1961年から続くNHKの長寿ミニ歌番組「みんなのうた」。それについての、子どもだった昭和末期頃の思い出。(敬称略。知ったかぶり多数)
過去には既存曲を紹介したり、現在は枠いっぱいの1曲5分の作品もあるが、当時は番組のために書き下ろされた作品を、5分で2曲ずつ放送していた。2か月ごと(偶数月から)に新作が4曲放送され、別枠の過去の再放送曲も入れ替わる。
みんなのうたで放送される歌は、子ども向けばかりではないし、明るくない曲もある。よく考えれば、切なかったり奇妙だったりするものもあるし、テレビではアニメーションなど映像が曲にイメージを植え付けてしまうこともある(「雪まつり」の郵便屋さんとか)。
1980年代前半は「オランガタン」「メトロポリタン美術館」「まっくら森の歌」「キャベツUFO」といった、ちょっと不思議な歌が人気。
1980年代後半では、前半ほど大ヒットした曲はなかったと言えよう。そのせいか、後年の再放送の頻度は少ない気がしなくもない。
世の中はバブルに突入したその頃、僕は小学校上学年になり、語彙や文章(歌詞)の理解力も増え、これまでよりも曲の中身を意識するようになった。
それでも、子ども(小学生)向けではない曲は、おもしろくない・意味がよく分からないと感じながらも、2か月間見聞きするうちに、なんとなく記憶に刻まれた曲もあったけれど、時が経って大人になってから思い出して、いい曲だと思い直すものもある。
インターネットとは便利なもので、NHKの公式ホームページで、これまで放送された曲の情報が分かる。(初期は音源が保存されていない作品も多く、信憑性はやや劣るが、1980年代なら大きな間違いはないだろう。)
ただ、以前はズバリ「1986年放送」と放送時期で検索できていたのに、現在はできなくなってしまった。作者や歌手での検索は可能。
完全にできなくなったわけでもなく、「聴く・リクエスト」というところで、年代を指定すれば、10年刻みで放送順に曲が一覧表示される(聴くとあるわりには聴けない曲が多い)。
それはそれで思い出深く、そういえばこんな歌があったなと記憶がよみがえる歌もあるが、視聴していたはずなのにまったく記憶にない歌もある。
そこを見ていたら、1980年代後半の2~3月に放送された歌に、(個人的には)印象深いものがいくつもあることに気がついた。
1985年には上記「ラジャ・マハラジャー」。内容としてはおとぎ話だけど、戸川純の明るい歌声、ちょっと不思議な歌詞と伴奏とアニメーションが独特の世界を作る。
1986年「タニシちゃん」。
ドジョウがピンク色のタニシと結婚するというストーリー。子どもの頃から、そんなことあり得ないだろと不満だったけど…
歌手は森田健作。当時この曲で、森田健作という人を初めて知ったけれど、後に千葉県知事になるとは。
1987年「風のオルガン」。作詞・作曲・歌は「キャベツUFO」と同じ工藤順子。
「ストリート・オルガン」と呼ばれる、街頭で演奏される手回しオルガンを歌った【27日補足・演奏する様子を「風を集める」ことに見立てて】もの。
当時、ストリートオルガンの存在を、この歌で初めて知った(この少し後だろうか、秋田市内で実際にストリートオルガンを演奏する男性がいた)。また、アルト、ソプラノ、フォルテ、ピアノ(楽器名じゃなく弱くという演奏指示)という音楽用語も出てきて、ここで覚えた。
アニメーションは、黒いマントの長いヒゲのおじさんが街角で演奏するという歌詞に従ったものであったが、アニメでは、最後にそのおじさん自身がオルガンの箱の中に入ってしまうという、ちょっと怖い終わりかた【3月17日補足・歌詞では集めた風をオルガンの箱に入れて「どこかへ帰っていった」】。子ども心には、印象には残ったが、別段好きでも嫌いでもなかった。
ここからは大人になって改めて聞いてからの感想。
工藤順子のささやくような【3月1日追記・感情をあまりこめず、どこかミステリアスでもある】歌声、オルガン風の伴奏、ヨーロッパっぽいアニメーションがきれい。
