広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

獄きみパン

2022-07-31 20:48:20 | ランチパック
2020年に始まったのだろうか、ヤマザキ系列3社による東北6県の食材を使った菓子パン「東北夏祭り」シリーズが、2022年も発売(たぶん7月1日から)されている。
今年も、青森県分は工藤パン、秋田県分(男鹿半島の塩パン)はたけや製パン、他4県分(今川焼き風ケーキ、みそ蒸しパン、サンメルシー、クリームボックス)は山崎製パンの製造。
その青森版。
獄きみパン 青森県産獄きみピューレ入りミルククリーム 287kcal
「獄(だけ)きみ」とは、弘前市の岩木山ろく・嶽高原産のトウモロコシのこと。「きみ」は津軽弁(に限らず秋田弁などでも)でトウモロコシのこと。
弘前では古くから知られていたのだろうが、2000年頃からおいしいトウモロコシとしてブランドが確立され、今は秋田など県外でも認知されている。
再掲)1998年のダイエー弘前店のレシート。「獄のきみ」という言い回しもされるが、今は「獄きみ」が主流かな?

袋で紹介されている夏祭りは、「弘前ねぷたまつり」ではなく、「青森ねぶた祭」。


トウモロコシのパンと聞けば、惣菜パンや甘さ控えめの「食事パン」系統かと思いきや、これは菓子パン。
「ルヴァン種を使用した生地にビスケ生地をのせ、獄きみピューレ入りミルククリームをサンドしました。」
細長いメロンパンのような見た目。横方向に切れ目

トウモロコシっぽい色のクリームが、一直線に塗られてサンド

パン部分は、甘さ控えめのメロンパンのよう。細長くて食べやすい。
クリームは、トウモロコシの味が濃厚。量のわりに存在感がある。
こういう味のパンは食べたことがなかった。合わなくはないが、ちょっと独特。

クリームには、トウモロコシの粒感は感じられなかった。粒を入れても楽しそう。


東北地方や周辺地域のスーパーマーケットのほか、コンビニエンスストアでも売られている場合あり。ローソンで売っていたというネットの情報のほか、秋田駅東口のファミリーマート秋田アルヴェ店で140円で売られていた(毎日入荷ではなさそう)。
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弘前フレンドパーク

2022-07-27 21:56:36 | 津軽のいろいろ
珍名アパートシリーズ。※シリーズ最初の記事。←末尾に関連記事へのリンクがあります。
初の弘前編。※珍名には入らないだろうけど、ハウスマックスは取り上げました。

弘前市内にあるアパート。いずれも立地的に大学生向けではないと思われる。
※以下、特記なき画像はGoogleマップストリートビューより。物件名と築年月は「SUUMO物件ライブラリー」より。
「フレンドパーク」1993年9月築


別の場所。
2棟と、裏手にもう1棟ある。
見えていないのが「フレンドパーク1」、左が「フレンドパーク2」、右が「フレンドパークIII」。
1と2が1998年4月、IIIが1999年3月築。SUUMOでは「III」だけローマ数字。ストリートビューで確認する限り、IIIの壁面などに名称の表示が見当たらない。
2の壁面には表示があって、かつて現地へ行って撮影した(もの好き)。
2009年撮影。「2」もローマ数字で「II」。

以上、弘前には、「フレンドパーク」が付くアパートが4棟ある。無印と1~3は所有者が別だろうか。
SUUMOで検索すると、全国にフレンドパークを名乗るアパートが散在する。計30件。
函館市には、1に相当する無印~「VII」まで7棟。埼玉県加須市には「I」と「II」がある。千葉県木更津市には「2」のみが登録されるが、他の不動産サイトによれば「1」も存在する模様。


秋田県では知らない人が多いはずだが、「フレンドパーク」と言えば…
TBS系で月曜19時台に放送されていたバラエティ番組の名前。
関口宏(と渡辺正行)を司会に、ゲスト芸能人がスタジオに設けられたテーマパークのアトラクションで遊ぶという内容(でいいのかな?)。
なお、Wikipediaによれば、秋田では秋田テレビが「単発で数回放送を行った実績がある。」としている。※秋田の民放局では、秋田放送のほうがTBSとの関係が強い。

僕が青森に行って初めて知って見た時点では「関口宏の東京フレンドパークII」という番組名で、すでに定着していた。その前身として、「ムーブ・関口宏の東京フレンドパーク」があったとのこと。
無印版が1992年10月から1993年9月まで、IIが1994年4月から2011年3月まで放送。その後、特番が何度か放送され、直近は2021年1月。
Wikipediaによれば無印版は視聴率低迷で打ち切られたらしいが、IIはTBSの人気番組となった。


ここで、SUUMOの30のフレンドパークアパートの建築年を見てみる。
京都に1977年築、福岡に1986年築があるほかは、いずれも1993年以降。
1993年に1つ(弘前の無印)、1995年~1999年に9棟、2000年以降に18棟で、いちばん新しいのは2010年築。
つまり、フレンドパークを名乗るアパートの多くが、テレビ番組名にあやかった命名で、かつ「II」になって人気が高まってから命名されたものが多い、ということにならないだろうか。となると、京都と福岡は自力で「フレンドパーク」を考え出したのだろうか。ある意味先見の明。
ちなみに、上の写真の弘前の壁面ロゴは、番組ロゴとの共通性はなさそう。

そして、「フレンドパーク2/II」を名乗る棟は、木更津が1996年、弘前が1998年、函館が2005年、加須が2008年築。それぞれの1/Iの棟は、加須が前年の2007年築のほかは、2/IIと同時竣工のようだ。
これは、大家さんは2棟アパートを建てることを前提として名前を考え、テレビのフレンドパークIIに目を付けたのだろうか。「2/II」ありきの命名。弘前は3、函館は7まで進んでしまったのは、勢いで…

ただ、「○○フレンドパーク」と「東京フレンドパーク」の地名をそのまま置き換えたアパート名は存在しないのがおもしろい。「フレンドパーク○○」と、後に地名などが付くものはあるが。
別にTBSから文句は来ないだろうし、もっとふざけたアパート名だってあるのだから、「弘前フレンドパークII」でもいいのに。


「関口宏の東京フレンドパークII」は、アパート名になるほど、人気やインパクトがあったテレビ番組だったのだろう。
個人的には好きではなかった。他人が遊んでいるのを見て何がおもしろいかと思ったものだ。でも、そう思いつつ、そこそこ見ていたかも。アトラクションの中身など断片的に覚えているので… でも、一時期(1996年春まで)は裏で「クレヨンしんちゃん」~「邦子と徹のあんたが主役」をやっていたから、そっちを見ていたはずだし…

昨年取り上げた、25年前に来たヘール・ボップ彗星にちなんだアパートは、今となってはその由来を知らない入居者もいると思う。東京フレンドパークがレギュラー番組でなくなった今、同様に名前の由来を不思議に思う人たちが増えていくことだろう。
ほかに、テレビ番組名由来のアパート名なんてあるもんだろうか。
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さらに謎の白線

2022-07-25 18:46:22 | 秋田の地理
秋田市の外旭川~泉(旭川小・秋田東中学区側)地区の道路上に、謎の白線と文字が引かれていた。
外旭川八柳二丁目の県道の歩道、泉一ノ坪の市道の歩道と自転車歩行者道の、3か所。

その後、
 

 
新たに4つも発見!
場所はいずれも、泉から外旭川地区にかけて。線路沿いの自転車歩行者道(市道)に3つ、通常の市道に1つ。
これで合計7か所。自転車歩行者道に4つ、市道に2つ、県道233号に1つ。

新たな4つを泉側から見ていく。
泉一ノ坪の南東端が泉踏切であり、自転車歩行者道の南東端で、前回の「6」か「9」か「g」があった。そこから自転車歩行者道を外旭川方向へ進む。
やがて泉釜ノ町を経て、外旭川地区に入る。そこが泉外旭川駅。そこに、
1と5

