広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

千秋公園スカスカ桜

2011-04-30 15:52:03 | 秋田の季節・風景
秋田地方気象台の観測によれば、23日に開花した秋田市のサクラは、27日に満開(平年は24日、昨年は28日)となった。
しかし今週の秋田市は雨や強風の日が多く、花見日和は少なかった。

秋田駅近くの久保田城跡「千秋公園(せんしゅうこうえん)」は、秋田市内では有名な花見スポットであり、「日本さくら名所100選」にも選ばれている。今年は震災に配慮してさくらまつりではなく「がんばろう!東北 あきた千秋公園桜の会」として4月20日から5月1日まで開催されている。天気がよかった29日は賑わったようだ。
当初の情報では、二の丸広場のステージイベントと夜間ライトアップは中止ということだったが、夜間ライトアップは結局行われているという(時間は例年より短縮して19時頃から22時まで)。
千秋公園は市内よりやや遅れて開花する傾向があるが、先日行ってみた。

※以下の写真はくもりでやや寒い28日の撮影です。現在はさらに開花が進んでいるはずです。
二の丸広場
屋台が並ぶ二の丸広場では、ほぼ満開だった。
例年ステージが設置される位置
二の丸広場にはメッセージボードが設置され、来場者が震災被災者・被災地へのメッセージを書きこむようになっている。後日、ボードを撮影した写真を被災地へ送るという。

さて、千秋公園の桜は、おととしは一部の木の花付きが非常に悪かったが、昨年はきれいに咲いていた。
実は今年も…
二の丸広場の斜面(表門の下)
1年ぶりに今年もまた花がスカスカだ!
(既に花は開いていると思われ、まだつぼみだからこう見えるわけではないと思われる)
胡月池から本丸を見る
写真右側(二の丸)の屋台の上の桜は普通に咲いているが、実は上の本丸にも桜がある。これがスカスカ。ちなみに、昨年の状態↓
(再掲)昨年の満開時

今度は本丸から胡月池方向を見下ろす
左側(本丸)の桜がひどい。
その木を拡大
枝の先端にはつぼみが密集しているが、枝の途中はスカスカ。

ほかにも、広小路沿いの大手門の堀の土手のソメイヨシノもスカスカ。これらは、おととしもスカスカに咲いていた木だった。
なお、マスコミはまともに咲いている場所を選んで撮影・報道し、スカスカのサクラを避けているようだ


サクラは、1つの花芽(“花叢”と言うかな?)から3つ程度の花が咲くのが普通。木の生理状態によって、それが増減する。(弘前公園では丁寧な手入れの効果で、1つの花芽から5つ程度咲くのがざら)
千秋公園のサクラ
スカスカのサクラでも、各花芽からは3つの花が出ていたようだ。つまり、花芽自体の数が少ないということのようだ。


鳥がつぼみや花を食べてしまうこともあるが、これらの木は(枝の先端以外は)まんべんなくスカスカになっている。鳥がこんなにバランスよく食べたり食べ残したりすることは考えにくいから、木自体の問題ではないだろうか。
ミカンなどの果樹で表年/裏年と言われるように収穫の良い年と悪い年を交互に繰り返す「隔年結果(かくねんけっか)」という性質(果実をならせながら翌年の花芽を作らないといけないから体力を使うのだ)があるのだが、千秋公園のソメイヨシノでは隔年結果ならぬ“隔年開花”が起きているのかもしれない。
いずれにしても正常なサクラの生理ではない。老化や栄養状態が原因だと思う。


ところで、3月に秋田市建設部公園課が「千秋公園さくら再生基本計画(概要版)」を公表し、同課サイトに掲載されている。老化が進む千秋公園内の桜を、長期的によみがえらせようという計画。
それによれば、まず公園のサクラについては、
千秋公園のさくらは、明治25 年(1892)、後に第2 代秋田市長となる羽生氏熟(はにゅううじなり)氏を総代とする「有終会」の寄付によって植えられた1,170 本に由来している。
公園内には、現在814 本(ソメイヨシノ693 本、ヤマザクラ33 本、ヤエザクラ26 本等)が植えられており
」とある。
おととしの段階では、秋田市商業観光課のホームページに「771本」とあったが、数えなおしたらそれよりは少し多かったようだ。(現在は観光関連のホームページでも814本に改められている)

そして、園内を12のエリアに分け、それぞれのサクラの状態(生育状況と環境)を調査し、生育阻害要因を分析している。結果によれば、エリアによって状態の良し悪しに大きな差があった。
しかし、例えばスカスカの開花の大手門の堀の土手のサクラ(調査では「A」区域)は34本中24本が生育良好と判定されるなど、今の開花状況とは一致していない。(花が咲かない=生育不良という訳でもないのだろうが)


寿命かもしれないけれど、何らかの対処で多少は改善できないのだろうか。こんな状態でさくらまつりを開催したり、日本さくら名所100選と謳うのは、ふさわしくないと思う。市外・県外から来るお客さんだって多少はいるだろうに、その方々に申し訳ない。
再生計画を再検討・再調査し前倒しして実施したり、対症療法になってしまうかもしれないが応急処置みたいなのはできないものだろうか。
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セブンATM/大型バスLED/壁のSATY

2011-04-29 23:50:37 | 秋田のいろいろ
3つの話題をざっと。
●フォンテAKITAにセブン銀行ATM復活
秋田駅前の秋田ショッピングセンター(現在の愛称「フォンテAKITA」)には、イトーヨーカドー秋田店が入っていた頃は、1階にセブン銀行のATMが2台設置されていた。
ATMはイトーヨーカドー撤退に伴い撤去されたが、近くの「西武秋田店」地階に1台だけ新たに設置された。

フォンテの方には、開店前のフロアガイドでは地階に設置されるようなことが書かれていたものの、開店時には設置されず、フロアガイドの「セブン銀行」はシールで隠されていた。
しかし、今日、フォンテ地階に設置されて稼働していたのを確認!
フロアガイドの目隠しシールが剥がされていた
西武との連絡通路・トイレ・階段・ザ・ガーデンのサービスカウンター付近に、以前からゆうちょ銀行のATMがあるが、それとクリーニング店の間の狭いスペースに設置されていた。
フォンテのサイトには記載がないが、セブン銀行のサイト内のATM検索には掲載されており、9時30分から20時まで、1月1日以外毎日稼働するとのこと。

なお、西武地階のものも引き続き稼働(9:30~21:00)していた。
したがって、秋田県内のセブン銀行ATMは、イトーヨーカドーがあった当時同様、秋田駅周辺に4台(残り2台は野村證券秋田支店)に戻る。

●大型バスにもLED
路線バスの行き先表示は、従来の幕式(薄いフイルムに印刷したものを内側から蛍光灯で照らす)に代わってLED式が主流になっている。
秋田市のバス会社では、中型バスは既存の車両も含めて、ほぼ全車両がLED式に交換されているが、大型バスは全車両が幕式のままだった。これは、大型バスが走る路線が限定されていること、大型バスはすべて他社の中古車であり新車で購入したものはないことから、あえてLEDにする必要がないとの判断ではないかと思われる。

しかし、
発見
臨海営業所所属の大型バスの1台がLEDになっていた。
後部も
側面は見れらなかったが、前と後ろの表示装置がLED表示機に交換されていた。
全国的には大型バスにLEDが付いていても、何もおかしくないのだけど、秋田の大型バスにLEDが付いているのを見ると、ちょっと不思議な感覚がした。
幕式だった頃の同一車両
この車両は、1992年度に秋田市交通局が購入した、路線と貸切の兼用車(通称“ワンロマ車”)で、交通局時代は独自の塗装で目を引いていた(こちらの記事)が、2002年に譲渡されてからは他と同じ緑色の塗装になり、新屋方面の路線を中心に運行されている。

実は、半年ほど前から、これと同年代の大型バスの何台かの側面の行き先表示が、常に真っ白だったり、下手くそな手書きで「調整中」と書かれた状態で走っていた。
(修理せずに長期間営業に供するのは不親切だが、それは置いておいて)既に20年前後経過した車両だし、あまり使い道がない大型バスだから、廃車を前提として修理しないのかと思っていた。しかし、それがLED化されたということは、当分使うつもりなのだろう。(前も20年以上経った中型バスで同じことを書きましたが)

また、この4月に営業所間で配置転換された大型バスがあるらしく、
どっちへ行くの?
「八橋球場.車庫(=暗黙の了解で秋田営業所のこと)」という幕を出していながら、「臨海(営)」という紙を掲出するという、ワケの分からないバスを見かけた(つまり「臨海営業所」という表示がセットされていない)ので、LED化してこの問題を解決する目的もあるかもしれない。

