院時に、玄関ホールの総合受付前に、新しい黒い機械が置かれていた。液晶ディスプレイと、磁気カードを通すスリットがあり「医療費後払い」とか書いてる。これはもしや!
ところが、それ以上の情報が、機械の周りにも、院内の掲示にも、ホームページにもない。
電源は入っていたし、使わない時にかけるカバーがたたんで横に置かれていたから、運用中なのだと思うが。
2025年4月の通院に先立ち、病院ホームページを見ると、上記「受診に際して」の中に、ひっそりと「待ち時間短縮のため、医療費後払いシステムもご利用頂けます。」の文言と、リーフレットと登録サイトへのリンクが、いつの間にかひっそりと追加されていた!!【30日追記・X(旧・ツイッター)には、4月9日に利用したという投稿があった。】
昨年のWi-Fi開始、院内レストランの閉店/再開店も、周知が少なかったが、それ以上にひっそり。
地域との連携の紹介とか、不祥事の公表も必要だろうが、患者としてはそんなことよりも知りたい情報があるのです。どうしてホームページのトップとか、院内の目立つところで紹介しないのか、できないのか。
職員のみなさんが、それぞれの職責を真摯に全うされているのはよく分かるけれど、組織全体としてのサービス精神というか配慮に欠けるのは、秋大病院や秋大に限らず、国立大学によくあることのような気がする。30年前の隣県の国立大学がそうだったし、国立大学法人化されても変わっていないのでは。
さっそく使ってみた。
初期登録として、登録サイトで、個人情報やクレジットカード情報などを入力し、最大15分ほどで利用可能。したがって、通院当日でも登録可能。診察券番号(患者番号)の入力が必要なので、まったくの初診時は登録できないかも(診察券発行後なら可能?)。
病院へ行ったら、1階ホールの再来受付機で(診察の)受け付け、2番窓口で保険証確認【5月3日補足・ここまでは全員共通】後、1番総合案内前の例の黒い機械【28日追記・受付機】に診察券を通す。すると、ピンク色のレシート状の「利用票」が出てくる。
その後、各診療科受付(クラーク)へ進むが、その時、診察券、予約票とともに、ピンクの利用票も提出。
【5月3日補足】この手順は、通院の度に毎回必要。【28日補足】利用登録後でも、受付機に通さなければ、従来の会計になる。
診察後。
従来は、各科クラークで、緑色のクリアファイルを渡され、それを1階の3番料金計算窓口へ提出(会計番号付与)。
待ってでき上がったら、自動支払機または4番支払窓口で支払い。その領収書と呼び出し受信機を、5番引渡窓口へ渡して、診察券・次回予約票・処方箋をもらって、やっと終わり。
後払いでは、緑のファイルを3番に出すだけ(受信機もそこで回収)。
ピンクの紙が目印となり、3番窓口で、診察券・次回予約票・処方箋を渡してくれる。もう帰ってよい。
クレジットカード決済は約4日後で、メールで通知。領収書・明細書は、決済以降に、5番窓口横の、別の黒い機械=発行機から発行可能。
【5月2日追記】休日を含めて4日後の朝9時00分に、請求金額等が記された決済完了メールが届いた。JCBカードを使ったが、利用明細への反映はさらに3日後で、利用日は決済完了メール送信日(休日でも)、利用先名は支払機・窓口と同じく「秋田大学医学部附属病院」。
診察直後、各科クラークでの処理(診療内容のチェック等?)は変わらないので、状況によってはある程度(10分程度?)待たされてしまうものの、それが終われば帰っていいというのは、気分的にものすごく楽で、ものすごく時間短縮されたと感じた(実際に1時間は早いわけだが)。これまでは、診察が終わってやれやれと楽にはなったが、さらに1時間(かそれ以上)待たされるのは、もううんざりと思う日もあったから。【28日追記・場合によっては、病院滞在時間が半減できることになるのだから、画期的。】
受付機に診察券を通す手順が増えただけで、スマホアプリなどは不要なのも便利。
この便利なシステムの利用率は…
他にたった1人だけ、受付機からピンクの紙を出した人を見た。そのかたは、受診後、3番に並ぶ直前に発行していた(=システム的には受付直後でなくても対応可能な模様)。病院へ来てから、存在を知ったのだろうか。
いや。あの周知方法では、利用者が2人もいたとは、多いほうなのでは。
【28日追記・従来の支払いでも、クレジットカードで支払う患者は、半分にも満たない感じ。それを踏まえると、本サービスを使う患者が劇的に多くなるわけではないとは思う。】
リーフレットでは、このシステムに「待たずにラク~だ」という名称が付いている。
