広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

石川駅と石川駅

2017-08-07 23:55:00 | 津軽のいろいろ
大仏公園のある、弘前市石川の鉄道事情。
前回触れたとおり、石川地区はJR奥羽本線と弘南鉄道大鰐線、さらに県道260号線を弘南バスも通っている。合わせれば毎時2本は運行されているので、地方都市の郊外としては意外にも利便性は高いと言えるかもしれない。

このうち、「石川駅」は、JRと弘南鉄道それぞれの駅が異なる場所に存在する。石川駅は2つあることになる。
JR奥羽本線は大鰐温泉-石川-弘前、弘南鉄道大鰐線は(大鰐側)-石川プール前-石川-義塾高校前-(中央弘前側)と駅が並ぶ。石川プール前駅は、所在地は石川ではないようだが、市のプールの施設名からして石川が入っている。広義には石川に含まれるのだろう。JRの石川駅にいちばん近い弘南鉄道の駅は、義塾高校前駅。

大仏公園のほか、石川地区の中心部、道の駅ひろさき、円筒分水へ行くには、弘南鉄道の石川駅が近い。
今回も弘南鉄道の石川駅へ降り立ちたかったのだけど、大鰐での秋田方面のJRからの接続があまり良くなく、それならばとJRの石川駅で降りて歩くことにした。

秋田9時45分発大館行き普通列車は、大館から8分の待ち合わせで弘前行き普通列車に接続。弘前行きは「毎日運転の臨時列車」扱い。
大館行きは2両編成ワンマン運転で、大館1番線着。
弘前行きは2番線発で、それなりの乗客が跨線橋を渡って乗り継ぐ。こちらも2両編成ながら、車掌が乗務。

石川到着。私立東奥義塾高等学校の最寄り駅なので、夏休みに登校する/したであろう生徒が、何人か降り、それ以上が乗りこんだ。
JR石川駅ホーム。列車は後部側
石川駅はホームが3本。下り列車は駅舎と直接つながる1番線に入る。
駅舎・出口のある側は、住宅が並び、東奥義塾高校や弘南鉄道大鰐線がある。反対側は田んぼが広がる。

JR石川駅は、1916年に開業している。この区間の奥羽本線は1895年開通だから、少し後。1971年までは有人駅だったそうだ。(現在も、弘前から駅員が出張する場合があるかも)
1987年には、東奥義塾高校が近くに移転(それ以前は弘前公園向かいの現在観光館のところにあったそうだ)してきている。弘南鉄道の義塾高校前駅は、その時に開業。

この駅に降りたのは初めてのはずだけど、そうじゃない感覚にとらわれた。
これまで秋田と弘前の往復で何回も車窓から見ているし、この駅から大鰐温泉方向(長峰まで)は単線であるため、行き違い待ちで長く停まる場合もある。弘前の1つ隣の駅ということもあり、記憶に残っているのだろう。
でもやっぱり初めての駅。駅の外へ出られる通路を見つけたのだけど…
左に「ここは通路ではございません。駅舎をご通行ください。」
ここを通ってもまったく問題はなさそうなのに。おそらく、外側に車が停まっていれば危険なのと、きっぷ回収箱(場合によっては駅員の集札場所)がないというのが理由だろう。
正式な出口はそのちょっと先。
階段は跨線橋、右が駅舎
写真を撮り忘れたけれど、跨線橋は屋根付きの立派なもの(積雪地では標準的とも言える)。
駅舎を通って外へ出るには、連続した2つのドアを通るだけ。その間に別棟みたいな配置の待合室がある。
ホーム側の屋外にあるのが一般的な「きっぷ入箱」(回収箱)は、駅舎の中にあった。Wikipediaによれば自動券売機があることになっているが、見忘れた。あるとすれば、食券券売機風のものがここにありそう。
左のドアが駅の外、奥が待合室、ホームは右

JR石川駅外観
右側の建物がホームにつながる部分。左のコカ・コーラの自販機がある大きい建物が待合室と物置。
その向こう、マイクロバス(弘前市内のクリニックの送迎)との間が、さっき通行禁止だった部分。
駅舎内外とも、比較的最近、リニューアルされた雰囲気。いつ建てられたのかは不明。
なお、公衆電話あり。トイレはないとの掲示あり。