伴奏はオルガン”風”であって、風の音や他の音色も含めて、おそらくヤマハDX-7のような、当時普及し始めた16ビットFM音源のデジタルシンセサイザーで演奏している。※現在のシンセサイザーはPCM音源が主流。
アニメーションは、ドラえもん、忍たま乱太郎などの監督なども務めた芝山努。
それらによる間奏部分は、音楽はなんか駅の発車メロディーみたいで、アニメはこの3年後に同氏が監督を務めることになる「ちびまる子ちゃん」のオープニングにどこか似ている。
ちなみに、この後1987年4月には「神父さんのパイプオルガン」という曲が放送。アグネス・チャンが、壊れてネズミが中にいる教会のオルガンのさまを「ボワボワチュッチュボワチュッチュ」と歌う。みんなのうたの歴史の中で、タイトルに「オルガン」が入るのはこの1987年の2曲だけ。
【3月17日】同じくシンガーソングライターであり、みんなのうたで「メトロポリタン美術館」など4曲に関わった(工藤順子は3曲)大貫妙子の歌に、同名の「風のオルガン」という曲があった。もちろん歌詞はまったく違う。1978年のアルバム「ミニヨン」に収録されているそうで、大貫版が先ということになる。工藤版の作・放送時点では、ご本人たちやNHKは知っていたのか(大貫さんのほうが先輩だし、知っていたのならやりにくそう)ちょっと気になる。
次の2曲は、子どもの頃はなぜか印象に残るも意味が分からず、大人になってからちょっと分かってきたけど、僕の人生経験ではまだよく分からない歌。
1986年「ポケットの中で」。
歌手は2017年に何かと話題になった斉藤由貴。当時はデビュー2年目、4月から連続テレビ小説「はね駒」のヒロインを控えていた。当時、同じクラスの女の子といっしょにテレビで見たことがあり、彼女が「あ、由貴ちゃんだ!」と言っていた。
アニメーションというか、ズーミング以外は動きがない絵のような青っぽい映像で、やなせたかしによるもの。アンパンマンとはまったく違う趣き。
絵とあいまって斉藤由貴らしいぽわーんとした雰囲気の曲。
内容は、ポケットの中で星が揺れたり騒いだりするから、恋をあきらめることにしたというもの。
全体によく理解できないけれど、中でも「ひと冬ごとに真夜中はそれぞれの約束を確かめあえている」という、擬人化というか比喩は、今も昔もまったく分からない。
【4月8日追記】当時のみんなのうたでは、歌詞を角ゴシック体で表示していたが、一部の文字が独特のデザインだった(時期によって違うかも)。この歌詞では、「冬」のいちばん下の点というか線の向きが右上がりになっており、2つの点が「>」のような配置になっていた。また「そ」は1筆書きでない、2画で書くもの。【2020年11月22日補足】モリサワの写真植字書体で、漢字と仮名で違うものだったようだ。いつかまた。 2023年に再放送され、「冬」の謎も解決した。(以上追記)
作詞は銀色夏生。「ぎんいろなつを」と読む。当時ラジオでの曲紹介のナレーションで読みを聞いて男だと思いこんだが、当時25歳くらいの女性詩人。みんなのうたには他にもいくつか作品があり、1985年の「ああ おかしいね」など分かりやすい詞もあれば、こんな難解な詞も作る。
1987年「ゆらん ゆろん」。
これも失恋の歌だろうか。
「東京放送児童合唱団シニア」というユニットが歌っている。女性3人くらいの合唱。【27日補足・名称からして、NHK東京放送児童合唱団の年長団員または元団員から選抜されたメンバーか】
伴奏は、おそらくエレクトーンではないだろうか。この頃にアレンジが変わった、教育テレビ「理科教室小学校6年生」のテーマ(関連記事)に音色が似ている。理科教室6年は、エレクトーン奏者である加曽利康之の編曲だが、ゆらんゆろんには特に名前は出ていない。【27日補足・作曲は、みんなのうたの他の曲や音楽の教科書の曲も手がけた若松正司】
「ため息ついたら雪になる」「ひっそりと春を待ち」といった、この時期らしいフレーズがある。