レジ用釣銭機のほか、医療機関向け機器も手掛ける「グローリー」の製品。全国的に導入する病院はいくつもあって、秋田市内では中通総合病院が2024年3月から導入していた。市立秋田総合病院や、秋田赤十字病院では、他社も含めた後払いは未導入のようだ(県外の日赤では導入例あり)。【28日追記・入院費も対象だったり、明細が配信されたり、病院ごとに仕様をカスタマイズできるので、今後、秋大でも変更されていく可能性がある。】【5月1日追記・グローリーホームページによれば、後払いシステムには医事会計システムとの相性のようなものがあるようだ。後払いを導入したい病院でも、それがネックとなって導入できない場合もあるだろう。】
秋大病院の導入は、早いほうのようだ【28日補足・その点では先進的、画期的】。せっかく導入したことを、どうして宣伝しないのか、ほんとうに不思議。計算を後回しできることで、業務に余裕ができるだろうし、相対的に後払いでない患者の待ち時間短縮にもなるのだから、もっと使わせないと。
ただし、クレジットカード(家族名義でも可、クレジットブランドのデビットカードは不可)とメールアドレス【29日補足・登録に必須。通院時は不要なのでパソコン用で可】が必要で、自己負担上限管理票や助成券所有者、治験中の人は利用不可。
※今後、変更の可能性もあるので、詳細は病院ホームページ(後述)やリーフレットで確認を。
医療機関に通院時に、なんとかならないかと思うことの1つが「待ち時間」。個人の開業医でもなくはないが、総合病院では、診察より待つ時間のほうが長いのは常識。
(診療・診察としては)生まれて初めてかかる総合病院である、秋田大学医学部附属病院もご多分に漏れず。再来患者は、時間枠を指定した予約制だが、その時間から1時間経ってから呼ばれることもある。診察室の数と医師の人数に限りがあるのだから、しょうがない。これは「診察前の待ち時間」。
もう1つが、「診察後・会計の待ち時間」。
これが思ってもいなかった長さ。
病院ホームページ「受診に際して」には、「診療費の計算には、通常10分~15分程度要します(曜日・時間帯によっては、待ち時間が長くなる場合もあります)。」と書いてあるのだが、カッコの前は(基本的・総合的に)大ウソだと言わざるを得ない。
総合病院では、すべての診療科の患者の会計を、中央で一括して処理するのが原則らしい。
したがって、受診した科の診察がとてもスピーディーに終わったとしても、他の診療科の患者が多くて(もしくは平常並みで)、診察前よりも長く待たされることもある。
1階会計窓口での受け付け順に、連番の「会計番号」が振られる(「呼出受信機」に配信)。余談だが「444」番も飛ばさずに振られるようだ。
1階正面・玄関ホールのディスプレイ(番号表示盤)では、何番まで会計ができているかが表示される。自分の番号と差し引きすれば、何人待っているのか分かる。
大雑把な感覚としては、100人待っていれば、1時間かかる。
おそらく朝イチだと、ホームページの通り「10分~15分程度」ででき上がるのだろう。
これも大雑把だが、10時過ぎ~11時辺りで会計に提出すると、30分程度で会計ができあがる。そして、昼前後になると、1時間待ちはほぼ確実。2時間かかることもあった。
会計待ちの間は病院の外に出てもいい(17時前までに戻って支払えばいい)のだが、「呼出受信機」を預けなければいけない。おそらく院外に持ち出すと、警告音か何かを発する。
病院の窓口の人も忙しそうで、預けて・受け取ってが申し訳なく感じてしまう。ところで、病院玄関には、100円玉リターン式のコインロッカーがある。それを使って…ということも…
そんなわけで、病院内の空いているベンチを探して、院内Wi-Fiに接続したスマホをいじって、隣のイオンスタイル広面で買ってきたおにぎりかパンを食べて(昼前後は院内ローソンは混雑)、などと時間をつぶして、時には、それらも済んで何もやることがなくなってしばらくして、やっと会計ができて支払って、放免。
患者としては早く計算しろと言いたくなるが、病院側・職員側としても、次々に書類が増えていく中、ミスなく計算するのはプレッシャーだろう。すべてコンピューター処理されるわけではなく、手書きの書類もあるようで、その点でも改善の余地はあるかもしれないが。
JA秋田厚生連の秋田厚生医療センターでは、スマートフォンアプリを使い、後からクレジットカード決済され、診察後すぐに帰宅できるシステムがあると聞いた。秋大でも導入してほしいけれど、地方国立大学では無理かなと思っていた。
2025年1月は気付かなかったが、2025年2月の通院時に、玄関ホールの総合受付前に、新しい黒い機械が置かれていた。液晶ディスプレイと、磁気カードを通すスリットがあり「医療費後払い」とか書いてる。これはもしや!