ただし、見た限りでは、他の臨海営業所所属の大型バスは、まだ幕のままだった。今後、廃車から取り外すなどしてLED装置を順次取り付けるのかもしれない。
【5月2日追記】上記の路線貸切兼用車(日野製)と同年に秋田市交通局が購入し、一緒に譲渡されて新屋方面を走っている大型バス(いすゞ製。路線専用で市営バス当時は通常の塗装。現在は臨海営業所所属)のうちの1台にも、LEDが取り付けられて走っているのを確認。
【8月25日追記】この当時は分からなかったけれど、LED化されたのには、このような事情があったのです。

●壁面のSATYが
マイカルとイオンの経営統合に伴い、店舗名も「イオン」になった旧秋田サティ。
震災の影響なのか、店舗の外の看板類はほぼすべて「SATY」「MYCAL」のままで、先日はカラスが止まっていた

ところが、
「SA」…
外壁の「MYCAL」がなくなっており、「SATY」を取り外していた!
強風の中「A」が外される

その翌日、
紫色に
「SATY」の跡に「AEON」を表示するらしく、赤紫色の地色が貼られ、照明用の配線が出ていた。

裏口(東部ガスとの間の市道側)では、
AEON設置中

屋上のルーフサインはまだ「SATY」のままだが、ついに始まったか…
【5月2日追記】1日の段階では、川に面している立体駐車場の壁面は「SATY」のままだった。正面入口は「AEON」の文字が設置された。
【5月9日追記】5月7日頃から、ついに屋上にも足場が設置された。※その後の記事
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秋田市中心部にいる…

2011-04-27 19:57:08 | 動物・植物
秋田市中心部に出没するという話を聞きます。
子供の頃、1度だけ見たことがあります。

それを再び見たのです。
しかも撮影に成功しました。
ある日の夕方、秋田市中心部の某所にて。
もそもそ


ん?
この時はガラス越しだったので、気付かれなかったようだ。

その後、屋外の少し離れた場所で、鉢合わせ!
もそもそ


おや!
最初は気づかなかったようで(あまり目が利かないようだ)、目が合ってからも数秒間ぼーっとしていたが、突然向きを変えてもそもそと逃げていった。

この動物は、ニホンアナグマ
ネコ目イタチ科アナグマ亜科アナグマ属の本州・四国・九州に分布する動物。
古くからタヌキ(ネコ目イヌ科タヌキ属)などと混同され、それらとともに「ムジナ」の正体の1つ。「クマ」といっても熊ではない。

今回出会ったのは、子供の頃見た場所からは数百メートル離れている。もしかしたら、子供の頃見たアナグマの子孫か親戚かもしれない。
以前からこの一帯で「タヌキがいた」とか「ハクビシンじゃないか?」と言う人がいたが、おそらくアナグマを指しているのではないだろうか。
秋田市中心部には、それなりにアナグマが生息していると言えそうだ。
(秋田市中心部でタヌキも見たことはあるが、ここからかなり離れた場所)



以前見たときは、まっ暗な中で一瞬だったが、今回は明るい場所で見られた。
アナグマがマイナーな動物だから、初めて見た人には何という生き物か判断がつかないかもしれないが、僕は以前見ていたし噂にも聞いていたので、落ち着いて見ることができた。感想は、
・思っていたよりも大きかった。(ネコより大きく、中型犬より小さい)
・(大きさは別として)体形としては鼻が長いので、タヌキよりもアリクイやスカンクっぽくもある。
・毛色は思っていた(図鑑などで見てきたもの)より薄い。単なる個体差なのか、同じ種でも寒い所に生息するものほど色が薄い【28日訂正】色が明るいという「グロージャーの規則」に従うものなのか?

・目の周りの縁が小さい。これも個体差?
秋田市大森山動物園で飼育されているアナグマは高知県から来たそうだが、公式サイトの写真を見ると、もっと色が濃く、目の周りも黒っぽい感じがする。
・けっこう動作が緩慢。「もたもた、もさもさ」という感じであまりすばしっこくない。

アナグマは冬眠するそうなので、目覚めて間もない頃だったのだろうか。
雑食性なので食べ物にはさほど困らないのかもしれないが、この辺りには山も林も田んぼもなく、お屋敷の庭くらいしかない。車が通る道路もたくさんあるし、人もイヌやネコもいる。臆病に見えるけど、したたかに生きているんだろうな。

※続きというか関連の話題はこちら
※同じ場所にいた2020年秋のアナグマ
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大森山動物園パン

2011-04-26 20:11:58 | ランチパック
※秋田の「たけや製パン」の話題ですので、便宜上「ランチパック」カテゴリーとします。
震災後、大手メーカー製のパンの流通が不安定になった。
原材料の輸送障害や停電、被災地向けに製造されたのでこちらに回らない、一部消費者の買いだめなど、さまざまな事情があるのだと思うが、全体の流通量も製品の種類(ラインナップ)も限られていた。
最近はかなり改善しているが、おなじみ「たけやフレッシュランチ」はごく限られた商品のみで、代わりにタマゴ・ツナマヨネーズなどは本家「ヤマザキランチパック」が今まで以上に流入している気がする。
そしてフレッシュランチ以外の商品も含めて、4月になって月が変わっても新商品を発売できるような状態ではなかったようだ。


ところが、最近、「新発売」シールが貼られたたけやのパンを店頭で見かけるようになった。
4月1日発売予定だったものを遅らせたのか、それとも大型連休があるから5月1日発売分を前倒ししたのか分からないけれど。

それがなかなかユニークなもので、秋田市大森山動物園とコラボした、同園にいる動物をイメージしたパンなのです!
シリーズ名は「大森山動物園の仲間たち」。
※この記事では、うち2つの商品の包装だけを紹介します。中身や他の商品は後日アップするかもしれません。
最初にこれ(右下に単3形電池を置いています)
まずびっくりしたのが、菓子パンにしては巨大な袋。
「ライオンみたいなパン」 367kcal
「ライオンのラガーくん」をモチーフにした、クリームを包んだドーム型のパンに、メロンパン生地のたてがみを外周に付けたようだ。
包装にライオンの顔が描かれている。

他の商品も共通で、包装には「AKITA OMORIYAMAZOO MILVE(MILVE=ミルヴェは動物園の愛称)」の文字が背景としてデザインされ、大森山動物園のロゴマークや裏面にはモチーフになった動物の紹介が記載されている。


もう1つ、
「ふくろうのようなパン」 349kcal
こちらは一般的なサイズ。
「ふくろうのフクジロウくん」をモチーフに、チョコ生地でチョコクリームを包んで折り、フクロウの顔をデザインしたようだ。
クリームとレーズンの目も付いているが、言われなきゃフクロウとは思わないかも…


上記2つはスーパーで125円で売っていたが、他にも同じ値段で「キリン」の細長いパンと「うさぎ」の白いジャムパンがあった。※ある方から教えていただいた情報では、さらにもう1種あり、全部で5種類のようだ。
うさぎがやや多く売れ残っており、100円に値引きされていた。
他のたけやのパンといっしょにごちゃっと陳列されていたから、目立たなかった。せっかくなんだからディスプレイすればよさそうなのに。

モノによって「◯◯のようなパン」と「◯◯みたいなパン」がある。「のような」と「みたいな」の違いって…?


全国的なパンメーカーでは、アニメなどのキャラクターとコラボしたパンはよくあるが、たけやでは今までなかったと思う(地方企業には難しいのだろうが)。
だから、これはたけやにとっては珍しいキャラクター商品と言えそうだ。
たけや製パンでは、地元の調味料や味噌会社とコラボした商品を最近出していたが、こういう形のコラボレーションも楽しいと思う。

ちなみに、動物園の動物パンとしては、北海道の旭山動物園と地元のパンメーカー(ここもヤマザキ系列らしい)がコラボしたものがあり(今もあるかな?)、以前1度だけ秋田サティ(現イオン秋田中央店)で売られていたのを見たことがあったが、今回のたけやのとは別物なので、たけやで一から開発したのだろう。

※続きはこちら
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選挙掲示板その後

2011-04-24 21:07:46 | 秋田のいろいろ
今日24日は統一地方選挙の2回目の投票日。選挙が延期された被災地以外では、これで今選挙が終わるようだ。秋田市では、市議会議員選挙が行われた。
毎度おなじみ選挙ポスター掲示場(掲示板)のお話です。

今回、秋田市では2回分の選挙ポスター掲示場を1つで済ませるため、市議選の掲示板の上に、先に行われる県議選の掲示板を重ね貼りするという珍しいものだった。※こちらの記事

10日の県議選投票日の翌日から数日かけて、県議選の掲示板が撤去され(=剥がされ)、市議選の掲示板が姿を現した。
64コマ!(定数39。立候補者50名)

●杉はやっぱり美しい
通常、秋田市の選挙ポスター掲示場は、秋田杉の間伐材の合板を使っているが、今回の県議選のものだけはラワン合板を使っていた。(重ね貼りするので軽量化のためか?)
県議選の掲示板
ラワン材は特性上、木目が目立ちにくいが、それが剥がされると、
市議選の掲示板(雨上がりで少し濡れている)
市議選の掲示板はいつもの秋田杉。ラワン材と比べてみると木目が美しい!