泉外旭川駅停車中の電車(上り列車最後尾付近)からも見える
この線が、泉釜ノ町と外旭川(字大畑)の境界付近。1側が釜ノ町、5側が外旭川だが、その番地とは一致しない。
したがって、この線は、外旭川小・外旭川中と旭川小・秋田東中の通学区の境界、かつ秋田臨港警察署と秋田中央警察署(今春までは秋田東警察署。関連記事)の管轄エリアの境界を示していると言えなくもない。
(再掲)今春までの警察の境界
↑地図によれば、上の写真に加筆した赤い横線(=柵がある水路)が、外旭川字大畑と泉一ノ坪の境界。今回の白線は、それよりも数メートル先方に引かれている。

昨2021年時点では、線と数字は引かれていなかったと思う。

数字についての考察は後回しにして、さらに進む。秋田貨物駅とその付近に新規建設中の市道アンダーパス工事現場を過ぎる。
自転車歩行者道と線路をくぐる、何本かの古い市道地下道(アンダーパス。この記事など参照)があり、そのいちばん北西(土崎寄り)に位置するのが「水口地下道」。
他の地下道よりも幅が狭くて長いせいか、「ゆうれいトンネル」と呼ばれるようで、かつては車が通れたが、比較的最近、歩行者自転車専用規制が適用されていた(2021年の記事)。
その近くに、
2と4。奥左方が水口地下道
ここは外旭川八柳一丁目。外旭川八幡田二丁目との境界に近いものの、線とは数メートル(家1軒分)ズレている。

Googleストリートビューによれば2015年8月時点で線はなし、2021年春に通った時もなかったかと。
ところが、2012年10月のストリートビューでは、線と「2」があった。泉一ノ坪の市道と同じく、薄れた後で引き直したらしい。

ここまで来れば、自転車歩行者道の北西端は近い。
北西端に建てられた標識や、その先の帝石踏切が見えてくると、その手前に、
■と2・5
最初に書いた数字を消すための■だろうか。2・5は「2.5」か。ここも外旭川八柳一丁目。
自転車歩行者道北西端。左の道路が八柳三丁目と一丁目の境界
↑「自転車歩行者道」のこちら側は日本語のみの標識。2012年時点ですでにこれだった。泉踏切側は英語併記で2012~2015年更新。

帝石踏切まで行こうかと思ったが、ショートカットできそうな住宅地の道に入ってみた。県道233号側が正面のパチンコ屋の裏にある、立体駐車場に出た。
歩道は片側だけだが比較的広い市道。県道が広くなる前はメイン道路で、路線バスが通り(関連記事)、外旭川アンパスができる前は八柳踏切まで一直線だった道だ。
奥が卸売市場入口の県道との交差点
そこに3。歩道がない側の路肩。八柳二丁目のセブン-イレブン前の線とは、同じ側の路肩に当たる。
アンパス、八柳踏切方向
場所は外旭川八柳三丁目。
ストリートビューでは、2012年10月~2018年6月にはなく、2019年9月には存在。

なお、最初に見つけた2つの白線があった、県道233号~市道~県道15号の、2つの線があった側の歩道を確認(県道72号(アンパスの通り)交差点~天徳寺前~手形山崎町交差点)したところ、この2つ以外の白線はなかった。


さて、線に付された文字の考察。
今回見つけたものは、明らかに数字である。最初に見つけたものは文字か数字か判断がつかず、県道は「乙」、一ノ坪市道は「P」、泉踏切は「g」かと迷ったが、今回にならえば、いずれも「2」、「6(の誤記)」、「6」の可能性が高そう。

線に対する数字の関係。
「数字の向き」、つまり北側から読む、みたいな「どちら側から読むか」は、深い意味はなさそう。
一方、「線と数字の位置関係」、つまり線を境にしてどっち側に書かれた数字かは、何か意味がありそうだが、水口地下道は線の一方向に2つ書かれており、完全な法則はなさそう。要はその場のテキトーなんでしょう。

7つの線の位置と数字を、地形図に示す。
地理院地図に加筆
数字は「1」~「6」まであるが、順番に記されているわけではない。ただ、大きい道路と自転車歩行者道に1つずつある「2」と「6」が近接していて、つながりがありそう。
1つだけ、整数でない「2.5」があるのも気になる。
自転車歩行者道の4つの線の間の距離を、泉踏切(地図右下)から順に計測すると、(いずれも約)950メートル、950メートル、440メートル。ほかは約1キロ間隔で、「2」と「2.5」だけそのおよそ半分だから「2」+「0.5」=「2.5」のような気がしなくもないが、厳密に半分の距離ではない。そもそも、市道「3」と県道「2」の間は750メートルしかないし。
一級河川本流の河川敷では、航空機から見えるように河口からの距離を示す「対空標示」がされることがあるが、これは違うだろう。文字が小さすぎる。

なお、自転車歩行者道は一部がジョギングコース(関連記事)になっていて、距離を示す古びた看板が立っているが、その区切りのポイントとは一致していない。そもそも、ジョギングコースでない車が走る道路にも記されているし。


というわけで、まったくもって謎の白線と数字。
こんなに大きく数字を記されては、通行者にとって知っておくべき情報を示す表示なのではないかと、いろいろ考えてしまう。そうではなく、ライフライン関係等で必要(一般通行人には意味がない)なのだとすれば、もう少し控えめに記すこともできるのでは。
それに、前回の泉踏切では、乾かないうちに自転車が通って跡が付いてしまっていたし、「2.5」の上の「■」など公の場に永く残ることを考慮していない、雑な仕事だ。
道路管理者である、秋田市と秋田県は、この正体を把握しているのだろうか。問い合わせてみたいとも思うが、好奇心のために、役所のお手を煩わすのも申し訳ない気もしている。

この線と数字、何なんでしょう?

【2023年4月13日コメントいただき追記】
旭川を渡った旭川地区・旭川南町の県道15号の歩道にも、同様の線と数字がペイントされていることが判明。
泉一ノ坪の線からは(途中からみでん交差点を曲がって)約1キロ付近。
ストリートビューを見ると、2012年10月時点で線とその北側に「8」。2020年8月までにかなり薄れて、2022年10月には引き直されて、「8」に加え、線の南に「4」。
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プリンスホテルの白テレビ

2022-07-22 22:53:21 | 昔のこと
平成初め頃製造のテレビ、「番組」ではなく「家電製品」=テレビ受像機について。

2008年、岩手県の雫石プリンスホテルに宿泊した。JR東日本の懸賞が当たって。
リゾート地だけに、ちょっとゆとりのある部屋に置かれていたテレビが、目新しくもあり懐かしくもあった。

テレビ本体の下に、VHSビデオデッキと有料放送チューナーが一体化した装置(メーカー不明)があり、両者の色合いが同じでテレビと一体化して見える。
部屋に置かれていたリモコンは、テレビ付属品ではなく、ビデオ・有料チューナーも操作できる非純正品だった(今でもこのタイプのリモコンを置くホテルが多いが、無料放送を見るは使いにくいし、電子番組表など機能が制限される場合もあって嫌い)。

本題のテレビ本体は、白いボディーの画面アスペクト比4対3・21インチブラウン管式、ステレオ・音声多重対応。※画面の縦の長さを基準にすると、16対9の横長画面では32インチと同じ程度。また、昔は音声多重非対応のモノラルテレビも存在した。
テレビのボディーカラーは、1980年代前半辺りまでは、プリント合板の木目(家具調テレビ=サザエさん家のテレビ)とかプラスチッキーな赤とかのもあったが、以降は黒~濃いグレーがほとんど。カタログを見ると、一部メーカーや機種で赤とか青もラインナップされていたが、買うのはもの好きな人くらいだったと思われ、実物を見た記憶はなかった。
こんな白いテレビなど初めて見たので、目新しかった。

ブラウン管下中央には「Panasonic」ロゴ。※当時はPanasonicはブランド名。メーカー名は松下電器産業。
両脇にはスピーカーが少々幅を取り、それが側面にも少し回りこんで、金網(パンチングメタル)のカバーが付いている。その網も白い。
ブラウン管は、四隅のアールがなくて角があるが、湾曲はわりとある。
これと同系統の形の黒いボディーのテレビは、見覚えがあり、懐かしかった。ほぼ同タイプの25インチが中学校にあった(型式等は後述)。