ところが、それ以上の情報が、機械の周りにも、院内の掲示にも、ホームページにもない。
電源は入っていたし、使わない時にかけるカバーがたたんで横に置かれていたから、運用中なのだと思うが。
2025年4月の通院に先立ち、病院ホームページを見ると、上記「受診に際して」の中に、ひっそりと「待ち時間短縮のため、医療費後払いシステムもご利用頂けます。」の文言と、リーフレットと登録サイトへのリンクが、いつの間にかひっそりと追加されていた!!【30日追記・X(旧・ツイッター)には、4月9日に利用したという投稿があった。】
昨年のWi-Fi開始、院内レストランの閉店/再開店も、周知が少なかったが、それ以上にひっそり。
地域との連携の紹介とか、不祥事の公表も必要だろうが、患者としてはそんなことよりも知りたい情報があるのです。どうしてホームページのトップとか、院内の目立つところで紹介しないのか、できないのか。
職員のみなさんが、それぞれの職責を真摯に全うされているのはよく分かるけれど、組織全体としてのサービス精神というか配慮に欠けるのは、秋大病院や秋大に限らず、国立大学によくあることのような気がする。30年前の隣県の国立大学がそうだったし、国立大学法人化されても変わっていないのでは。
さっそく使ってみた。
初期登録として、登録サイトで、個人情報やクレジットカード情報などを入力し、最大15分ほどで利用可能。したがって、通院当日でも登録可能。診察券番号(患者番号)の入力が必要なので、まったくの初診時は登録できないかも(診察券発行後なら可能?)。
病院へ行ったら、1階ホールの再来受付機で(診察の)受け付け、2番窓口で保険証確認【5月3日補足・ここまでは全員共通】後、1番総合案内前の例の黒い機械【28日追記・受付機】に診察券を通す。すると、ピンク色のレシート状の「利用票」が出てくる。
その後、各診療科受付(クラーク)へ進むが、その時、診察券、予約票とともに、ピンクの利用票も提出。
【5月3日補足】この手順は、通院の度に毎回必要。【28日補足】利用登録後でも、受付機に通さなければ、従来の会計になる。
診察後。
従来は、各科クラークで、緑色のクリアファイルを渡され、それを1階の3番料金計算窓口へ提出(会計番号付与)。
待ってでき上がったら、自動支払機または4番支払窓口で支払い。その領収書と呼び出し受信機を、5番引渡窓口へ渡して、診察券・次回予約票・処方箋をもらって、やっと終わり。
後払いでは、緑のファイルを3番に出すだけ(受信機もそこで回収)。
ピンクの紙が目印となり、3番窓口で、診察券・次回予約票・処方箋を渡してくれる。もう帰ってよい。
クレジットカード決済は約4日後で、メールで通知。領収書・明細書は、決済以降に、5番窓口横の、別の黒い機械=発行機から発行可能。
【5月2日追記】休日を含めて4日後の朝9時00分に、請求金額等が記された決済完了メールが届いた。JCBカードを使ったが、利用明細への反映はさらに3日後で、利用日は決済完了メール送信日(休日でも)、利用先名は支払機・窓口と同じく「秋田大学医学部附属病院」。
診察直後、各科クラークでの処理(診療内容のチェック等?)は変わらないので、状況によってはある程度(10分程度?)待たされてしまうものの、それが終われば帰っていいというのは、気分的にものすごく楽で、ものすごく時間短縮されたと感じた(実際に1時間は早いわけだが)。これまでは、診察が終わってやれやれと楽にはなったが、さらに1時間(かそれ以上)待たされるのは、もううんざりと思う日もあったから。【28日追記・場合によっては、病院滞在時間が半減できることになるのだから、画期的。】
受付機に診察券を通す手順が増えただけで、スマホアプリなどは不要なのも便利。
この便利なシステムの利用率は…
他にたった1人だけ、受付機からピンクの紙を出した人を見た。そのかたは、受診後、3番に並ぶ直前に発行していた(=システム的には受付直後でなくても対応可能な模様)。病院へ来てから、存在を知ったのだろうか。
いや。あの周知方法では、利用者が2人もいたとは、多いほうなのでは。
【28日追記・従来の支払いでも、クレジットカードで支払う患者は、半分にも満たない感じ。それを踏まえると、本サービスを使う患者が劇的に多くなるわけではないとは思う。】
リーフレットでは、このシステムに「待たずにラク~だ」という名称が付いている。
レジ用釣銭機のほか、医療機関向け機器も手掛ける「グローリー」の製品。全国的に導入する病院はいくつもあって、秋田市内では中通総合病院が2024年3月から導入していた。市立秋田総合病院や、秋田赤十字病院では、他社も含めた後払いは未導入のようだ(県外の日赤では導入例あり)。【28日追記・入院費も対象だったり、明細が配信されたり、病院ごとに仕様をカスタマイズできるので、今後、秋大でも変更されていく可能性がある。】【5月1日追記・グローリーホームページによれば、後払いシステムには医事会計システムとの相性のようなものがあるようだ。後払いを導入したい病院でも、それがネックとなって導入できない場合もあるだろう。】
秋大病院の導入は、早いほうのようだ【28日補足・その点では先進的、画期的】。せっかく導入したことを、どうして宣伝しないのか、ほんとうに不思議。計算を後回しできることで、業務に余裕ができるだろうし、相対的に後払いでない患者の待ち時間短縮にもなるのだから、もっと使わせないと。