やっぱりこれは杉産地秋田ならではのものであり、もっとピーアールしてはどうだろうか。と思って裏面を見ると、
「秋田県産杉間伐材」という小さなシール(一辺5センチくらい?)
前はこんなシールなかったはず。(今回も貼っていない掲示場もあった)

掲示場の裏を見る人なんて、相当なモノ好きしかいないだろうから、無駄じゃないの?
掲示場には選挙と関係ない表示はできないことになっているのだが、各選管の裁量もあるらしく、他の自治体ではエコマークを表示しているところがあった(“選挙と無関係のもの”の解釈の違いだろう)。だったらこのシール程度ならオモテ面の隅にでも貼ってもいいと思うんだけど…

●マシになったあの掲示場
ある学校前の用水路と民家の間の通路みたいなところに、民家に向いて設置されており道路から見えず、いくらなんでもその場所はないでしょという場所に設置されていた掲示板を紹介した。※こちら

当然ながら市議選でも同じだろうと思ったが…
あれ? 道路から見える!
っていうか以前は学校に向かって左側にあったのに、右側に移っていた!

右側も水路と民地があるが、アパートの駐車場なので、遮るものがなく道路からも見える。

学校で行き止まりになる交通量の少ない道路に掲示場があること自体、あまり望ましいとは言えないかもしれないが、これならまあ文句はないだろう。
あれではあんまりだという声がどこかからあり(僕は言ってません)、移設したのだろう。
※その後、2019年の様子はこの記事最後。

●まだあるおかしな設置
歩道が広く、歩行者スペースと自転車スペースが明確に区分されている道路がある。間には植え込みがある。
自転車側から
そして
歩行者側から
歩行者側に背を向け、自転車側を向いて掲示場が設置されていた。
歩行者がポスターを見るには、自転車の空間へ入らないとならない。
これもなんだかなぁー

他の自治体でも、歩行者が見られない位置に掲示場が設置されている例をいくつか紹介してきた。
制約もあるだろうし、法定設置数を満たさないとならず、各自治体選管の苦労もあるのだろうが、これでは税金の無駄だし、掲示場の目的を果たしているとは言えない。
国の方で細かな設置場所を定めるとか、あるいは設置数を減らしてもいいなど柔軟な対応をする必要もあるかもしれない。
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梅と鳥

2011-04-23 17:41:18 | 動物・植物
秋田地方気象台は、今日23日、サクラ(ソメイヨシノ)の開花を観測した。(平年は4月19日、昨年は24日)

秋田市内では一足先にウメが今満開(気象台は14日に開花を観測)。
ご近所のウメ
今日は雨がしとしと降り続けていたが、そんな中、ウメの枝にヒヨドリが来ていた。
顔が黄色い
近くではツバキも満開だから、その蜜を吸ってきた後らしく、黄色い花粉が顔に付いていた。※昨年の今日、その記事をアップしていました。

ツバキの後は、ウメの蜜を吸っていた。
「蜜のはしご」か。味が違うんでしょうね。
若干痩せているように見えるが、雨で濡れたから?




ウメといえば組み合わせはウグイスとかメジロなものだけど、ウメとヒヨドリという取り合わせもあるようです。



●おおたかどや山標準時電波復活
原発事故に伴い、福島県からの標準時の電波が発信されなくなったことを以前紹介していたが、4月21日13時54分に送信を再開し、秋田市でもその電波を受信できている。
無人での運用になるため、落雷や停電に対応できず停波する可能性があるとのこと。
【26日追記】安心したのもつかの間、4月25日12時6分に落雷があり、再び停波している(我が家の時計も再び「W」表示)。「復旧の見通しは立っておりません。」とのこと。なんとも運が悪い。
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脳研裏の桜

2011-04-21 20:05:16 | 秋田の地理
先日の記事の秋田駅西口の北側の「秋田駅西北(にしきた)地区土地区画整理事業」の続きです。
前回の図をより実際に近くしてみました(縮尺や線形は完全に忠実なわけではありません)
前回は広小路側から北に進み、拡幅された道路(上の図の赤い線)の南端までご紹介した。
これから先は既に区画整理がだいぶ進んでおり、様変わりしているし、今後さらに変化することだろう。

(以下、一部前回と重複します。)
区画整理エリアは、県立脳血管研究センター(脳研)などの裏側と線路の間にあたるが、脳研の裏は崖というか土手というか斜面になっている(国土地理院の地形図では崖の記号ではなく、単に等高線が引かれている。上の図では緑の線で示しています)。
以前はそのエリア中央寄りを、手形方面から広小路への南進の一方通行の狭い道が通っていたが、区画整理により周辺の建物とともに廃止された。
その代わりに、脳研裏のすぐ真下に、歩道付き対面通行の市道「千秋久保田町」が造られ、現段階では一方通行ながら200メートルほどに渡って供用されている。
※前回の記事で、歩道の整備の工期が「4月21日」までと書いてあったとしましたが、現在は「5月27日まで」になっています。見間違えか、その後修正されたようです。

結果として、脳研の裏付近では、従来の一方通行路が西へ30メートルほどスライドして対面通行化する形になる。(上の図の茶色線→赤線)

また、現在は東西方向の道路は線路で行き止まりになっているが、北端のものを拡幅して線路をくぐって東側へつながるアンダーパスが計画されている(市道「千秋山崎線」)。今のところ未着工の模様。

これら工事に伴い、旧道沿いに線路に背を向けて建っていた、株式会社ベルコの結婚式場「秋田セントポール教会」とレストランが昨年度に移転・新築された。
移転先は隣接地(千秋久保田町線沿い)で、同時に名前が「アールベルアンジェAkita」に変わったらしい。
ちょうどアンダーパス予定地付近にあることと、道路から離れてしまうことから移転が必要だったのだろう。まだ新しかった(1999年頃築?)のにもったいないけれど。
セントポール教会の跡地の一部(線路際の駐車場だった辺り=上の図で「公園」とある所)は、いわゆる児童公園(手形堀反街区公園)になるようだ(アンダーパスに向かって右側)が、現在は未着工で、道路でなく“通路”として車や人が通行できるようになっている。(式場当時も人は通り抜けていた)

以下、写真で工事の様子をざっとご紹介。
2009年6月北側から。着工前の貴重(?)な写真
左側の緑のとんがり屋根が式場で、その前を旧道が通っている。
右端のこんもりとした木が茂るのが、脳研裏の崖。
その間の立ち退いた跡の空き地に、新しい道路が造られた。
2009年10月南側から
右の式場はまだ残っているが、その前の旧道が更地になり、左側に新しい道路ができた。

さて、かつては建物があったため脳研の裏の崖のことには意識が向かなかったが、区画整理で家屋が立ち退いた後、崖がむき出しになって目につくようになった。
2010年4月北側から。右上が脳研
上の写真は車道部分がほぼ完成していた、今から1年前の様子。歩道や結婚式場は工事中。
この区間の真ん中から南側にかけて、笹薮の斜面の途中に大きなサクラ(ソメイヨシノ)の木が数本あることをこの時初めて知った。
なかなか見事
歩行者の多くもこの桜の花を見上げていたし、上の脳研敷地内(駐車場になっている)では、脳研か成人病医療センターの入院患者と思われる人が車椅子で来て花を眺めていた。

この桜は直接的には新しい道路に影響はなさそうだが、どうなるのかと思っていた。
2010年12月
残念ながら、桜をはじめとする樹木は伐られてしまった。
2011年1月(左端に結婚式場が完成した)

2011年2月
その後、斜面がコンクリートで固められた。
2011年4月
ソメイヨシノは寿命が短いし、土砂崩れ防止や排水などの都合上、仕方ないことなのだろう。
左端に切り株が残っている
切り株の部分は、コンクリートで固めないらしく、切り株が残っている。どうするんだろう?