1990年7-12月期製造。
雫石プリンスホテルは1990年12月31日開業なので、その時から置かれていたようだ。

Panasonicロゴの下には、当時のブラウン管テレビでは普通だった、操作ボタンを隠すフタがある。その右側には、
「PRINCE HOTELS」
ホテルのロゴ入りテレビとは初めて遭遇。
市販品のテレビにロゴだけ入れたのではなく、本体のボディーカラーを白くするところから特注した、プリンスホテル専用テレビのようだ。
情報は少ないが、ネット上には「かつてのプリンスホテルといえば白いテレビ」みたいな投稿があった。地デジ・薄型対応で、現在は雫石を含めて、普通の黒い液晶テレビに替わっているようだけど。

1993年開業の釧路プリンスホテルは、2010年時点で白いテレビ。Panasonic製で形も雫石のに似ているが、ボタンの配置が違うので別機種のようだ。ビデオはなし。
苗場プリンスホテルは2010年か2011年に、白から薄型へ交換されたとのこと。


雫石のテレビには、型番が表示してあった。
「TH-21XV1HE」
ナショナル~パナソニックのテレビの伝統である「TH-インチ数」の型番だけど、お尻が妙に長い。
他のメーカーでもそうかもしれないが、パナソニックでは、基本モデルと微妙に違う機能などを付けたモデルに、枝番のような型番を付けるようだ。例えば、街のでんきやさん・パナソニックの店での販売限定で、簡単リモコンも付いているテレビとか、大手家電量販店での販売限定のシェーバーとか。

調べると「TH-21XV1」という、いかにも標準的な型番のテレビが、1990年に発売されていた。
そのプリンスホテル向けカスタマイズ版が、TH-21XV1HEなのではないだろうか。

さらに、パナソニック コネクト株式会社「パナソニック業務用映像機器 サポート情報サーチ」というホームページを見つけた。業務用=一般向け販売されないナショナル/パナソニックの製品のサポート情報が調べられるようだ。
TH-21XV1HEが掲載されており、1990年12月販売開始、1991年5月生産終了。

そのサイトで「TH-21XV1」で検索(前方一致)すると、BとかCとか、HEを含めて、実に11機種が1990年9月から1992年6月にかけて製造されていた。わずか1か月しか製造されなかったモデルも。
モノラル専用とかテレビデオことビデオ一体型の場合は、XV1部分が別になるはずなので、11機種はどれも21インチステレオテレビという点では共通のはず。どこがどう違ったのだろう。プリンスホテル以外にも、独自仕様を発注した企業があったのだろうか。


以下、ベース機種であろう、TH-21XV1について。
平成初期のパナソニックのテレビといえば「画王(がおう)」である。津川雅彦が王様の格好でCMに出演していた。
今にすれば、バブリーな時代の象徴にも思えるが、衛星放送の本放送開始に合わせたBSチューナーや重低音に強い「ドームスピーカー」搭載、すっきりしたデザインなど、時代の最先端でもあったと思う。【24日補足・当時の他メーカーのテレビは、スピーカーが耳のように本体から飛び出て、ボディは角張ったものが主流だったと思う。パナソニックはいち早く、スピーカーを内蔵させ、やや丸みのあるボディにしていたはず。】

北斗の拳「ラオウ」を意識した命名だったのかは知らないが、ラ王(1992年、スパ王も)、モナ王(1995年)、小説ながら陸王、サキホコレの最終候補の1つだった稲王などは、画王のヒットにあやかった命名だと思っている。


画王は1990年10月発売開始とのこと。【23日補足・松下電器のカラーテレビ30周年の節目でもあったそうだ。】
しかし、TH-21XV1は画王ではない。画王は、上位機種(おそらく25インチ以上とか)限定のシリーズ名だから。
TH-21XV1は、画王以前のシリーズ名を引き継いだ「PANACOLOR X(パナカラー イクス)」シリーズ。ただ、“画王と同期(同世代)”らしく、ドームスピーカーは搭載し(後述)、デザインにも共通性がある。
Wikipediaの「パナソニックのテレビブランドの変遷」という項目には「1990年発売の「TH-21XV1」はAV入力に「ブリッジ接続」を採用。」とある。前面の外部入力端子と、背面のビデオ1端子がつながっていて、片方に入力された信号を、そのままもう片方から出力できるというものらしい。

オークションサイトや中古品やり取りサイトには、TH-21XV1がジャンク品として出品されていた。
1991年下期製造で、黒いボディ。写真を見る限りでは、白とボディの輪郭は同じ。
相違点もあり、白では、画面下のフタの右側に穴が開いていて、フタを開けずに前面ビデオ入力端子が使えるようになっているのに対し、黒ではフタの穴がない(端子は同じ場所にあり、フタを開いて使わないといけない)。宿泊客が持ちこんだホームビデオなどを、分かりやすくつなげるようにという配慮かも。
白では左側のリモコン受光部に記された型名は、黒ではその右側にあり、ほかに「DOME speaker system」「PANACOLOR X」のロゴ。
フタ内は、ビデオ(入力切替)、チャンネル、音量は押しボタン。ほかに、5個以上の回転する小さなツマミ(おそらく画質や音質の調整)、ほかにも押せそうなボタン(おそらくチャンネル設定)もある。そういう設定はまだリモコンではできなかったようで、付属リモコンはシンプルなもの。
上の写真のように、白では「主電源(赤) RED STANDBY」などと英語が併記されているが、黒は日本語のみ。ホテル向けならでは。

背面は、電子銃部分が飛び出ておらず、平ら。今の薄型テレビと比べればとても分厚い【24日補足・約40センチとのこと】が、昭和時代のテレビと比べると、いくらか薄いはず。
天面には通気孔が細かく開けられている。この後、1990年代中頃には、天面に通気孔がないテレビもあった。ゴミが落ちて中に入るのを防ぐためと思われる。
持ち手は、側面ではなく、裏面の上部。21インチ程度だと1人で持ち運べる(※)ので、側面よりも裏に手を入れるほうが持ち上げやすく、1990年代後半頃は三菱電機でも同じ作りになっていた。
※7月20日放送の「1億人の大質問!?笑ってコラえて!」で、1999年生まれのジャニーズタレントが、民家の片付けを手伝っていた。その中で、ブラウン管テレビ(21インチくらいで側面に持ち手)を2階から下ろそうとしたのだが、持ち手に気付かなかったり、後ろや横から抱えようとしたり、危なっかしかった。年代的に知らなくて当然だが、ブラウン管テレビは前側が重いので、前から持つのが鉄則。階段は特に慎重に。

これより後では、裏面に大きな「Panasonic」ロゴが浮き彫りされていたものもあったが、ない。定格消費電力120W。


これより後のパナソニックのテレビでは、スピーカーが金網でなく布状のもので覆われたり、VHSビデオデッキを内蔵した「テレビデオ」こと「2-SHOT」がヒットしたりした。
ビデオデッキ「録画王」や横長画面の「ワイド画王」も出たが、1994年には後継の「ヨコヅナ」が登場、以降「美来(みらい)」「T(タウ)」を経て、今の「VIERA(2003年)」。

なお、バブル期のパナソニックの家電製品としてもう1つ象徴的なのが「コブラトップ」。仰々しくフタが開閉するCDラジカセで、これも1990年発売開始(最終機種は1999年)。
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不ぞろいの看板フォント

2022-07-18 20:04:46 | 文字・書体
お店の看板のフォント(書体)の話。
※2021年8月にアップしようと思って、アップしそびれていた記事です。現状は違っている可能性もあります。
秋田市の泉と八橋の間の新国道(県道56号)を通ると、気になってしまう看板がある。

昔は、ケンタッキーフライドチキン八橋店とピザハットが入っていた建物。2018年8月2日からやきとりのチェーン店になっている。
店の軒先の横書き文字は、「炭火焼き」「やきとりの扇屋」。
そのフォント
「扇屋」は、フォントワークス「くろかね EB」。明朝体やゴシック体という既存のくくりに入らないフォント。最近、テレビのバラエティ番組のテロップでわりと見かけるフォントで、「て」が「T」に見えるなど、かなりクセがある。でも、この使いかたでは、角ゴシック体とあまり違いが分からない。

「炭火焼き」「やきとりの」は、一見、全部同じ、“モダンスタイル”の角ゴシック体フォントに見えるが、2書体使われている。「炭火焼き」と「やきとりの」で違う。だって「き」の形が違うもの。3画目と4画目が、炭火焼きのほうはつながり、やきとりのほうは離れている。
やきとりのほうは、この点(+1、2画目が右側で少し上がる)が特徴的で、よく見かけるモリサワ「新ゴ」。

