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太宰治生誕記念弁当

2012-11-15 23:01:18 | 津軽のいろいろ
過去にも紹介してきた、津軽地方ならではの弁当群「津軽弁」。
必ずしも「駅弁」ではなく、複数の製造元から次々に発売され、同じ場所でいつも全種類を買えるわけでもなく、なかなか全貌をつかめない。

先日、弘前駅自由通路の売り場で、新しいものに出会った。
記事冒頭の写真がそれ。その名も「津軽」、正式には「太宰治生誕記念弁当津軽」。800円。
「生誕記念」とは「生誕100周年記念」ということらしいから、2009年発売か。

製造元は五所川原駅近くの五所川原市内の個人名で、カッコ書きで「屋号 つがる惣菜」とある。
太宰治の出身地の金木町は現在は合併で五所川原市になったし、弁当の掛け紙の写真が津軽鉄道の写真なので、五所川原駅の駅弁かと思いそうだけどそうではなく、元々は新青森駅で売られたらしい。それが弘前でも売られていることになる。
おしぼり、簡単な品書き付き。爪楊枝はなかったかな

大きな容器ではないものの、びっしり
品書きを基に、上の写真の左上から時計回りに紹介すると、
いなり寿司、若生(わかおい)のおにぎり、鮭の飯寿司、イカメンチ、かぼちゃ餅、すしこ、もっこり卵のだし巻き卵、きゅうりの漬物(辛子風味)、味付身欠き鰊、中央が帆立黄金焼き。
「もっこり卵」は「津軽半島産の高級卵」だそうで、東津軽郡蓬田村の養鶏会社のブランドらしい。米は青森県産。

以前紹介した別の弁当と同じく、赤いご飯のいなり寿司やイカメンチ(イガメンチ)が入っていて、これは津軽弁のほぼ必須アイテムといえるかもしれない。
イカメンチは、ものによっては生臭さが強いこともあるが、この弁当のは甘くて食べやすかった。
いなり寿司と若生のおにぎり
「若生のおにぎり」は、柔らかい昆布を巻いたおにぎり。津軽の北のほうでは、昆布の1年ものを「若生昆布」と称して、煮物やおにぎりに使うそうだ。
「若生」という名前と正体は今回初めて知ったが、そういえばこれもたまに津軽で見かける。高菜おにぎりのように全面を昆布で巻くこともある(そのほうが一般的か)。
鮭の飯寿司は、盆や正月のごちそうとして食べられるそうだ。ご飯は少なく、マリネみたいな感じ。
すしことかぼちゃ餅
「すしこ」は、前にも食べたし、秋田県の一部地域にも存在する「餅米の漬物」。この弁当に入っていたのは、赤シソの味とともに、かなり酸っぱかった。
北海道の芋餅のカボチャ版みたいな「かぼちゃ餅」は、甘くてお菓子のよう。(かぼちゃ餅も北海道でも食べられているようだ)


全体的においしかったし、奇をてらったものでない、津軽伝統の家庭料理の詰め合わせのようで、これぞ本当の津軽弁と言える商品かもしれない。
同じ製造元の別の津軽弁

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