脳研の裏は、職員用駐車場になっている。
駐車場自体は特に立入禁止ではないようなので、初めて足を踏み入れてみたところ、こんな眺めだった。
新しくなった結婚式場の後ろに太平山の山並み。手前が千秋久保田町線
右(南側)に目を転じると、
千秋久保田町線と秋田駅前のビル
少し遠くを見ると、
アンダーパス予定地付近
赤い「★」の間がアンダーパスになると思われる。
手前のアスファルト敷きの部分が結婚式場の駐車場。その奥が、かつて結婚式場があった辺り(現在は通路)。そこが公園になるのかな。


各資料を見る限り、区画整理が完成した場合でも、千秋山崎線と千秋久保田町の2つの市道がL字型に交わるだけで、その他の道路は現状のままのようだ。
最初の図に「坂」と印をつけたとおり、既存の道は区画整理エリアの西側で坂になっている。また道幅も狭く、手形陸橋の通りとの交点には信号機がない。
したがって、脳研前の手形陸橋の通りと区画整理エリアの間を、大量の車が行き来することは現実的ではないと思われる。

そうすると、アンダーパスは車に関しては秋田駅前西口広場や広小路(この道も一方通行)と駅東側を結ぶ役目しか果たさないことになる。
若干は渋滞緩和・アクセス向上にはなると思うが、逆に広小路側の車の流れが変化したりして、周辺道路の車線や信号機など交通規制に何らかの対応が求められるかもしれないし、さらなる道路建設や区画整理をしないと明確な効果が出ないかもしれない。

昨年の脳研裏の桜
この桜はもう見ることはできないが、今年ももうすぐ秋田で桜が開花する。

※その後、一部対面通行できるようになった
※アンダーパス予定地付近の2016年秋の変化
コメント (7)
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観光の話題

2011-04-20 21:07:52 | 秋田のいろいろ
秋田や青森の観光に関する話題をいくつか。(gooブログはカテゴリーを1記事につき1つしか設定できないので、「秋田のいろいろ」カテゴリーにします)
●青森デスティネーションキャンペーン
東北新幹線の新青森開業に合わせた「青森デスティネーションキャンペーン」は、一時実施が危ぶまれたが、予定通り4月23日から7月22日に実施されることになった。
一部イベントの中止や変更はあるが、6月のSL運行などは予定通り行う。JRでは旅行商品の売上の一部を義援金とする。

秋田ではあまり知られていないが、実はこのキャンペーン、秋田県の一部も対象エリアになっている
青森県に接する5市町(大館市、能代市、八峰町、藤里町、小坂町。なぜか鹿角市は入っていない)なのだが、現地での盛り上がりはどんなもんだろう。

このキャンペーン終了後の今年9月から12月は秋田県がJR東日本の「重点販売地域」になることが決まっていて、食をメインにしたイベントなどが行われるという。
県では、2013年のデスティネーションキャンペーンの指定を受けることも狙っているようだ。

●竿燈まつり
夏に秋田市で開催される東北三大まつりの1つ、「竿燈(かんとう)まつり」は、例年並みに開催することが、19日の実行委員会総会で決まったようだ。
例年通り8月3日~6日(今年は水曜~土曜)に開催。県外の被災者と秋田県内へ避難している人を招待する。

「青森ねぶた祭」と「仙台七夕まつり」の開催も決定しており、三大まつりが揃って東北を活気づけようという意気込みなのだろう。

●大曲の花火
秋田県内陸の大仙市大曲(旧大曲市)は、花火の町。
8月の第4土曜日には「全国花火競技大会」が開催され、全国から集まった花火師によるレベルの高い花火を見ようと、観光客も全国から多数訪れる。通称「大曲の花火」。

こちらも、今年も8月27日に開催される。
全国からぜひ開催してほしいという要望が多数寄せられたため、犠牲者・被災者・支援する人たちのための大会として、昨年の100年記念大会と同規模で開催することにしたようだ。

なお、大会経費がかさんでいるため、有料観覧席を2000~3000円値上げするとのこと。

●千秋公園の桜
秋田市の「千秋公園桜まつり」。
今年は「がんばろう!東北 あきた千秋公園桜の会」という名称で今日4月20日(水)から5月1日(日)まで開催する。
ライトアップとステージイベントは中止。露店は営業。
今日の二の丸広場
桜の開花はまだで肌寒く、人はまばら。
露店の準備はできていたが、営業していたのはごく一部だけ。
ぼんぼりがぶら下がっていたが、例年より少なく、限られたエリアだけに設置されたようだ。

●弘前さくらまつり
そして青森県弘前市の弘前公園(弘前城址)の桜。
例年、開花状況に合わせて会期を延長することが多いが、今年もやや遅咲きのため、3日間延長して4月23日(土)から5月8日(日)の16日間とすることが昨日決定した。
今日の陸奥新報サイトによれば、ライトアップは例年の18時~23時を1時間半短縮し、18時30分~22時とするほか、西濠の360メートルをLED照明にすることで、電力量を前年比32.5%削減できるとのこと。
出店は例年通り21時まで。

・弘前市公園緑地協会改メ
弘前公園は市の外郭団体が管理を行なっている。
この団体では、シーズン中毎日、桜の開花状況をブログにアップ(http://blog.livedoor.jp/hirosakipark/)してくれて参考になる。

その団体名は、「財団法人 弘前市公園緑地協会」だと思っていたら、今年度から「一般財団法人 弘前市みどりの協会」に名称が変わっていた。
同協会では、弘前市内の都市公園(いわゆる児童公園の類)の管理も行なっているそうだ。市内の小さな公園の桜もきれいに咲いているなと感じていたが、弘前公園と同じところで管理しているのなら、納得。

・公園への足
弘前駅から弘前公園へのアクセス手段は、通常の土手町循環100円バスと一般路線バスに加え、例年、さくらまつり期間中だけは、公園直行シャトルバス(運賃100円)を随時運行していた。

今年の分は、弘南バスの公式サイトに(トップページ左側)出ている。
それを見ると、シャトルバスの記載はない。しかし、たしか以前も、サイトには出ていないけど運行されていたことがあったので、今年もそうなのかもしれない。

さらに新たな動きだと思うが、
一般路線バスも駅と公園の間では「4月23日~5月5日の祭り期間中は」「片道100円となります。とある。(期間延長決定前のアップだと思われるので、8日まで延長されるかもしれない)

対象は、弘前駅前6番乗り場発(茂森線・相馬方面・駒越経由藤代営業所線など)と7番乗り場発(浜の町経由藤代営業所線など)の各路線。
どちらも駅を出て土手町を経由するが、6番乗り場発は本町、大学病院前を通って市役所の角を曲がった「市役所前公園入口」下車。土手町循環100円バスと同ルートだが、降りるバス停の位置が少し違う。正規運賃はたしか190円。
7番乗り場発は、土手町から右に曲がって公園の北の方、弘前文化センターとNHK弘前支局の前の「文化センター前」下車。普段の運賃は初乗りの160円。
さくらまつり中はどちらも公園まで100円
昨年以前も、公園へのアクセス手段として、いちおう一般路線バスも告知されていた。
しかし、運賃が倍近いこともあって、100円バスが運行されていない時間帯を除いては、一般路線バスで弘前公園へ行こうとする人はとても少ないはず。
また、城下町特有の複雑な地理と路線バス網に不慣れな観光客には、いくつも路線があり降りるバス停も運賃も違い、混乱を招いていたに違いない。
都会から来た人には、バス料金が均一でないこと自体戸惑う人もいるから、運賃だけでも100円に統一したのは気が利いている。

ただ疑問なのは、一般路線バスだから回数券でも100円で乗車できるのか、定期券を使っている人の不利益にならないか、土手町や大学病院近辺など駅と公園の途中にあるバス停での乗降でも100円となるのかなどについては、サイトでは分からない。

時間によっては道路が渋滞し、バスも満員になるので、少し遠いけど歩くのがいちばんいいアクセス手段かもしれません…

【25日追記】弘南バスの一般路線バス100円について、先週末頃に公式サイトに追記があった。
お客様の利便性向上と弘前市内渋滞緩和のため、桜祭り期間の平成23年4月23日(土)~平成23年5月8日(日)は下記の太線内(記載のバス停)で乗車して降車をしたお客様の運賃を100円といたします。
とあり、対象となるバス停名と地図が記載されている(現地への掲示もあるとのこと)。
「市役所前公園入口」と「文化センター前」だけでなく、公園北側の「亀の甲門前」までの各バス停より弘前駅側が対象。
つまり、
・さくらまつり延長に合わせて、100円運行も8日まで延長。
・駅と公園の行き来のみならず、範囲内なら途中での乗降も100円。
・公園周辺を通らない路線でも、この範囲内を通るバスは100円になるようだ。例えば金属団地・桜ヶ丘線などもバスターミナル/駅から市役所前の2つ手前の「本町」までは100円で乗車できそう。
これなら、公園北東~北側にある津軽藩ねぷた村や西濠へのアクセスも向上しそうだ(ただし渋滞が激しい場所ですが)。


●特急「つがる」のE751系投入日決定!
先日、特急「つがる」に16日からE751系電車が投入される予定だったけど、その気配がないという記事をアップした。
その後、19日付でJR東日本秋田支社のサイトで発表があった。(以前の秋田支社はこうした情報公開が少なく、しかも遅れがちだったが、最近は本社並みに迅速になった)
それによれば、1週間遅れて23日(土)からE751系で運転されるという。
毎日運転の臨時列車2往復を含む6往復の「つがる」すべてが、3本(3編成)のE751系でまかなわれることになる。
今までより普通車の定員が2名減って、グリーン車16名、普通車234名、計250名の定員。JRでは省エネルギーや車椅子対応トイレ、多目的室があることをPRしている。

臨時列車扱いの2本もE751系で運転するというのは意外。
物理的に車両数が足りないと思っていたのだが、間に合うのか。
定期点検時などは無理だと思うし、ダイヤが乱れた時のやり繰りが大変そうだ。