炭火焼きのほうは、字游工房「ヒラギノ角ゴシック体(ヒラギノ角ゴ)」か。高速道路の標識のW5よりも太いウエイト(W8かW9)で、あまり見たことがないはずだけど、これもヒラギノ角ゴなのか。そして新ゴとけっこう似ているのが意外。同じフォントでも太さで印象が違うもんだ。
もし「き」あるいは「さ」の文字がなければ、2フォントを混在していることに気付かなかったかもしれない。
なお、建物とは別の2つの看板にも「やきとり」の文字があり、それは新ゴ。


色は反転しているが、大きさは同じ「炭火焼き」と「やきとり」。同じくくりの、異なるフォントを並べて使うのって…素人には、そうした意味が分からない。
一般的に「1つの場面で、書体をいくつも使いすぎない」のが基本だと思うし、どちらかといえば「同じ場面で使うフォントは、シリーズ(メーカー)をそろえる」ものだと思っていた。
こういう看板って、特にチェーン店では、専門家がデザインをするのだと思う。何らかの意図があって、こうしたのか。



秋田市内には、同じ県道56号沿いの茨島にもこの店がある。
2012年時点ではとんかつ屋が入っていて、2015年には今のやきとり屋に代わったが、看板のデザインは現行と別。2017年~2019年の間に、今の看板に替わった。

大小5つの「やきとり」は新ゴ、1つだけの「炭火焼き」はヒラギノ。
ということは、理由はともかく、このチェーン店ではそのようにフォントを使い分けているのかと思った。ところが、公式サイトを見ると、
公式ホームページより
「やきとり」の「き」がつながっていて、「炭火焼き」と同じ。新ゴを使っていない。

Googleマップストリートビューで、秋田県外の店舗を見ると、
ストリートビューより宇都宮宮内店
秋田とは色使いは異なるものの、ほぼ同じ看板。地上の縦書きの「やきとり」だけはヒラギノ。その他の「き」は、炭火焼きもやきとりも、3・4画目が離れているが新ゴとはまた別の「き」。1つの縦書き看板の中で、違う組み合わせで2ゴシック体が混在している。
この新たなフォントは、モリサワ「UD新ゴNT」のようだ。新ゴのユニバーサルデザイン版の1つで、かなを「ネオツデイ(のUD版)」と組み合わせたフォント。
※NHKの全国ニュースなどの字幕のフォントが、今春から変更されている。それもモリサワの新ゴのUD新ゴ版だが、NTが付かない、かなも含めて本家新ゴをベースにした「UD新ゴ」という別製品。

UD書体だから、宇都宮のほうが新しい看板かと思いきや、2015年時点で設置されていた。その後できた秋田の店では、UDから非UDフォントに変えたことになる。

ストリートビューより郡山八山田店。2017~2018年設置
右の炭火焼きだけUD新ゴNT、その他3つはヒラギノ。郡山市内の他2店舗も同じような感じ。


以上、どの店でも、それぞれ2つのゴシック体フォントが使われていた。だが、その使い分けの法則は見いだせなかった。
ただ、3つは混在していないし、この3つ以外のゴシック体は使われていなそうで、ある程度の指定はされているのだろうか。
もしかしたら、
・企業内部で何らかの暗号的な使い分けがある。
・フランチャイズ契約した企業、あるいは看板業者が違うなどにより、厳密な統一が図れなかった(ある程度の地域を単位にまちまちになった)。
のか。
地域や制作時期で違ってしまうのは許容できるとしても、1つの看板に2つのゴシック体を混在させるのは、美しくはないと思う。小学生だって「き」の違いは気付く。
運営企業が無頓着だったとしても、店舗や看板を作ったデザインのプロが、これを許してしまったのだろうか。
今、デザイン業界で使われているパソコンには、大手メーカーのフォントが使い放題の契約がされていることが多いようだ。だから、プロでも、気安く、必要以上にフォントを使ってしまうようなことがあるのだろうか。

予定通りならば、あと2年もすれば写研の書体も、モリサワによってデジタル化されて、それに加わることになるだろう。
写研のモダンゴシックと言えば「ゴナ」。モリサワの新ゴとは、ゴタゴタがあったそうで、デジタル化でゴナと新ゴが同じ契約内で使用できるのは、隔世の感。ただ、今となっては新ゴが事実上の主流で、ヒラギノなどその他同系統フォントも定着した中に、ゴナが食いこむ余地があるのか。素人ながら興味がある。
だけど、こういう無頓着な看板ならば、ゴナの「炭火焼き やきとり」が現れるかもしれない。
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泉一ノ坪の謎の白線

2022-07-14 17:59:32 | 秋田の季節・風景
秋田市泉一ノ坪。もともとの「泉村」の本村一帯だが、現在は線路向こうの宅地開発された側が泉地区本体とみなされ、学区も泉小中でなく旭川小学校・秋田東中学校(次の行の駐在所のリンク先参照)。
外旭川~天徳寺前方向から東進してきた、県道233号線が、南へ曲がる(泉駐在所跡~泉踏切方向)交差点の東側。
東・手形方向。道幅は天徳寺方向と変わらないが、ここは市道

西・天徳寺方向。奥と左が県道

その南側歩道の路面に、白いペイントがあった。

フリーハンドでペンキで描いたっぽく、正規の道路標示ではない。


これは何だ? と言う前に、前にもよく似たのがあった。
2021年5月に記事にした、外旭川八柳二丁目のセブン-イレブン前の歩道。
(再掲)
泉一ノ坪から県道方向へ西に進んだ一本道、しかもどちらも南側歩道。
八柳は、歩道の内側(民地側)で、Googleマップストリートビューをさかのぼると2018年6月から2019年9月の間に記されていた。

一ノ坪は、歩道の外側(車道側)ではあるが、サイズなどそっくり。
でも、時期は違う。ストリートビューでは2020年8月には引かれていないようだが、2012年11月には細い線が歩道全幅に引かれている(街路樹を基準にすると、位置は数十センチずれている)。薄れたので引き直したらしい。
ストリートビューより

線に添えられた文字。
八柳は「2」で、八柳二丁目の「2番地」を示しているのではないかと推測していた。

一ノ坪は?
「P」としか読めない。
八柳も一ノ坪も、東側=白線側から読むと、白線の上に「2」や「P」があることになり、筋は通っている。
ただ、一ノ坪の引き直し以前のものは、「白線の下に「9」」あるいは「白線の上に「6」」である。

八柳の表示から一ノ坪の表示までの距離を測ってみると、ほぼジャスト2km。でも、道路管理者が違うし、数字とも一致しないし、そして以下のこともあって、偶然の一致だ。



上記の道路は、泉一ノ坪のおおむね北辺。南辺はJR奥羽本線で、自転車歩行者道が並行する。秋田工業高校裏の泉踏切横が、その東端。
自転車歩行者道は、泉外旭川駅・秋田貨物駅を経て、帝石踏切まで2.5キロほど。自転車歩行者道と言いながら、途中で車が通る(規制区間内住民関係車両限定ではあるようだが)箇所がある。
泉踏切横。2012~2015年の間に新しくなった標識は「秋田市」管轄

で、そこの路面にも!

これも前2か所とよく似たペイント。太い線から踏切側に細い点線が伸びているようにも見えるが、これは塗装直後に通りかかった自転車が付けた跡だ(塗りたてを注意喚起をしなかったのか。迷惑)。

文字は「6」か「9」。線を下の法則だと「9」? あるいはアルファベット小文字の「g」?
ここは2020年8月にはなく、それ以前もなかったようだ。

泉一ノ坪の2つは、直線で200メートル強。道路では一直線ではないが、関連はあるのだろう。北側で書き直したのが「P」なのは、「6」か「9」の書き間違い?
白線の左側線路際に白い杭
現地では気付かずに帰ってしまったのだが、杭は東部瓦斯(東部ガス)が、道路か鉄道の用地をガス管を埋めて占有させてもらっていることを示すようだ。使用期間は2021年4月1日から(おそらく以前からの占有の更新)。
2つ上の写真で、踏切と自転車道の標識の間に、柵で囲われた箱が写っているのも、東部ガスロゴ入り。泉踏切周辺に、比較的重要なガス管が埋設されているようだ、ひょっとしてその関係のペイント? 6や9でなく、gasの「g」かも?!