映像は実写で、雪が積もって、日が差してせせらぎが流れるような、春が近そうな雪国の映像。「撮影地 新潟県塩沢町」という字幕が出ていたと思う(現・南魚沼市)。この辺りが印象に残った。雪国に住む者として、共感するところがあったのだと思う。
こんな感じの映像だったかな?(写真は秋田市広面と下北手松崎の境の太平川で2018年撮影)
1989年「あしたは元気 (More Music!)」。
この曲名は、最近分かった。
「ペダルをこげば春が近づいてくる 日曜日の昼下がり」という歌い出しのフレーズが、時折頭をかすめることがあったが、続きもタイトルも記憶になかった。
内容からして春、時期は昭和末期だと推測して、検索してみたがなかなか分からなかった。それもそのはず、思っていたより少し遅い平成に入ってすぐの作品だった。
歌手は芳本美代子。
この曲については、タイトルや続きを知っても別に感慨はないけれど、分かってスッキリ。
1990年「一円玉の旅がらす」。
消費税導入で使う頻度が増えた1円玉を、股旅物の主人公に見立てた演歌調の歌。それなりに流行って、今でも「のど自慢」などでたまに歌われる。
消費税導入は1989年4月。放送されたのはその前後だと思っていたが、実際には導入から1年経とうとする頃だった。
以上、1988年を除いて、1985年から1990年まで、2・3月のみんなのうたは、いろんな意味で心に残る歌が毎年放送されていたのだった。
上記の曲は、みんなのうた大全集的な市販CDに収録されているものもあるが、放送とは歌手が替わっていたり、編曲・演奏も違っていたりして、放送とはイメージが変わってしまう曲も少なくない。
ゆらんゆろんの歌詞のように春を待ちながら【2020年11月22日補足・気だるい気持ちで】、ストーブをつけた部屋でモノラル音声【28日追記・当時は録音と放送は既にステレオ化されていたが、一般家庭にステレオ音声のテレビはそれほど普及していなかったと思う。】のブラウン管テレビを見ていた昔の思い出。
過去には既存曲を紹介したり、現在は枠いっぱいの1曲5分の作品もあるが、当時は番組のために書き下ろされた作品を、5分で2曲ずつ放送していた。2か月ごと(偶数月から)に新作が4曲放送され、別枠の過去の再放送曲も入れ替わる。
みんなのうたで放送される歌は、子ども向けばかりではないし、明るくない曲もある。よく考えれば、切なかったり奇妙だったりするものもあるし、テレビではアニメーションなど映像が曲にイメージを植え付けてしまうこともある(「雪まつり」の郵便屋さんとか)。
1980年代前半は「オランガタン」「メトロポリタン美術館」「まっくら森の歌」「キャベツUFO」といった、ちょっと不思議な歌が人気。
1980年代後半では、前半ほど大ヒットした曲はなかったと言えよう。そのせいか、後年の再放送の頻度は少ない気がしなくもない。
世の中はバブルに突入したその頃、僕は小学校上学年になり、語彙や文章(歌詞)の理解力も増え、これまでよりも曲の中身を意識するようになった。
それでも、子ども(小学生)向けではない曲は、おもしろくない・意味がよく分からないと感じながらも、2か月間見聞きするうちに、なんとなく記憶に刻まれた曲もあったけれど、時が経って大人になってから思い出して、いい曲だと思い直すものもある。
インターネットとは便利なもので、NHKの公式ホームページで、これまで放送された曲の情報が分かる。(初期は音源が保存されていない作品も多く、信憑性はやや劣るが、1980年代なら大きな間違いはないだろう。)
ただ、以前はズバリ「1986年放送」と放送時期で検索できていたのに、現在はできなくなってしまった。作者や歌手での検索は可能。
完全にできなくなったわけでもなく、「聴く・リクエスト」というところで、年代を指定すれば、10年刻みで放送順に曲が一覧表示される(聴くとあるわりには聴けない曲が多い)。