青森デスティネーションキャンペーンや「リゾートしらかみ」の運転再開に合わせたものだろう。
青森では、東奥日報と陸奥新報がさっそく取り上げ、東奥日報は「特急「つがる」にE751系復活」という見出し。
それに引き換え、秋田では報道されていない。秋田駅に停まっているE751系を見て興味を示す人もいたし、青森と秋田県中央部・北部を結ぶ特急に30年以上振りに違う車両が入るんだから、ニュースにしてもいいと思うのだが…

【25日追記】23日にデスティネーションキャンペーン開始のイベントが大館駅で行わた。
NHKではE751系が到着・発車する映像が流れた(車両についての説明はなし)。なかなかカッコイイ。
秋田魁新報では、24日付の地域版に記事があり、「この日から導入された特急「つがる」(秋田-青森駅間)のE751系車両で訪れる観光客を歓迎しようと、…」と、いちおうE751系投入に触れてはいるが、写真もなく説明も不十分で、詳しくない人には分からないだろう。
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鉄道の復旧

2011-04-19 18:49:06 | 地震
原武史氏という政治学者(1962年生まれ、明治学院大教授)がおられる。鉄道にも造詣が深く、著作物も出している。
その原氏が、ここ1週間ほどの間に、複数の新聞の寄稿やインタビューにおいて、東日本大震災と鉄道復旧についての意見を述べておられる。

それらを僕が解釈するには、
JR東日本は東北新幹線の全線運転再開を急いでいる。その一方、太平洋岸のローカル線の復旧は遅れている。
被災地の足として、さらには精神的な面での復興の意味からも、ローカル線をまず走らせるべき。
ということを言っておられると思う。
※東北新幹線は4月30日頃に全線で運転再開(本数を減らして、減速運転)予定。

被災地での交通手段の確保は必要だと思うし、ローカル線も復興すべきだとは思う。
でも、「新幹線より先に被災地のローカル線を運行せよ」というのには反対だ。

決して被災地・被災者を見捨てるつもりもないが、甚大な被害のローカル線の復旧を待ってから新幹線を復旧させたら、その間に経済活動が停滞し、東北全体いや日本全体に深刻な経済的ダメージが及んでしまうと思う。
原氏はそれでもなお、新幹線より先に、とおっしゃるのだろうか? 現状を理解しておられないように感じてしまう。

被災地の状況を知らない僕にも、つべこべ言う資格はないし、誤解しているのかもしれないが、以下に考えを記させていただく。
・今すぐ鉄道が必要?
津波によって線路や駅が流された所も多い。仮にすぐに鉄道を復旧するとなると、以前と同じ位置に線路や駅を造ることになるだろう。

しかし、今回津波の被害を受けた場所には、住居を再建しない(高台などに移る)方向で検討されていると聞く。
だとすれば、今すぐに線路を前と同じ場所に敷き直したとしても、そのままでは鉄道利用が見込めず、駅や線路の位置を大きく変えなければならない必要が将来的に出てくるだろう。
町全体の“復興”計画が白紙に近い今、いたずらに鉄道を“復旧”してしまうのは、手間と費用の浪費でしかないような気がする。

被災された皆さんは、まだ避難所住まいの方も多く、やっと仮設住宅の入居が始まったのが現状。
避難所や仮設住宅は高台にあるものが多いようだから、住民の足を確保するというのなら、鉄道よりもバスを運行したほうが小回りが利くし、足腰の弱い方や悪天候時も助かるはず。(先日どこかの避難所に青森市営バスの中型車と小型車が写っていた。こうした目的のため応援に行っているのだろう)

被災地の皆さんのどれだけが、「今すぐ鉄道がほしい」と思っているだろうか。まだ時期尚早の気がする。


また、常磐線のうち、福島第一原子力発電所の30キロ圏内にある13駅75キロについては、被害状況の把握すらまだできていないことも忘れてはいけない。

・新幹線も必要です!
被災地があり被災者がいる一方、東北地方といえども普段の通りの生活を送っている、送らなければいけない人もたくさんいる。(我々秋田県民の多くもそうであるわけですが)
新幹線で通勤する人もいる(原氏は「東北地方で新幹線に毎日乗る人はいない」と考えているようだが、います!)し、仕事で仙台や近県へ出張する必要のある人もいるし、お客を待つ観光地もある。
開始が遅れていた各大学の授業がそろそろ始まるようだから帰省先から戻る学生もいるだろうし、単身赴任の行き来や大型連休に帰省する人もいるだろうし、看病や冠婚葬祭で急いで移動しなければいけない人もいるだろう。
そうした人々には、新幹線こそ必要であり、それが使えないのは死活問題と言えるかもしれない。

東北各県の間では人の移動があるのだし、大宮から東京まで、東京から横浜までみたいに普通列車で移動できるような距離ではなく、新幹線が必要なのです。鉄道好きの原氏なら、こんなことはご存知のはずなのだけど…
輸送量は違うが、仮に東海道新幹線が不通になった場合、在来線の東海道本線や高速道路でその代替輸送を行うことは不可能に近いのと同じことだ。

また、遠方(東北地方以外)との人の行き来が成立することによる経済的・精神的な復興効果もあるのではないだろうか。

原氏は「ローカル線の復旧なくして被災地の復興はない」と考えているようだ。
でも、新幹線の復旧がなければ、被災地以外の日常生活や経済活動に影響が出て、悪循環に陥ると思う。「被災地以外が元気になって復興を支えるため」にも、新幹線の全線運転再開が必要だと思う。
東北地方に住む者として言わせてもらえば、貨物輸送やローカル輸送ももちろん必要だが、人を大量に速く運べる東北新幹線も早く復旧してほしい。

・比べること自体
被害状況が異なる新幹線とローカル線を比べて、どっちを早く復旧しろということ自体、ナンセンスな気もする。
東北新幹線は損傷を受けた箇所(約1100箇所)は多かったが、津波で流されたり、橋が崩落したものはなかった。
復旧工事が比較的早く進んでいるのは、これも理由の1つであると思う。

一方、ローカル線は上記のとおり、線路ごと津波で流されるなど甚大な被害が発生している。
津波によるものだけでも、23駅が流失し、総延長約60キロの線路と橋桁101箇所が流失・埋没するなど、計1680箇所の被害が確認されている(4月4日現在。公式リリースより)。
これらを復旧するには、一から新線を設計しなおすような工事になるのではないだろうか。(上記のとおり、集落の移動や今後の津波対策も必要)
新幹線並みの短期間で復旧しろとは、僕はとても言えない。

・責める先はJRではない
こうしたローカル線軽視、新幹線重視、いや鉄道軽視の風潮になってしまったのは、政府(過去と現在の)や国民自身の意識のせいではないだろうか。
近年の高速道路の料金均一/無料化をはじめとする政策、クルマに乗ることを選ぶ住民がいるから、鉄道の役割が軽んじられてきたのだ。
国や国民が、公共交通機関の役割・意義を再認識して、考えを改めることが必要ではないだろうか。

そんな状況で、JR東日本を責めることができるだろうか。
むしろ、偶然もあったのかもしれないが、多数の列車が運行されている時間帯の地震・津波だったのに列車の乗客の死者(負傷者も?)が皆無だったことは賞賛に価する。

新幹線はJR独自の地震感知システムにより、本格的な揺れが来る前に減速できていたし、在来線では複数の列車が津波に押し流されて大破したが、乗客は乗務員の誘導により避難して無事だった。
これらは阪神大震災など過去の教訓を活かし、日頃の研究や訓練を行った成果だと思う。(過去にトラブルを隠し、今回の重大事故発生後も不誠実な対応をし、補償費分を電力料金に転嫁して値上げを目論んでいるとかいう東京電力とは違う)
地震後は被害が軽微だった区間から部分的に運行を再開しているし、JR貨物も秋田など日本海回りで物資や燃料を輸送している。
公共交通機関としての役割を存分に果たしていると思う。

JRだって趣味や慈善事業で鉄道を走らせてるんじゃないんだし、儲けが大きいであろう新幹線を開通させたいのはある意味当然だと思う。
新幹線を開通させれば収入が増えて、ローカル線の復旧の一助にもなるはず。



原氏は、この震災による被災をきっかけにローカル線が廃線になってしまうのを危惧しているようだ。
それは同感だし、そのことを強調したいがために、ローカル線をまず、という論調にしたのかもしれないが、新幹線を必要とする人・地域への意識が完全に欠如しているように感じてしまった。

新幹線か在来線(JR以外の私鉄・3セク含む)かに関わらず、今はとにかく、復旧できるところは早く復旧し、そうでないところは時間がかかっても必ず運転再開することを期待するしかない思う。
鉄道会社にはがんばってもらいたいし、国も支援してもらいたい。
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秋田駅西北区画整理