だったら、ガス管が張り巡らされているであろう秋田市内あちこちにこの線があってもいいし、東部ガスさんがこんな雑な仕事はしないでしょうし。
また、八柳側は、元秋田市ガス局(秋田市営ガス。関連記事、2001年に東部ガスへ移管)エリアだったはずだから、配管系統など違うかもしれない。
誰が何のために引いた線と文字なのか。結局謎に終わります。

【18日追記】この直後、さっそくほかに類似の白線を発見したので、続く
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続・旭川地区と添川線のバス停更新

2022-07-12 22:44:03 | 秋田の地理
秋田市手形~旭川地区の秋田温泉線・仁別リゾート公園線と、(旭川地区に含まれるが地名としては)泉地区の添川線のバス停表示板更新が、2021年秋以降にされていた。
以前取り上げたより先方については、取り上げないつもりでいたが、機会があったので少し先・横金線にぶつかる手前(古城苑入口、青山上丁)まで見てきた。

県道15号を北上する、秋田温泉・仁別線側から。
「扇田」の次。
「旭川小学校前」上り
結論から述べると、旭川小学校前~古城苑入口は、ポールがなく上屋の壁がバス停代わりの旭川小学校前下り以外、すべての表示板が新しくなっていた。交換前は、いずれも市営バス設置のナールか?(一部パソコン印字透明シールかも?)
支柱を交換するか、台座を塗装するかについては、個々の状態に応じてまちまち。手形側と同じタイミングで交換されたと考えられる。
「新藤田(しんとうだ)」上り

「旭川団地前」下り

「古城苑入口」下り
「古城苑」というのは、分譲住宅地(古城苑団地というらしい)とか町内会の名前なんだろう。次のバス停は「古城苑二丁目」だが、正式な地名・町名ではない。
由来は分からない。「添川字古城廻」という地名はあるが、もう少し先へ進んだ旭川対岸。関係あるのか? 外旭川の「吉学寺(バス停は廃止済み)」と並んで、よく分からない名称だ。
2018年撮影の上り側


添川線。
未確認だった「三嶽根」は、まだ新しいのでやはり変化なし。「泉一ノ坪」「泉上丁」が交換されて、その次。
「新藤田入口」下り
結論としては、新藤田入口~青山上丁は、1つも交換されていなかった。1枚が市営バスのナールで、残りは移管直後に中央交通が設置したJTCウインRの表示板のまま。文字が読めないほど状態が悪かった、泉一ノ坪と泉上丁だけを交換したことになる。

新藤田は温泉線のバス停名にあったように、旭川対岸に位置する。新藤田入口バス停のそばに新藤田橋が架かっているが、県道15号には明確にはつながっておらず、知る人ぞ知るような橋。
一直線の県道15号と対照的に、添川線は平和公園の山のふもとをくねくねと進む。沿道には住宅もあるが、林や水路もある。
新藤田入口を過ぎると、地名はしばらく(大字)濁川。以降のバス停名は、正式な地名ではなく、町内会などの名前から取っていると思われる。

「平和町」下り

「青山町」下り

「青山町」上り。ここだけナール

「青山上丁」下り

フジか何かのツルがからみつき、背後の森に飲みこまれそう

ここから先は…続くかどうか分かりません。
この後、2022年8月頃の更新
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シニアアキカ申込開始

2022-07-10 23:07:17 | 秋田のいろいろ
先日、そろそろ動く頃かとした、シニアアキカ。7月7日に動いた。

シニアアキカは、「高齢者コインバス事業」専用のICカード乗車券。
高齢者コインバス事業は、65歳以上で手続きした秋田市民が、秋田市内の秋田中央交通の一般路線バスと、秋田市マイ・タウンバス(郊外部の廃止代替バス)を、1回につき100円均一で乗車できるもの(2011年の開始当初は70歳以上だった)。
これまでは、登録時に紙の「高齢者コインバス資格証明書」を発行してもらい、それをバス降車時に提示して、現金100円を支払う方式だった。回数券での支払い不可。
証明書には、顔写真のほか氏名・住所・生年月日と個人情報が満載。バス運転士は顔写真以外の情報を提示されても確認のしようがないし、落とし物になれば悪用される危険もあったと思う。

秋田市と秋田中央交通による一般向けのICカード乗車券(地域連携Suica)「AkiCA」が2022年3月から導入されたのに続き、同年秋頃には、その高齢者コインバス用である「シニアアキカ」が始まるということだった。
※表記は、一般用はアルファベットのAkiCAなのに対し、高齢者用はカタカナなのが正式らしい。ただし、高齢者用もカード面にはAkiCAロゴも表記。
カードに一本化され、紙証明書は廃止される模様。
というのがこれまでのところ。


7月7日。秋田市役所ホームページに、福祉保健部 長寿福祉課 長寿企画担当による「高齢者コインバス事業(地域連携ICカードシニアアキカ)」がアップ(ページ番号1034693)され、詳細が分かった。
市のサイトには、リーフレットのPDFファイル(2種類3ファイル)と動画による説明もアップ。動画は「PIP-Maker」というソフトで作ったらしいが、リーフレットと中身は同じことを伝えているようだ。
今後の流れなどをまとめる。※以下、勘違いの可能性や一部推測している点がありますので、正確さは保証できません。

・シニアアキカは2022年10月開始。
・紙の証明書は2023年3月31日で終了。
→今年10月から来年3月までは、紙とICカードが共存。

・カードのデポジット(預り金)500円は不要。正確には秋田市が負担。

・現時点ですでに対象年齢になっている人と、2022年10月までに対象年齢になる市民には、申込書を郵送。それを送り返せば、2022年9月下旬からシニアアキカが送付される。コールセンターを開設。
→市役所など窓口で引き換えをするかと思っていた。数が多いのと、新型コロナウイルス感染症で外出や接触を避ける意図か。
窓口が遠い市民もいるから、妥当かもしれないが、現在対象年齢でも証明書を持たない(=コインバスを使う気がない)人にも、最初の郵送がされるのは無駄かもしれない。証明書を持つ/持たない市民の比率が分からないけれど。
また、ICカードについて何も知らない高齢者も少なくないはず。対面での説明なしに送り付けて、各自でチャージして使えというのは難易度が高い場合もあるだろう。何らかのサポートが必要では。

・利用開始後に対象年齢に達する人には、誕生月の前月に「シニアアキカ引換証」が送付され、中央交通の秋田駅東口か長崎屋バスターミナルの窓口へ行く。
→一般AkiCAは中央交通が発行元なのに対し、シニアアキカは秋田市が発行すると聞いていたが、どうも違うらしい。リーフレット「実施方法が変わります」には「シニアアキカは秋田中央交通株式会社が発行する地域連携ICカードとなります。」とある。
窓口は秋田市中央部の2つだけなので、それ以外の地域の人は受け取るのが大変な人もいそう。


というわけで、まだ2か月以上あるから、我が家の対象者には、そのうち郵送されるのかと思っていたら、7月8日に届いた!