駅前には、それなりに人家があるものの、前の道路はほとんど車は通らない。それもそのはずで、この道の弘前方向はすぐに行き止まり。反対側は、
大鰐方向の道
行き止まりと反対の大鰐方向はちょっとした坂道で、途中で東奥義塾高校や弘南鉄道義塾高校前前駅への道が分岐する(というかそちらがメインの道で、JR石川駅の道のほうが分岐するのか)。JR石川駅と弘南鉄道義塾高校前駅を行き来するには、地図上で見るよりも遠そう。

【14日補足】駅前ががほんと広いことからすれば、もしかしたら昔は貨物を扱っていて、リンゴなどが運ばれていったのかもしれない(憶測で根拠はありません)。道路沿いには、新しい家に混じって、歴史がある立派な造りの家もあり、坂道とともに風景に独特なアクセントを与えている。


JR石川駅から弘南鉄道石川駅を目指して、大鰐方向へ歩く。
2つの石川駅は、直線で1キロ強離れている。JRのほうが北・弘前市街地寄り。
道のりでは、最短では1.5キロほどのルートがあるようだが、リンゴ畑の中の細い道などで分かりづらいかもしれない(冬なら除雪されないかも)。今回は、他の訪問場所の都合もあり、1.9キロと遠回りながら確実ないったん県道260号線へ出るルートを歩いた。

くねくねした道を歩くとすぐに、
左に踏切、上に高架
「石川踏切」でJR奥羽本線を渡る。線路はまだ駅構内という位置づけのようだ。
その先では、高架というか橋になっている弘南鉄道大鰐線が、奥羽本線をまたいでいる。
JR、弘南鉄道とも車窓からは何度も眺めている光景だが、道路から見たのは初めて。

踏切を越えると、平坦になりしばらくまっすぐ。
サークルKがある丁字路交差点で、県道260号線に出るので、右折。
奥が大鰐方向、右が踏切方向
県道は旧羽州街道。旧国道7号線でもあるのだろう。歩道がない道路に、お店、元お店、金融機関、駐在所などが立ち並び、石川地区の中心地だったことがしのばれる。裏には日帰り温泉もある。いくつかある弘南バスのバス停は、下り(碇ヶ関方面)側にしかポールが置かれていないようで、弘前方面へはその向かい側で適当にということだろう。

しばらく歩くと石川郵便局、「中央石川」バス停があり、その先に押しボタン式信号。そこを右折すれば、弘南鉄道石川駅。
振り返って奥がJR石川駅方向、左が弘南鉄道石川駅方向。バスがいる所が中央石川バス停
大仏公園への誘導表示はたくさんあるが、弘南鉄道石川駅はこっちという表示類はなかったはず。あってもいいだろうに。
曲がらずに県道を進むと、すぐに平川を渡る。こちらは後日。

曲がった道は、家が立ち並び、緩くカーブしていて先は見えないが、道なりに進み、弘前市石川児童館の先で右に大きくカーブして、
弘南鉄道石川駅到着
道は駅を回りこむように左へ曲がり、踏切を渡る。大仏公園へはその先を左折。

弘南鉄道石川駅舎
JR石川駅と比べると、大きくて多少立派な構え。でも、古く、見かけほど大きくもない。
窓口跡などもあり、かつては有人駅だったことが分かるが、現在は無人駅。こちらの石川駅も公衆電話あり・おそらくトイレなし。自販機はこちらはダイドー。
ホームは行き違い可能な島式1面2線。駅舎とは構内踏切を渡る。ワンマン運転なので、乗降ともいちばん前のドアから。
ホームから。構内踏切のすぐ隣が道路の踏切。その向こうはリンゴ畑

それにしても、弘南鉄道石川駅の駅舎は、正面側に台形を逆さにしたような壁状の飾りが付いている独特の形状。既視感があるのだけど、その理由はこれ。
弘南鉄道大鰐線弘高下駅
同じ路線によく似た構造の駅舎がもう1つ存在し、それを見慣れていたから。ただ、比較すると、台形の角度など細かな造りは異なる。

弘南鉄道大鰐線は、1952年に「弘前電気鉄道」として開業、1970年に弘南鉄道に譲渡されている。
石川駅も弘高下駅も1952年から存在するので、当時の駅舎が使われ続けているようだ。

「いしかわ」駅名標
大鰐線の駅ではたまに見られる、ホーローの駅名標も、弘前電気鉄道時代からのものだろう。
だけど、「  いしかわ」と上に2文字分の空白がある。うっすらと見えるが「しん」が消されている。