2011-04-18 22:51:31 | 秋田の地理
冒頭の写真は秋田駅西口からバスターミナル越しに北方向、広小路の始点を見たところ。
衰退したとはいえ、秋田駅前ではいちばん賑やかな場所だと思われる、スクランブル交差点付近に注目(写真中の赤◯)。
道路の向かい側、広小路の北側に注目
奥の方(写真左=西側)から、三宅ビル、リボン会館、秋田駅前ビルと並び、写真右端にちょっと写っているのが秋田フォーラス(さらにその隣がアルス・ホテルメトロポリタン秋田、そして秋田駅)という並び。
リボン会館は古くからあるパチンコ屋、秋田駅前ビルはローソンや武富士が入り、昨年秋には「戦国居酒屋」なるものがオープンするなど、ビル自体の知名度や大きさは目立たないが、存在感はあるビルだ(秋田駅前ビルという名だとは僕は知らなかった)。ローソンの場所は昔は喫茶店だったかな。

三宅ビルとリボン会館の間には、細い道がある。この記事はそのお話です。
ちょっと西に移動して、三宅ビルの向かいから
上の写真で白い車が止まっているのがその道。

一方通行なので、広小路からこの道に入ることはできない。
略図。上が北。茶色がその道
この道は、県立脳血管研究センター(脳研)裏手と線路の間を抜け(今は千秋久保田町だが、昔は「手形堀反町」と言ったようだ)、10年ほど前にできた教会風の結婚式場の前を通り、手形陸橋の下を潜り、秋田大学のある手形地区へ至る。
秋田駅東口がなかった昭和末期までは、徒歩や自転車で秋田大学と秋田駅を結ぶ最短経路であったはずだ。そのためか、秋田では珍しいお好み焼き屋さんとか、若者向けの衣料品店もあった。
駅前とはいえ旅行客はまず足を踏み入れない道だろうし、市民でも裏道であり一方通行路ということもあり通ることがない、あるいは存在自体を知らない方もいるだろうが、独特の雰囲気のある道だった。
この通り自体には愛称や通称はないと思う。「パチンコ屋の脇の道」とか「脳研の裏の道」とか思い思いに呼んでいるはず。

広小路側からこの道に入ってみる。
入ってすぐ。右がリボン会館

広小路の方を振り返って


ビル裏側の通用口や駐輪場など、雑然とした場所もあるが、さらに進むといくつかお店が並んでいる。

ここでも広小路を振り返って
実はこの辺りのお店は、閉店や移転している店が多い。
それは、この一帯で区画整理事業が行われているため。

「秋田駅西北(にしきた)地区土地区画整理事業」と言い、5.8ヘクタールを平成6(1994)年度から26(2014)年度にかけて、総事業費131億円で秋田市が区画整理するもの。63戸が移転する。
2010年度末の進捗率は約47パーセント。
【2015年6月11日追記】2015年度初め時点で、現地の看板(この記事下に写真あり)の完了年度が書き換えられ「平成34年度」までとなった。2022年度まで。


区画整理の説明はちょっと置いておいて、道をもう少し進むと、
広小路から120メートルほどの地点。左上の茶色い建物が脳研
ここから先200メートルほどに渡って、既に建物が退去し、既存の一方通行路と少しずれた位置に新しく道路が造られた。
これが市道「千秋久保田町線」で、両側に歩道が付き、車道は対面通行。
東側(線路側)の歩道はこの冬から供用されており、ロードヒーティングが設置されたのでとても歩きやすくなった。向かいの西側の歩道は現在整備中で、工事看板には「4月21日」までとあったが、もうちょっとかかりそうな気配。震災の影響で遅れているのかもしれない。【21日追記】看板は「5月27日」までとなっていた。
車道部分は完成しているが、現在のところは南進の一方通行のまま。北進側車線は封鎖され、歩道の工事用に使っている。

空き地と新しい建物が目立つ
上の写真右側、線路までの間は、大部分がかつてはJR(国鉄)の土地だったようだが、そこに小さい道路がいくつかでき、次々に建物が建っている。

さて、新しい道路が、いつから対面通行になるのかということだが、区画整理を行っている秋田市都市整備部 秋田駅東地区土地区画整理工事事務所のサイトには「H23年度に地区内での全面開通(対面通行可能)を予定しています。」とある。
「地区内での」というのは、「広小路との交差点(リボン会館)まで」という意味ではなく、「現在道路が形になっているこの部分だけ」ということだろうか?(リボン会館脇付近は区画整理のエリアではないので)
だとすれば、対面通行になってもあんまり意味がなさそう。

しかし、最終的には、リボン会館・三宅ビルの広小路との交差点まで拡幅され対面通行になる。
現地に立っている看板
その予想図を拡大↓
左が北(オレンジ色の文字を補足しています)
※詳細は後日別記事にしますが、区域の北側には、線路を潜るアンダーパスとそれに接続する「市道千秋山崎線」が新たに造られ、それに伴い結婚式場(教会)が移転している。

上の図で分かる通り、広小路側との接続部分の道路の形状がややカーブしていて、現在と異なっている。
そしてフォーラスの脇がいきなり道路になっていて、秋田駅前ビルやリボン会館が消えている!

工事事務所のサイトにあった、「事業設計図」を見てみても、
上が北
「パレドゥー」とあるのが今のフォーラス(1985年から1987年までは「パレドゥー」と言ってた。古い資料の使い回しですな)。
リボン会館と秋田駅前ビルと思われる建物の上に、道路の線が引かれている(赤矢印)。

したがって、秋田駅前ビルやリボン会館は遠からず解体されることになっているようだ。
途中の沿道にあるお好み焼き屋さんとか、秋田駅前ビルにできたばかりの戦国居酒屋は移転することになるのだろう。

次回(あさって以降になるかもしれません)は、さらに北へ進んで、脳研の裏付近の様子を紹介するつもりです。※続きはこちらです

※リボン会館は2012年9月で閉店した
※秋田駅前ビルも2014年度中には解体の見込み
※ただし、リボン会館と秋田駅前ビルの跡地全部が道路になるのではなく、残った土地に新たな「秋田駅前ビル」が建てられるらしい。
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最近の記事のその後

2011-04-17 22:19:21 | 秋田のいろいろ
以前の記事の後日談をいくつか。

●特急つがる 前回はこちら
特急「つがる」の車両が、昨日16日から変更されるのではないかという記事をアップしていた。
ところが、実際には昨日も今日も、今まで通り、全列車(?)が485系3000番台で運行されているようだ。
今日のつがる6号→5号も
その一方、
E751系電車もいた
新たに「つがる」に登板するE751系電車が秋田駅に入っていた。つがるの時間帯ではなかったので、訓練運転だろうか。
今までは訓練時でも6両編成だったが、上の写真の通り4両に短縮されていた。(E751系は今までは6両で使われており、2両減らしてつがるに使われることになっている)

ということは、E751系の「つがる」への投入に向けての準備は着々と進んでいると見られ、営業運転開始はやはり近いのではないだろうか。

※その後、運転開始日が決定しました。

●小型バス 前回はこちら
4月から秋田東営業所の廃止に伴い、小型バス(ミニバス)が秋田駅と大川反車庫(秋田営業所)の間でも運行されていることを紹介した。
2台続行
2台が同時刻発の県庁経由車庫行きで走っていたのを見かけた。
秋田市内で小型バスが同時に同方向へ続行して走るのは、今までにない光景だった。

上の写真のバス、どちらも「日野リエッセ」だけど、違うのが分かるでしょうか。
前(左)のバスは旧秋田市交通局から譲渡されたもの、後ろが中央交通が自分で購入したもので、後ろの方が年式としては新しいはず。
外見上は、窓枠周辺やヘッドライト間の塗り分けが異なるほか、車椅子用リフトの有無により中ドアが違う。(緑色の色合いも微妙に違う気がする)
ほかにも、車内のシートの柄やトランスミッション(元市営はマニュアル、自社購入はオートマ)が異なる。

●みちの銀行その後 前回はこちら
みちのく銀行秋田支店の看板の「く」が取れてしまい、「みちの 銀行」になっていた。
1週間ぶりに見ると

看板自体が撤去されてしまった!
新しいのを付けるのだろうか。
低い位置にも看板があるから、なくてもいいかもしれないけど、どうするんだろ。

前回の記事にいただいたコメントで、青森銀行・秋田銀行・岩手銀行は「AAIネット(アイネット)」という提携をしており、相互間のATM利用手数料が無料だけど、みちのく銀行や北都銀行にはない、という話が出ていた。
しかし、偶然にも、4月11日からみちのく銀行と北都銀行、みちのく銀行と荘内銀行の間で、それぞれATM利用手数料が無料になった。荘内銀行と北都銀行の間は既に無料になっているので、AAIネットみたいなのが青森・秋田・山形の間でも成立したといえそうだ。