近年の郵便配達は時間がかかるようなったが、絶妙のタイミング。配達日指定でもしたのか。
一連の申し込み作業は「トッパン・フォームズ株式会社」へ委託したようで、今回の還付先、申込書返送先とも、東京多摩郵便局の私書箱。
封筒裏面

郵送物一式
封筒の中身は、ご案内と申込書を兼ねた紙と、PDFと同じリーフレット2枚、返信用封筒。
申込書には締切日が設けられていて、2022年10月31日必着とのこと。トッパンとの契約が切れるということだろうか。
となると、対象年齢ではあるが、今はコインバスを利用する気がない人が、この後何年かして(免許返納するなどして)利用する気になった場合、どうすればいいのか分からない。改めて市役所へ連絡して、申込書を送ってもらって、中央交通へ行くことになるのだろうが、説明がないのは不親切。

紙の証明書の現在では、ほとんどバスに乗らないが、いちおう証明書を取得したという高齢者もいる。
それがカードになると、1000円単位でのチャージが必須になるので、1度乗ったら、残り900円がいつまでも使い切れないということになりそうだし、プラスチックの無駄になりそう。
そうした人や、どうしても電子マネーになじめない人のため、紙証明書も存続させるということができたかもしれない。


以下、いろいろ気付いた点。
・3%の交通ポイント付与はなし。
以前から告知されていて、当然のこと。リーフレットに記載はないが、ホームページには記載されている。
ただし、個人情報を登録した「記名式」の地域連携ICカードであるからには、「記名式Suica(My Suica)」でもあるはず。
ということは、駅のコンビニNewDaysや秋田生鮮市場保戸野店での買い物で、シニアアキカで支払った場合には、そのSuica部分にJREポイント(旧・Suicaポイント)は付与されるはず。
AkiCAとして、秋田市としては関知しない分野であるのだろうが、初めてSuica系カードを持った人には、JREポイントの存在を知る術がない。(次項も参照)


「実施方法が変わります」リーフレット裏面より
・チャージは現金のみのお支払いとなります。
「現金のみ」とは言い切れない。前項の通り、Suicaの一種である以上、シニアアキカにも、次の2つのチャージ方法もあるはず。
1.JREポイントでのチャージ
前項の買い物で、シニアアキカ自体に貯まったポイントを、シニアアキカの電子マネーにチャージできる。
さらに秋田駅ビルアルス・トピコなどのJREポイントカードを持っていれば、シニアアキカと連携させて、シニアアキカへのチャージもできる。
2.ビューカードでのチャージ
JR東日本のクレジットカード「ビューカード」に限り、チャージできる。クレジットカード側に0.5%ポイントが貯まる。
ビューカードの1つである「大人の休日倶楽部ジパングカード」を所有する高齢者は少なくないだろう。
やはりJR東日本の領分で、秋田市は関知しないのかもしれないし、知らせるとややこしくなりそうではあるが。

・記名人以外が利用してはなりません。記名人以外が利用した場合は、不正使用として当社の定めるところにより処理します。(補足・「当社」は中央交通のこと)
・氏名の印字は、JR東日本のSuica取り扱い駅(略)にて可能です。氏名の印字をご希望のお客さまは、必要に応じてJR東日本の駅窓口(秋田駅等)にお申し出ください。
地域連携Suicaの共通事項として、バス会社等地域事業者側では、カード面に氏名を印字できないらしい。シニアアキカも、カードと個人情報が紐付けられてはいるが、記名はされない状態で届くようだ。
夫婦など同居する複数人がシニアアキカを持つ家庭も多いし、落として拾ったりなんだりで2枚のカードを取り違える可能性もある。意図せずに、他人のカードを使ってしまう可能性もあるだろうし、そうだとしても運転士やバス会社がそれを見抜くのはできるだろうか。
駅に行かないまでも、カードが届いたら各自、ペンで記名するか、裏のカード番号を控えておくのが無難かも。
それ以前に、大量発送時の手違いで、他人のカードが送られてしまうおそれだってないとは言えないだろうし、確認する術がないのでは。


・秋田市外への通し乗車
高齢者コインバス事業は、秋田市内のバス停間相互のみが対象。
秋田市の外まで運行するバス路線は、新国道経由五城目線と新国道経由追分線(天王グリーンランド行き)。※羽後交通(本荘線)は事業対象外。
紙証明書で、この2路線で秋田市内と秋田市外を乗り通す場合は、秋田市側分の100円に加えて、境界のバス停(大清水/追分三叉路)から市外側のバス停までの正規運賃を支払うことになっている。
リーフレットで、その点が説明されている。
「シニアアキカを使っておでかけしよう」リーフレットより
「秋田市内を越えて乗車する場合」として、2つの図が示される。上の図は、上記従来の方法と変わらない。
さらに下に別の図があり、100円が適用されず、通しの通常運賃を払っている。「※運賃が安い方が適用されます。」とある。
ちょっと説明が下手な気がする。
要は、乗車区間の「市内100円+市外分正規運賃」と「市内~市外通しの正規運賃」を比較して、安いほうということだろう。境界バス停で何もしなくても、乗降時に自動で比較・適用されるということなんでしょうかね。
例えば、中野三区~(追分三叉路)~追分小学校入口 を乗車する場合。前者では100円+170円=270円、後者は200円。
後者のほうが安くなるのは、秋田市内側で、境界間近のごく短区間(おそらく初乗り区間)乗った場合のみのはず。該当するケースは少ないだろう。また、その区間をいつも乗る人なら、高齢者でも一般用AkiCAも持ったほうが、ポイントが付いて得になろう。

・ピピッピンポン
チャージ~乗降のしかたは1面を使って説明。それでも、初めてでは理解できない人もいるかもしれない。
以前、一般用AkiCAの利用説明で、降車時の音についての説明が実態と合っていないと指摘した。
「「ピッ」と音がなります。」と表記されていたが、実際には「ピピッ」と「ピンポーン(※)」。それに「鳴り」と漢字表記するべき。※ピンポーンはAkiCAで交通ポイントが付与または使用された時の音らしい【2023年8月3日追記・というわけでもないかもしれない。謎】。
これは、秋田市以外の地域連携Suicaの説明書きでも同じ言い回しなので、JR東日本によるひな形が原因かと推測。説明は極力実態と一致させたほうが分かりやすいのではと、いちおう秋田市役所へ伝えた。

今回のリーフレットでは、
「ピピッピンポン」「鳴ったら」
指摘を受けてかどうかは分からないが、実態と違和感がほぼない表記になっている!
実際には「ピピッ」と「ピンポーン」の間に若干インターバルがあり、音の出どころが違うような気もするし、「ピンポン」ではなく「ピンポーン」としたほうが、より正確。
というか、交通ポイントがないシニアアキカでも「ピンポーン」が鳴るのか。高齢者コインバスとしての割引が適用されたという合図なんだろうか。


最後にリーフレットやホームページに記載がなく、秋田市の管轄外なのだろうが2点。
・マイナポイント
マイナンバーカード取得や、その健康保険証利用、公金受取口座登録で、最大2万円分の電子マネー等のポイントがもらえる「マイナポイント事業」。
現在は、2022年9月末までにマイナンバーカードを申し込んだ人が、2023年2月までポイント申請できる。【9月20日追記・その後、カード申込期限が2022年12月末までに延長された。】

シニアアキカはSuicaであり、JREポイントが貯まるはず。JREポイントもマイナポイント対象(JR東日本のキャンペーンで、さらに1000ポイントもらえる)。
9月までにマイナンバーカードだけ取得しておけば、シニアアキカ受け取り後5か月間申し込みできるはず。

高齢者の中には、マイナンバーカード自体がよく分からず、さらに電子マネー、マイナポイントなどちんぷんかんぷんで、蚊帳の外にされている人も多いだろう。
せっかくシニアアキカを手にするのだから、ポイントをもらわないのはもったいない。秋田市が、ポイント取得をサポートしてやればいいのでは(マイナンバーカード取得のサポートはすで実施している)。国は市町村へマイナンバーカード取得率を上げるよう、発破をかけているみたいだし。

・最期
高齢者向けである以上、当人が亡くなってカードが不要になる場合も多くなろう。秋田市がデポジットを負担してくれて、カードを借りている形なのだろうから、使う人がいなくなったら返すのが義理だと思う。カード内に故人の遺産になるであろう残高があることもある(MySuicaの規定により、それを他人が使うことはできないことになっている)。
本家Suicaでは、死亡を証明する書類と、払い戻しを受ける人の身分証明があれば、遺族が駅で払い戻しを受けられるようだ。
シニアアキカも(一般AkiCAでも)同様だと思われるが、窓口は中央交通か。そうした説明も必要だろう。