それはそれで思い出深く、そういえばこんな歌があったなと記憶がよみがえる歌もあるが、視聴していたはずなのにまったく記憶にない歌もある。
そこを見ていたら、1980年代後半の2~3月に放送された歌に、(個人的には)印象深いものがいくつもあることに気がついた。
1985年には上記「ラジャ・マハラジャー」。内容としてはおとぎ話だけど、戸川純の明るい歌声、ちょっと不思議な歌詞と伴奏とアニメーションが独特の世界を作る。
1986年「タニシちゃん」。
ドジョウがピンク色のタニシと結婚するというストーリー。子どもの頃から、そんなことあり得ないだろと不満だったけど…
歌手は森田健作。当時この曲で、森田健作という人を初めて知ったけれど、後に千葉県知事になるとは。
1987年「風のオルガン」。作詞・作曲・歌は「キャベツUFO」と同じ工藤順子。
「ストリート・オルガン」と呼ばれる、街頭で演奏される手回しオルガンを歌った【27日補足・演奏する様子を「風を集める」ことに見立てて】もの。
当時、ストリートオルガンの存在を、この歌で初めて知った(この少し後だろうか、秋田市内で実際にストリートオルガンを演奏する男性がいた)。また、アルト、ソプラノ、フォルテ、ピアノ(楽器名じゃなく弱くという演奏指示)という音楽用語も出てきて、ここで覚えた。
アニメーションは、黒いマントの長いヒゲのおじさんが街角で演奏するという歌詞に従ったものであったが、アニメでは、最後にそのおじさん自身がオルガンの箱の中に入ってしまうという、ちょっと怖い終わりかた【3月17日補足・歌詞では集めた風をオルガンの箱に入れて「どこかへ帰っていった」】。子ども心には、印象には残ったが、別段好きでも嫌いでもなかった。
ここからは大人になって改めて聞いてからの感想。
工藤順子のささやくような【3月1日追記・感情をあまりこめず、どこかミステリアスでもある】歌声、オルガン風の伴奏、ヨーロッパっぽいアニメーションがきれい。
伴奏はオルガン”風”であって、風の音や他の音色も含めて、おそらくヤマハDX-7のような、当時普及し始めた16ビットFM音源のデジタルシンセサイザーで演奏している。※現在のシンセサイザーはPCM音源が主流。
アニメーションは、ドラえもん、忍たま乱太郎などの監督なども務めた芝山努。
それらによる間奏部分は、音楽はなんか駅の発車メロディーみたいで、アニメはこの3年後に同氏が監督を務めることになる「ちびまる子ちゃん」のオープニングにどこか似ている。
ちなみに、この後1987年4月には「神父さんのパイプオルガン」という曲が放送。アグネス・チャンが、壊れてネズミが中にいる教会のオルガンのさまを「ボワボワチュッチュボワチュッチュ」と歌う。みんなのうたの歴史の中で、タイトルに「オルガン」が入るのはこの1987年の2曲だけ。
【3月17日】同じくシンガーソングライターであり、みんなのうたで「メトロポリタン美術館」など4曲に関わった(工藤順子は3曲)大貫妙子の歌に、同名の「風のオルガン」という曲があった。もちろん歌詞はまったく違う。1978年のアルバム「ミニヨン」に収録されているそうで、大貫版が先ということになる。工藤版の作・放送時点では、ご本人たちやNHKは知っていたのか(大貫さんのほうが先輩だし、知っていたのならやりにくそう)ちょっと気になる。
次の2曲は、子どもの頃はなぜか印象に残るも意味が分からず、大人になってからちょっと分かってきたけど、僕の人生経験ではまだよく分からない歌。
1986年「ポケットの中で」。
歌手は2017年に何かと話題になった斉藤由貴。当時はデビュー2年目、4月から連続テレビ小説「はね駒」のヒロインを控えていた。当時、同じクラスの女の子といっしょにテレビで見たことがあり、彼女が「あ、由貴ちゃんだ!」と言っていた。
アニメーションというか、ズーミング以外は動きがない絵のような青っぽい映像で、やなせたかしによるもの。アンパンマンとはまったく違う趣き。