そう、弘南鉄道石川駅は、かつては「新石川」という駅名だったのだ。
1986年に新石川から石川に駅名が変更されている。同時に「弘南大鰐」駅も大鰐(当時は奥羽本線も大鰐駅)に変更されている。
奥羽本線の駅名に合わせたということなんだろうか。しかし、1991年には奥羽本線のほうが大鰐から大鰐温泉に改称されてしまい、再び駅名が違うことになった。
石川のほうも、奥羽本線の石川駅とは大きく離れているのだから、かえってややこしくなってしまったと思う。新石川を使いたくないのなら、「本石川」とか中央弘前駅やバス停にならって「中央石川」にしたほうがよかった気もする。
2008年の西弘前→弘前学院大前、城南→聖愛中高前の唐突な駅名変更もあったけれど、弘南鉄道は駅名をもっと大事というか慎重に考えるべきではないのだろうか。
【9日追記】弘南大鰐にしても新石川にしても、「弘南じゃない大鰐」「新じゃない石川」が存在することによる駅名であり、それは国鉄の駅。だから、国鉄の駅名ありきの駅名であることに嫌気が差したのか、あるいは国鉄と対等な立場なんだと主張したくて、駅名を変えたのかもなどと妄想。でも、大鰐駅については、弘前電気鉄道時代は「大鰐」だったのを、弘南鉄道が譲受時に「弘南大鰐」にしている。

駅舎正面のオレンジ色(だいぶ色あせた)の表示は、左端に「弘南鉄道」と小さく書いて「石」「川」「駅」となっている。弘高下には「弘南鉄道」はない。
おそらく、かつてはここに「新」があって、変更時に代わりに「弘南鉄道」としたのだろう。
【9日追記】コメントで指摘いただいたように、構内踏切の上の白い表示は、右側に1文字分を撤去したような痕跡がある。「新」を抜いて右に詰めた可能性がある。


自販機の裏、公衆電話の横には、
水飲み場?
ハチが飛んでいて近寄れなかったので、水が出るのかは不明だが、水飲み場らしきものが。蛇口は回転しなくて水は飲みづらそう。手洗い場とか流しかな?
蒸気機関車が走っていた駅では、すすで汚れた顔を洗う流しがホームに並んでいたそうだけど、ここでは単なる衛生面での設置か。
裏面
だいぶ欠けたりはがれたりしてはいるものの、タイルがランダムにはめられたレトロな雰囲気。

これとよく似たものが、弘前と黒石を結ぶ弘南鉄道弘南線の運動公園前駅にもあった。
(再掲)運動公園前駅の流し
全体の破損が激しく、蛇口が回せなくなっているが、タイルの色が違うだけでそっくり。

弘南線は、弘前電気鉄道とは無関係な元からの弘南鉄道の路線であるし、運動公園前は1977年開業。
石川駅の流しは、駅開業時からあったのかと思ってしまうが、ということは昭和50年前後に弘南鉄道によって設置されたのだろうか。

石川の町の話題はいずれまた

【14日補足】2つの石川駅を徒歩移動する場合、少なくとも県道経由では目立った危険はなさそう。ただし、歩道がなく一部カーブもあるので、車に注意することと、特に夜間は安全・防犯面の注意は必要。
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2 コメント

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新石川 (FMEN)
2017-08-08 01:18:28
なんか新幹線みたいなのも問題でしょうか。
ちなみに、石川駅の看板はホーム側の駅のパネルの右に何やら跡がありますね。
これ、新をはずして左に詰めたために空いた部分では。
秋田市内は私鉄が無いからこの感覚、なかなかわかりませんね。
もしあれば、秋田市の都市開発はちがっていたのでしょう。
国鉄ありきの新石川 (taic02)
2017-08-09 00:28:37
構内踏切側の白い表示。気づかなかったですが、たしかに1文字撤去したような跡がありますね!

新石川は東海道新幹線よりも先に開業していますが、今となっては新幹線っぽいですよね。新幹線でないのでは新大久保が大正時代からあるようです。
「新」とあるからには、「新じゃない」のがあって、弘南鉄道としてはそれが国鉄の駅名であった。つまり国鉄石川駅ありきの自社新石川駅という命名が気に食わず、国鉄と対等な石川駅としたのかもしれません。

地方私鉄は路面電車ともまた違う存在。
昔の弘前は大きくない町に2社が存在したわけで、大鰐線は市の西側へ延伸する計画まであったらしいです。
今は廃止騒動もあって持て余し気味ですが、なくしてしまうのはもったいないです。よそ者の感傷かもしれませんが。

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