シニアアキカが混乱なく、スムーズに始まることを願う。

【15日追記・15日号「広報あきた」No.2013】17ページにシニアアキカの説明。ここでは降車時「“ピッ”と音が鳴り」の表記。

【15日追記・15日付 秋田魁新報「声の十字路(投書欄)」】秋田市雄和地区の64歳の人による「コインバス、硬貨使用も継続を」が掲載。
チャージについて、「私たちの住む雄和地域を走る「マイタウンバス」の車内ではできない。わが家から一番近い(補足・チャージができる場所である)コンビニまでは、車で20分もかかる。」「マイタウンバスに乗ろうにも、どこでチャージするのか。」として、従来の紙証明書も継続してほしいとの内容。
雄和に限らず、車内チャージできない秋田市マイ・タウンバスしか走らないエリアは存在するから、シニアアキカを使いたくても最初のチャージができないという人が存在し得るのだった。
対策としては、マイ・タウンバス車内でもチャージできるように改める、あるいは初回乗車(チャージに行くため)用に100円なり200円なりをあらかじめチャージした状態で、シニアアキカを送付するとかだろうか。
【9月17日追記・9月17日付 秋田魁新報「声の十字路」に、上記に対する秋田市福祉保健部 長寿福祉課長からの回答がようやく掲載】「利用資格の確認と、運賃の精算とを同時に行えるなど、利便性と業務効率の向上が図られる」として、検討の結果ICカードのみにしたと説明。
「マイタウンバスについては、(略)路線バスよりも小さい車両を使用しているため、車内にチャージ機を設置することはできません。」と、理解と乗車前のチャージの協力を求めている。

【10月10日追記・運用開始前後の状況】
見込み以上の申し込みがあったとかで、カードの発送が遅れ、申し込んだのに10月1日時点でカードが届かない人が多数。従来の証明書も使えるためか、大きな問題にはなっていないようだが、なんだか…
10月1日には記念式典が開かれ、市長、JR東日本秋田支社長、(春のAkiCA開始時には代理出席だった)中央交通社長がテープカット。それなのに使えない人が多いとは、なんだか…
10月9日付秋田魁新報に社説「シニアアキカ導入 高齢者に親身な対応を」が掲載。読者欄で指摘されたマイ・タウンバスの件などを挙げ「高齢者がスムーズに移行できるよう、市と事業者には手厚いサポートが求められる。」としている。その中で、「高齢者コインバス事業の対象者は約9万5千人。(注・申し込み者数ではないので、65歳以上の市民の人口ということになろう)」「9月末時点で発送が済んだのは1万人余りにとどまる。」とある。
また、9月30日付 同紙によれば、一般AkiCAの「発行枚数は9月25日時点で約7750枚。」なので、すでに一般向けよりもシニアアキカの枚数のほうが多くなっていることになる。

シニアアキカの続きはこちら
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泉外旭川駅の植物

2022-07-06 23:26:06 | 動物・植物
2021年3月に開業した、秋田市のJR奥羽本線・泉外旭川(いずみ そとあさひかわ)駅。順調に利用されていると思う。

「(着工前~)開業前の秋田市による予測と比べて、開業後の実際の利用者数が少ない」と報道されたことがあったが、それは、秋田市の予測が大甘というかいい加減というかテキトーだったのが原因だ。多めに見積もることで、市議会や市民の理解を得ることを狙ったのだろうけれど。【7日補足・そのことを見抜けなかったのか、指摘できなかったのか、スルーしてしまった市議やマスコミが情けない(駅新設自体は、下記の通り反対ではないです)。】

秋田市の予測は、1日当たり乗車人員(降車は含まない)2118人。
開業後、2022年2月の調査では、平日1124人、休日510人。

予測と実際のズレは事実として置いておいて、実際の乗車数を見る。秋田で1000人超が乗る駅となれば、「利用者が多い駅」と言っていい。
秋田県内で乗車人員が多い駅は、飛び抜けた秋田駅に続いて、土崎駅1779人、追分駅1507人、大曲駅1330人。横手駅以下は1000人を切る。※2020年のデータであり、計算方法も泉外旭川駅とは異なる可能性があり、単純な比較はできない。
新しくできた無人駅が、秋田県内で10位以内であろう利用者数なのだから、泉外旭川駅を造ったこと自体は間違いではない。
それに、交通渋滞軽減、二酸化炭素排出量削減、自家用車に頼らない持続可能な街など、利用者数だけでは測れない開業効果もある。

そもそも、予測段階で土崎駅より多い利用者が見込まれるのなら、駅員を配置することもあり得たと思う。JR東日本からそんな話が出なかったのは、同社としては、秋田市が示す2118が、アテにならない数字であることを分かりきっていたのでしょう。


今回は、泉外旭川駅にある植物の話。
泉外旭川駅下りホーム。背後が秋田貨物駅・土崎駅方向
↑上の写真のように、5両編成までは列車先頭部が屋根末端に合わせて停止。
泉外旭川駅は、上下線が離れた区間にある。上下線の間の、使われなくなった鉄道用地に駅舎が建てられ、外からは地下道で行き来する構造。
上の写真で、左に見える黒い建物が駅舎・地下道階段。奥左右方向の穴が開いた壁は、駅舎とホームを結ぶ渡り廊下みたいな通路。上りホームは駅舎左方だが、下り側よりもホームとの距離が近く、通路は短い。

6月頃から泉外旭川駅で、4つの花が咲いているのに気付いた。
通路。左が駅舎、向こうが上りホーム
通路の秋田駅寄りには、「秋田機関区」や「秋田運転支所」だった建物が残る(今も何らかの形で使われていそう)が、それと通路の間にスペースがある。客は立ち入りできない。
草が茂る中、サビたレールと車止めに、機関車の部品(排障器とか雪かきの類)らしきものがオブジェのごとく置かれているほか、整地された部分もあって、工事業者やJRの車が駐まっていたり、今は電気関係っぽい新しそうなグレーの箱が6つ置かれていたりする。その通路寄りに最初の花。
通路から手が届かない位置に、小さな花壇
木製の枕木の新品で囲っているようだ。
色あせた「アジサイ花壇」の札があり、小さい株にしてはたくさんの花を咲かせたアジサイが植えられている。写真は見頃を過ぎている。
これは2021年7月15日に、男鹿市のアジサイ寺として知られるようになった雲昌寺の苗木提供と指導により、JR社員、地域住民や園児が植えた18本。植えた当初は、もっと大きい苗のほうが…と思ったものだが、1年でここまで大きくなって咲いた。
2021年7月撮影。1株に葉が4枚くらいしか着いていなかった
現状ではもう少し湿り気があったほうがいいようにも思われるが、水やりはしているのか? そして、年々大きくなってこんもりするに違いないが、その時は窮屈になるのでは?


あと3つの植物は、勝手に生えたものだし、見えにくい通路の土崎側なので、知る人は少ないでしょう。
下りホームから

ズーム
草が生え放題の中で、白いハルジオンだかヒメジョオンは別として、大きめの植物が3つ、近接して生えている。
角度を変えて
写真だと分かりづらい。まずは、背が高く枝のように赤い茎を伸ばすのは、街場ではおなじみヨウシュヤマゴボウ。1株だけだが鉄道用地では珍しい。早いもので、房状の白い花がもう咲いている。帰化植物で有毒。

次は、ヨウシュヤマゴボウの両側に1かたまりずつ(上の写真では手前・右のみ)、垂直に伸びた茎から、咲き終わってしおれたような黄色い花が出ている。
これは鉄道用地ではたまに見るかもしれない、マツヨイグサの一種。夕方から朝に咲き、昼にはしぼむ花。
マツヨイグサの仲間は、見分けが難しい複数の種が、園芸植物や帰化植物として定着している。これはオオマツヨイグサかメマツヨイグサ(アレチマツヨイグサ)辺りかもしれない。
※マツヨイグサは「月見草」と呼ばれることもある。白い花の「ツキミソウ」という種も実在し、それもマツヨイグサの仲間という、ちょっと複雑な関係。太宰治が「富嶽百景」で「富士には月見草がよく似合う」としたのは、マツヨイグサのことらしい。

もう1種は、マツヨイグサ以上にまっすぐに天へ伸び、その先に細いトウモロコシもしくはルピナス(ノボリフジ)のような花(花穂)を付ける植物。ちょっと気持ち悪い雰囲気もあって、じっくり見たことはない。
これも線路沿いでわりと見かけ、泉外旭川駅でも数は多い。アジサイ花壇の周りにも生えている。写真ではつぼみなのか咲き終わったのか、花は見えないが、小さい黄色い花がたくさん咲く。
この植物は「ビロードモウズイカ」。やはり帰化植物。
「ビロード」は葉などに毛が生えているからだろう。
「モウズイカ」は外国語のようだけど、「毛蕊花」。でも、ビロードと毛でダブっているような。
「アイヌタバコ」「ニワタバコ」と呼ぶこともあるようだが、タバコとは近縁ではない。葉の雰囲気からの連想か。
たくましい外来植物3種
鉄道用地の草刈りも大変である。泉外旭川駅の線路間の場合、列車運行や乗客への影響はないだろうから、このままになりそう。
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天然水ゼリー