絵とあいまって斉藤由貴らしいぽわーんとした雰囲気の曲。
内容は、ポケットの中で星が揺れたり騒いだりするから、恋をあきらめることにしたというもの。
全体によく理解できないけれど、中でも「ひと冬ごとに真夜中はそれぞれの約束を確かめあえている」という、擬人化というか比喩は、今も昔もまったく分からない。
【4月8日追記】当時のみんなのうたでは、歌詞を角ゴシック体で表示していたが、一部の文字が独特のデザインだった(時期によって違うかも)。この歌詞では、「冬」のいちばん下の点というか線の向きが右上がりになっており、2つの点が「>」のような配置になっていた。また「そ」は1筆書きでない、2画で書くもの。【2020年11月22日補足】モリサワの写真植字書体で、漢字と仮名で違うものだったようだ。いつかまた。 2023年に再放送され、「冬」の謎も解決した。(以上追記)
作詞は銀色夏生。「ぎんいろなつを」と読む。当時ラジオでの曲紹介のナレーションで読みを聞いて男だと思いこんだが、当時25歳くらいの女性詩人。みんなのうたには他にもいくつか作品があり、1985年の「ああ おかしいね」など分かりやすい詞もあれば、こんな難解な詞も作る。
1987年「ゆらん ゆろん」。
これも失恋の歌だろうか。
「東京放送児童合唱団シニア」というユニットが歌っている。女性3人くらいの合唱。【27日補足・名称からして、NHK東京放送児童合唱団の年長団員または元団員から選抜されたメンバーか】
伴奏は、おそらくエレクトーンではないだろうか。この頃にアレンジが変わった、教育テレビ「理科教室小学校6年生」のテーマ(関連記事)に音色が似ている。理科教室6年は、エレクトーン奏者である加曽利康之の編曲だが、ゆらんゆろんには特に名前は出ていない。【27日補足・作曲は、みんなのうたの他の曲や音楽の教科書の曲も手がけた若松正司】
「ため息ついたら雪になる」「ひっそりと春を待ち」といった、この時期らしいフレーズがある。
映像は実写で、雪が積もって、日が差してせせらぎが流れるような、春が近そうな雪国の映像。「撮影地 新潟県塩沢町」という字幕が出ていたと思う(現・南魚沼市)。この辺りが印象に残った。雪国に住む者として、共感するところがあったのだと思う。
こんな感じの映像だったかな?(写真は秋田市広面と下北手松崎の境の太平川で2018年撮影)
1989年「あしたは元気 (More Music!)」。
この曲名は、最近分かった。
「ペダルをこげば春が近づいてくる 日曜日の昼下がり」という歌い出しのフレーズが、時折頭をかすめることがあったが、続きもタイトルも記憶になかった。
内容からして春、時期は昭和末期だと推測して、検索してみたがなかなか分からなかった。それもそのはず、思っていたより少し遅い平成に入ってすぐの作品だった。
歌手は芳本美代子。
この曲については、タイトルや続きを知っても別に感慨はないけれど、分かってスッキリ。
1990年「一円玉の旅がらす」。
消費税導入で使う頻度が増えた1円玉を、股旅物の主人公に見立てた演歌調の歌。それなりに流行って、今でも「のど自慢」などでたまに歌われる。
消費税導入は1989年4月。放送されたのはその前後だと思っていたが、実際には導入から1年経とうとする頃だった。
以上、1988年を除いて、1985年から1990年まで、2・3月のみんなのうたは、いろんな意味で心に残る歌が毎年放送されていたのだった。
上記の曲は、みんなのうた大全集的な市販CDに収録されているものもあるが、放送とは歌手が替わっていたり、編曲・演奏も違っていたりして、放送とはイメージが変わってしまう曲も少なくない。
ゆらんゆろんの歌詞のように春を待ちながら【2020年11月22日補足・気だるい気持ちで】、ストーブをつけた部屋でモノラル音声【28日追記・当時は録音と放送は既にステレオ化されていたが、一般家庭にステレオ音声のテレビはそれほど普及していなかったと思う。】のブラウン管テレビを見ていた昔の思い出。