※さらにその後

●雪捨場と新屋水門 前回はこちら
再び雄物新橋の雪捨場へ行ってみた。
上流側
写真では分かりづらいけれど、先週よりは確実に減っていた。
先週は気温が20度を越した日もあったし、先々週は下流側にいた重機が今回は上流側にあったから、それらによって融けるのが促進されたのだろう。
でもやっぱり多い。
橋の上から。左側が雪山
橋を渡って対岸へ。数日前は雨だったこともあり川の水量は先週より増えて濁っていた。
水量が多くて流れが早いこと、もし地震があって古い雄物新橋に何かあったらどうしよう…などと考えてしまい、渡るのがちょっと怖かった。
新屋栗田町から対岸の雪捨場(下流側)を見る
この波だった川面を見ると、「NHK特集“大黄河”」を連想した。
※雪捨場のその後の様子はこちら

新屋水門を対岸から
やっぱり一般的にイメージする「水門」とはちょっと違うな。
写真の左奥に写っている、柱に乗った2つの白いドームは、山王の秋田地方気象台のレーダー。

雄物新橋からの眺め
ここから見ると、水がきれいに見える。
太平山の雪もだいぶ少なくなった。
その手前の市街地の主な建物は、左から、アルヴェ、NHK秋田放送会館、イオン秋田中央店(旧秋田サティ)、ラウンドワンが目に付く。
これらの位置関係を見て、不思議に思った。
アルヴェとNHKは、秋田駅東口にある隣同士の建物。
旧サティとラウンドワンも、太平川を隔てて向い合っており、数百メートル程度の距離。
秋田駅と太平川は、直線で2キロほど離れている。
しかし、上の写真で分かるとおり、その位置関係・距離感覚がイメージするのとだいぶ違って見える。おもしろいものだ。

スイセンと雪捨場
堤防の斜面に八重咲きのスイセンが咲いていた。
今日はウグイスの声とツバメの姿を初めて見聞きした。
※秋田地方気象台の観測では、今年はウグイスの初鳴きを4月15日に観測(平年は14日)、ツバメの初見は未観測(平年は4月17日)。【23日追記】その後、ツバメの初見を23日に観測した。
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手形Land Bridge

2011-04-16 20:28:36 | 秋田の地理
昨年一部で反響を呼んだ(?)、秋田市中心部に秋田市建設部が設置した道標の英語表記についての続きです。
明田地下道西交差点
この道標には、柱の部分にその所在地名が表示されている。(一部無表示のものもある)
地名(住居表示実施エリアは番地まで、未実施エリアは小字まで)と地点の通称(交差点名や◯◯前など)を併記しているものが多い。
ここでは、
「中通七丁目二(明田地下道西交差点)」
英語も書かれており、「明田地下道」は「Myoden Underpass」と訳している。
この道標は比較的正しい英語を使っている傾向があるので、「地下道」だからといって「Underground Road」なんて直訳的な変な訳じゃないのはさすが。


一方、秋田駅を挟んで反対側の手形陸橋。
道路が線路をまたいで越えるものは、昔は「陸橋」が一般的な呼び方だったようだが、今は「オーバーパス」と言うのかな。

その東側、秋田大学そばの「手形山崎町」交差点にも道標がある。
雪が降っていますが、以前の撮影です
なお、この交差点は以前は不規則な形の交差点だったが、昨年度、秋田駅東口へ至る新しい市道(写真右奥)が開通し、十字路になった。
その柱の地点名
手形山崎(陸橋下)
「陸橋下」ってなんか大雑把な表現。どうせなら「手形陸橋東」とかにしたら。
「手形山崎」っていうのもあまり正確じゃない。この交差点を境に、住居表示実施済みの「手形山崎町」と未実施の「手形字山崎」があり、「字」も「町」も付かない「手形山崎」という表記は正式には存在しないからだ。(バス停名や市民の間での通称としては通用するが)
この道標の設置位置としては、「手形山崎町」の方だと思われる。

そしてとてもおかしいのが、「陸橋下」の英訳Below the Land Bridge
Belowは「…の下に」という意味でいいとして、「Land Bridge」は「陸橋」の直訳っぽい。ネイティブの人には通じるのかしら?
調べてみると、「Land Bridge」には「地峡」や「大陸横断陸路」という意味があるようだが、やはり「線路をまたぐ道路」という意味はない。「Overpass」とするべきだったろう。

「地峡」とは、2方向を水(海)に挟まれた細長い陸地のこと。スエズ地峡やパナマ地峡など、運河が造られることがある。
日本語の「地峡」は地理学というか地形学的な用語で、多くの日本人は知らないと思う。
同じように、英語を使う人たちも「Land Bridge」って知らないんじゃないだろうか?
知っていたとしても、とんちんかんな意味にならないだろうか「手形地峡の下」とか「手形大陸横断道路の下」とか。

あいにく、ここは秋田大学のそば。
英語を母語とする留学生や外国人教員、英語学や地理学を専攻する学生や教員の目にも留まってしまったかもしれない。

上記のとおり、このタイプの道標は他の地点では比較的正確な英訳を採用している。しかも「Underpass」は分かっていたのに、その対義語で間違ってしまったのが惜しい。
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マイカルカラス

2011-04-15 18:52:29 | 動物・植物
3月1日に運営企業も店舗ブランドも「イオン」に統一され、「マイカル」という企業と「サティ」という店舗が消滅した。
「イオン秋田中央店」になった旧「秋田サティ」だが、3月に入ってもなかなか看板類が更新されず、そこに震災が発生してしまったためか工事が始まる気配すらなく、今なお「SATY」の表示が多く残る。

以前の記事の再掲)現在もこのまま

2か所の入口付近上部の壁面には、「SATY」とともに「MYCAL」のロゴもある。
マイカルのロゴは4本の植物がデザインされている。左から右に向かって葉っぱの数が増えて背丈が伸びていて、右端の1本は花が咲いている。
カラー版のロゴもあるが、壁面のものはどこの店舗でも金色一色のようだ。
ある日の秋田サティ、じゃなくイオン秋田中央店
マイカルロゴ右上に黒いものが!?

右端の花の花弁の部分にいたのは、

カラスでした~
丸っこい部分なので止まりにくそう。どうせなら近くの「SATY」の「T」辺りの方が平らで落ち着きそうだけど…
などと思っていると、
もう1羽が隣にやって来た!

そして2羽で「カーカー」「クワァ~」と鳴き合っていた。
ケンカ中?
最初からいた右のカラスは負けてしまったのか飛び去り、後から来た左のカラスが残った。
「CA」の上に「カラス」
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放送局の募金

2011-04-14 23:08:43 | 地震
今回の震災では、各マスコミも義援金や見舞金などを募っている。

まず、大手放送局の対応は以下の通り。
NHKでは中央共同募金会、日本赤十字社、NHK厚生文化事業団とともに「東北関東大震災義援金」(「東日本大震災」の名前が決まる前に始まった)を実施している。(9月30日まで)
各放送局窓口でも受け付けているが、振込みの場合は「中央共同募金会」や「日本赤十字社」の口座を紹介している。

フジテレビでは、独自に募金は行わないようで、「ひとつになろう日本」キャンペーンの中で日本赤十字社の口座(NHKのと同じ)を紹介している。

テレビ朝日では「テレビ朝日福祉文化事業団」による、おなじみ「ドラえもん募金」を行っている。(4月30日まで)
公式サイトには、受付状況、集めたお金の送り先とその選定理由、今後の使い道を把握していくことなどが詳しく掲載されている。

日本テレビは、夏の「24時間テレビ 愛は地球を救う」が緊急募金を行っている。

TBSでは「絆プロジェクト」の一環で「JNN・JRN共同災害募金」を行っている。
「JNN(Japan News Network)」はTBSテレビとその系列局からなるニュースネットワーク。「JRN(Japan Radio Network)」は、TBSラジオとその系列局のネットワーク。


次に秋田の報道機関。
秋田魁新報社、秋田放送(ABS)、秋田テレビ(AKT)の3社合同で、「東日本大震災見舞金」を実施している。(4月15日=明日まで)
秋田では歴史と知名度のある報道機関の主催とあって、個人・企業からたくさんの善意が届いている。13日までの累計で約1万5千件・約6億5千万円が寄せられている。
ドラえもん募金が3月までに約12億円、TBSが今日までに約14億円、日テレは今日までに13万件・8億円なのと比較すれば、秋田県内だけでこんなに集まるとはすごいことだと思う。

魁新報の紙面とサイトには、見舞金を寄せた人の名前と金額が連日掲載されている(匿名も可)。
14日付16面。矢印より上がその名簿
一時期は1面丸々(もっと多かったかも?)名簿だったこともある。最近はやや減ったとはいえ、今朝の紙面では7段に渡っていた。
みなさん結構な額を寄せている。企業や団体はともかく、個人でも万単位がざら。こうして名前と金額が載ってしまうと、少額だと気が引けてしまう。