2022-07-04 21:02:44 | 各地お土産・食べ物
JR東日本の駅で売っている「水ゼリー」をご存知だろうか。
要はラムネ風味のゼリー飲料。糖類や香料も入っていて、水そのものだけを固めたわけではない。【5日補足・炭酸ガスは入っておらず、ラムネは味だけ。無果汁。英語表記は「Water Jelly Ramune Flavor」。】
商品名は「From AQUA 天然水ゼリー」。「みずゼリー」じゃなく「てんねんすいゼリー」なんでしょう。
JR東日本ウォータービジネス(2021年春まで)→JR東日本クロスステーションが展開する飲料ブランド「acure made」の1つとして、2020年に発売。
SNSで評判になり、2021年は、エキナカ以外・JR東日本エリア外でも販売(名古屋のJR東海のコンビニ・ベルマートでの販売情報あり)し、計画の2.8倍売れたとのこと。

3年目となる2022年は、280グラム(税込130円)に加え、515グラム(160円)も登場。515は冷凍も可能(中身でなくペットボトルの違いか)。
515g 100グラム当たり56kcal、炭水化物14g
From AQUAは、上越新幹線・大清水トンネルから湧いた水を売ったのが始まりで、水ゼリーもその水を使っているようだ。群馬県みなかみ町の「ハルナプロデュース株式会社」製造。


秋田では、駅の自販機でしか見たことがなく(NewDaysにはあるかな?)、たぶん2021年に初めて買った。暑い時にはうれしい味と食感・のど越し。若干、苦味のようなものも感じるせいか、おいしくないと言う人もいるようだが。
大容量が出ると聞いた時は、多過ぎると思ったが、実際にはそんなことはなかった。暑い時はよりうれしい。

2022年の天然水ゼリーは、515グラム入りが売られていない(売り切れている)という声がSNSで見受けられる。どの駅の何番線の自販機にあったといった情報も。
秋田の場合、
普通に売られている(上段左から3・4番目。280gは中段中ほど)
秋田駅の改札外の自販機には入っていないよう【13日追記・アルス改札口外にはあった】だが、秋田駅5・6番線北寄り(北跨線橋階段下)とか、土崎駅(改札外)の自販機には、2コマ分入っている。
秋田のacure自販機は、場所によってラインナップに偏りがあるので、その一環なのか。


ところで、ゼリー系飲料としては、ポッカ(現・ポッカサッポロ)の「プリンシェイク(缶入り)」が先駆けだろうか。1991年発売らしい。振る回数で食感が変わるという触れこみで、目新しかった。
それ以降、各社からいくつか出ているが、いずれも、かなり強くかつ回数多く振らないと飲める状態にならない。

天然水ゼリーには、「強く振って(縦方向に降るイラスト)」「お好みの食感でお召し上がりください」とある。
ご多分に漏れず、5回や10回振ったくらいでは、飲み口(一般的なペットボトルの口径)から出てこない。縦横30回くらい振ったほうがいいでしょう。あるいは箸など突っこんでかき回して、皿に空けるとか。
【7日追記】開封する前のボトル内を見ると、不思議なことにゼリーでない普通の液体が入っているように見えるので、惑わされないようご注意。

【7日追記・冷凍してみた】凍結したシャリシャリの部分と、ゼリー感が残る部分が混ざって、悪くない。
好みや、タイミングの見極めもあって難しいが、「凍らせる前に振って柔らかくしておく」「カチカチに凍る前に冷凍庫から出す」「食べる時も振りながら(氷とゼリーを混ぜる)飲む」のがポイントかもしれない。

【2023年3月7日追記・2023年シーズンも発売】翌シーズンも発売されることになり、3月7日発売開始(まだ入っていない自販機が多い)。280gが140円、515gが170円と、10円ずつ値上げ。

2024年には新フレーバーが出た
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工事 × 期日前投票

2022-07-02 22:54:44 | 秋田のいろいろ
JR秋田駅の東西自由通路・ぽぽろーど(駅舎と同時竣工の部分)では、2020年から、およそ3年かけて段階的に、天井耐震補強(天井板の落下防止?)工事が行われている。
初回の記事直近は2021年末の記事
残るは西寄りの動く歩道~駅前交番上の階段の区間となっていた。この春からは、動く歩道より西側の最西端で工事が行われている。したがって、動く歩道の上だけが未着工。
東側から。先方の白いのが仮囲いで工事区間
例によって仮囲いが設置され、低い天井に柱が林立。
ここはぽぽろーどの中でも、特に人通りが特に多い上、階段や駅ビル・トピコや駐車場連絡通路もあって人の動きが複雑なので、特に注意してぶつからないように歩かないといけない。

工事区間の西端の階段と並走する上りエスカレーターは、南北とも使用停止。
そして、階段のさらに西にある、通路本体から出っ張った、南北の平らなスペース(名称不明)も囲われて封鎖されている。
(再掲)ベランダ風スペースと記した部分が、今は封鎖中(北側)

(再掲)
この北側スペースには、大切な役目がある。
選挙の期日前投票所。※過去の記事
運悪く、参議院議員選挙(ポスター掲示場の記事)と重なってしまった。というか、任期が決まっている参院選だから、工事中に選挙があることは前から分かる。工事と重なってもなんとかなるという、判断だったのだろうか。

投票所入場券や秋田市選挙管理委員会のサイト(階層が複雑で分かりづらい)では、今選挙でも、ぽぽろーどに期日前投票所が設けられることになっている。今回に限らず毎回同様なのだが、公示日からでなく7月3日から7日間のみの設置。
従来の場所では絶対にできないから、場所が多少なりとも異なるのは確実なのに、その旨の説明がないのは不親切だが、やるのだろう。
どうする?
外から北側の出っ張り。今回はここではできない
過去記事のように、夏の選挙ではガラス張りで暑くなるため、すだれが下げられていた。今はシートが下げられているようだ。
(再掲)左が記載台、右が受付


7月1日に通りかかったら、工事区間より西側の通路に、選管職員らしき人が来ていた。
左奥が工事区間
通路本体南側の、幅半分程度をパーティションで囲っている。ここを期日前投票所にしそう。
そこそこ広い

従来の出っ張りの投票所では、「つ【3日補足・Uでいいか】」の字に周って、入口と同じ場所に戻って出る動線(もちろん一方通行で入/出は分離)。立会人はいちばん奥にいて、投票箱は立会人の前と、もう1つある時は出口の直前に置かれていた【3日補足・つまりいちばん奥の折り返し地点が、立会人と投票箱】。
順番待ちの列や、宣誓書記入台は、通路本体北側に西方向に並んだ。

今回の投票所は、出入りできそうな口が、東西に1つずつあった。
おそらく西から入って、一直線に流れて、東から出る感じか。整列と宣誓書記入はスペース的に西側でないと無理なので。
【4日・結果を追記】予想通り、西側が入口・東側が出口だった。立会人は東側の2つ目の投票箱前。窓側に人がいないような配置になっていたせいか、すだれはなし。それにしても、「期日前投票所」の表示が目立たず、東・駅改札口方向から来た時(↓下の写真の視点)は「出口」の表示しか見えない(そこに職員1人は配置)。もっと分かりやすくしなければならない。

東側・工事区間側から。先方左のパーティションが出口か?
この1週間は、さらにごちゃごちゃした場所になってしまいそう。マスコミの出口調査もうろうろするだろうし。

北側でなく南側にしたのは、点字ブロックとの干渉や、ベンチの移動が不要だからか。直射日光が当たってしまいそうだが、暑いのはどっちでも同じかな。やはりすだれは必要か?
南側の芝生広場から▼の間が期日前投票所

【4日追記・南側の出っ張りについて】南側では、エリアなかいちの「秋田犬ステーション」からお散歩してきた秋田犬を、ゲージというか囲いの中で展示する「秋田犬サテライトステーション」が行われていた。それ用の囲いがいつも置かれていたが、現在は下の交番前に移され、そこで展示をしているらしい。

※工事の続きは2022年10月
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