名乗って募金すること自体は否定するつもりはない。でも、それを新聞やネットに載せるのって、ちょっと違うような気がする。
それ以前に単純に手間と人件費と紙面の無駄なような気がします。
(そういえば、昔はNHK秋田放送局に歳末・海外たすけあいを寄せた人の名前を夕方のニュースで流していたが、それはここ何年かはやってないな)


ところで、この「東日本大震災見舞金」では、テレビ局どうしでライバル関係でもある、ABSとAKTが共催しているのを意外に思われる方もいらっしゃるかもしれない。
これは、ABS、AKTとも、秋田魁新報社の資本が入っているからだと思われる。
ABSでは「さきがけABSニュース」という番組があるから、魁傘下なのは分かりやすいが、実は秋田テレビも魁の傘下なのだ。(ただし、秋田テレビには読売新聞や朝日新聞も出資しており、しかも産経グループのフジテレビ系列という複雑な関係)

でも、同じく魁傘下でありAKTとも仲が良さそう(本社がお隣同士で、大森山の送信アンテナは共用)なラジオ局「エフエム秋田」(ABS、AKTも出資)が参加していないのは不思議。


一方、これら“魁グループ(勝手に付けた名前です)”とは距離を置く、秋田朝日放送(AAB)では、テレ朝の「ドラえもん募金」をAABとしても募っており、ローカル番組内やスポットCMで、独自に告知を行っている。
といったところが、秋田の状況。



考えてみれば、ABSやAKTでは困ったことになる。
魁グループの見舞金と全国ネットワークでの募金が重複し、1つの局で複数の募金を募っている形になるのだ。

まずフジテレビ系列局のAKT。
魁グループの見舞金は、ローカルニュース内やスポットで告知をしている。その一方で、全国放送番組内では、フジテレビとしての告知がされる。
先日、「笑っていいとも」内のCM枠で魁グループの告知が流れた直後、アルタからフジテレビのアナウンサーが日赤義援金の告知を連続して行ったことがあった。
AKTトップページ
公式サイトでは、魁の見舞金のバナーの隣に、フジテレビ系列の局「ひとつになろう日本」のバナーがあり、そのリンク先(フジテレビサイト)で日赤義援金が告知されている。


さらに大変なのがABS。ラジオとテレビ両方の放送局。
魁グループであり、テレビは日本テレビ系列局、ラジオはTBS系列なので、3つを“掛け持ち”することになる。
ABSトップページ
ABS公式サイトのトップページには、魁見舞金と日テレの24時間テレビのロゴが離れて掲載されている(赤矢印)。

だけど、JRNの募金についての記載はない。
ABSラジオは、TBS系のJRNと文化放送・ニッポン放送系列のNRN両方に加盟する「クロスネット局」。しかし、TBSの絆プロジェクトのサイトには「JRN系列のラジオ34局…」とあるので、ABSのようなクロスネット局も含まれていることになる。(単独ネット局は大都市圏の4局だけで、地方の30局はクロスネット局)
したがって、ABSもJRNの募金を呼びかけるべき立場だと思うのだが。
JRNの募金は、局では受付せず振込みのみ。しかも三井住友銀行以外では手数料がかかってしまう。だから、三井住友銀行がない秋田では実施してもあまりメリットがないとは思うけれど。(ラジオは聞かないので分からないが、放送内では告知してるんだろうか?)


参考として、隣の青森県の状況を見てみる。
青森の新聞社と放送局の関係は秋田とよく似ている。(違いはキー局がフジテレビかTBSか程度)
新聞社の東奥日報社、新聞社と密接な関係にあるラジオ・テレビ局の青森放送(RAB)、新聞社が出資している青森テレビ(ATV)があり、秋田における魁-ABS-AKTが、東奥-RAB-ATVと置き換えて差し支えない。

まず、東奥日報社では、特に募金は実施していない。秋田のような新聞社・放送局合同の募金事業もなし。

RABはテレビが日本テレビ系列、ラジオがJRN・NRNクロスネットなので、ABSと同じ。
RABトップページ
日テレとTBSの告知が上下に並んでいる。
ただし、TBSのは「JNN・JRN共同災害募金」が正式名称のはずだが、「JRN・JNN~」と順番が逆になっている。
RABにとっては、JNNは関係ない(っていうかライバル)だからね。

TBSテレビ系列(JNN)の青森テレビのサイトのトップには、「JNN・JRN絆プロジェクト」の大きなバナー。
ATVトップページ
青森にも三井住友銀行がないから、あまり意味がないかもしれないが、どちらの局もしっかり告知していた。



秋田の各局では、株主である魁への配慮、系列局としてキー局への配慮どちらも大事で、告知をどうするか迷ったのかもしれない。それによって、募金しようとする人は迷ってしまうかもしれない。
だから、複数の募金を実施・紹介していることを明示し、それぞれの違い(特に寄せられたお金をどこへ渡し、どう使われるのか)を知らせた上で、募金する側に選択させた方がよかったのではないかと思う。
コメント (2)
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土崎駅跨線橋/つがる

2011-04-13 21:21:50 | 秋田のいろいろ
2月21日以来のアップですが、秋田市北部の奥羽本線・土崎(つちざき)駅構内の跨線橋工事の模様です。
1番線の秋田側から青森方向を見る
新しい跨線橋は足場が取れ、使用が開始されていた!
工事に伴い、下り列車が発着する1番線の停止位置が、やや秋田寄りに移動したが、この様子では工事終了後も元に戻らずこのままになるのかもしれない。(4両編成以下の列車では、先頭車両が改札口に近い)

※以下、工事の状況は短い時間でざっと見ただけですので、勘違いしている点があるかもしれません。
1番線の階段上り口
上り口付近の屋根は新たに設置されたようだ。
上から

新跨線橋上から1番線を見る。左が改札口・秋田方向、右に少し旧跨線橋が見える
ホームと跨線橋上を結ぶエレベーターが設置された。上の写真の仮設屋根の部分がエレベーターの乗り降り口。跨線橋上では反対側に乗り降り口があり、車椅子などが方向転換せずに利用できるタイプ(「ウォークスルー式」と言うそうだ)のエレベーターのようだ。

エレベーターはの乗り降り口は、1番線、2・3番線とも階段の裏側にある。
「検査が終わったので、4月1日からエレベーターが使用できます」という掲示があったので、新跨線橋自体は3月中から供用されていたのだろう。


橋の上の通路
壁が白くて明るいが、装飾はなく天井もむき出し。窓は旧跨線橋より小さくて数が少ない。


旧跨線橋と比べて、階段部分も橋の部分も幅が狭い。(秋田市内の羽越本線・新屋駅の跨線橋よりは広いけれど)
土崎駅は利用者が多く、時間帯よっては混雑するはずだからもっと広くてもよさそうだけど、一方でホームも狭いから安全確保のため空間を確保する必要もあるのだろう。
新しい跨線橋が狭すぎるというわけではないと思うし、費用なども考えるとこの程度が適当という判断なのだろう。

1番線から2番線(と向こうの3番線)を見る
2・3番線は、旧跨線橋周辺が囲われており、その分ホーム上の通行できる部分が狭くなっている。
列車の停止位置と新跨線橋の行き来には、その部分を通らなければいけないため、誘導員が配置され(1番線にもいた)、囲いに向かって右側を通行するよう案内されていた。

旧跨線橋(1番線)
1番線側の階段は、足場が組まれ、一部は窓が撤去されていた。解体が始まるようだ。
※続きはこちら




さて、昨年末の新幹線新青森開業後、青森-秋田間を結んでいる特急「つがる」の車両が代わることになっている。※以前の記事
今まで使われていたのは、国鉄時代に製造された「485形電車」をリニューアルした「485系3000番台」で、4月中旬からは10年ほど前に製造された「E751系電車」が使われることになっていた。(E751系は以前もつがるに使われていたので“再登板”する形になり、「“新車”が“投入”される」わけではない)

情報によれば、今度の土曜日・4月16日からE751系で運転される予定になっている。とすれば3000番台「つがる」はあとわずか。

秋田駅に行ったらちょうど到着するところだった。
インパクトのある黄色に「North East Express 485」のロゴ

485系3000番台では、列車正面に絵入りのLEDで列車名が表示されている。(トレインマークとかヘッドマークと言うヤツです)
E751系にはこの装置がないので、今後はつがるのトレインマークを見る機会も減ることになる。
 
デフォルメした岩木山らしき山と赤いリンゴが2つデザインされている。5秒間隔くらいで反転表示される。
最近の列車のマークとしてはいい出来だと思う。どことなく国鉄時代のマークっぽい雰囲気もあって好きだけど、「つがる」の文字がパソコンそのままのような丸ゴシック体なのが今風。

485系3000番台は、今後も新青森・青森-函館間の「白鳥」として使われる。
それに臨時列車や予備の分も含めれば、E751系だけで「つがる」の必要車両をまかなうことはできないと考えれるため、今後も485系3000番台は「つがる」として走ることはあるとは思うが、見たり乗ったりする機会は減るだろう。


※続きはこちら
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