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秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

登場! 循環バスとEVバス

2012-07-21 20:24:57 | 秋田のいろいろ
今日、ついに中通一丁目の再開発事業でできた「エリアなかいち」が正式オープンした。
北西角・広小路から。奥が秋田駅方向
なかいちの件は置いておいて、何度か取り上げている(前回の記事)通り、今日、2つのバスに関する動きがあったので、そのお話。
※繰り返しますが、2つはまったく別物です。混同しないようご注意ください。

●中心市街地循環バス
今日から、秋田市が実証運行として秋田中央交通に委託して運行する100円循環バス。項目を分けて紹介します。

・告知
秋田市ではカラー刷り裏表のリーフレットを作成したようだ。実物は見ていないが、都市整備部まちづくり整備室のサイトにPDFファイルでアップされていて(http://www.city.akita.akita.jp/city/ur/rd/100yen_bus_tirashi.pdf)、時刻表や路線図のほか沿線施設などが紹介されている。
また、沿線にある中通総合病院のホームページにも、循環バスが走る旨が掲載された。

秋田市では、都市整備部まちづくり整備室が所管するはずだけど、なぜか同じ都市整備部だけど交通政策課のホームページには、第1便に合わせて出発式を行うことと、第1便の乗客に記念乗車証と記念品をプレゼントすることが掲載された。

「大歓迎 街ん中巡る循環バス」
本格的な路線バス運行は初となる南大通りでは、南通商店街振興組合による“大”歓迎の垂れ幕横断幕が出ていた。
【29日追記】垂れ幕じゃなく、横断幕でした… 南大通り内に同じものが、少なくとも他に2か所に設置されている。


・バス停掲示
各バス停には、掲示スペースが2つあったが、何が張られたかというと、
通町。黄色い紙と白い紙、どちらもカラー印刷(他のバス停も同じ)

 
黄色いのがバス停順付きの時刻表。買物広場止まりの便(駅まで行かない)に色が付いていたり、1時間ごとに枠を作って、ダイヤの量的配分が分かるようになっている。
白いのが地図をベースにした路線図。
特に新しい情報はないけれど、必要十分な情報は提供されているのではないだろうか。強いて言えば、通町のような駅行きの一般路線バスと逆走する区間では、その旨の説明書きがあってもいいと思う。


・車両
使われる車両は「25人乗り」という話だったので、日野リエッセかと妄想していた。
ところが、乗務員訓練に使われていたように見えた車両は、いすゞエルガミオの寸詰まり版だった。(前回の記事で「834」を見かけたとしていたが、その後同型の「835」も見かけた)

結局、使われたのは、
短いエルガミオでした
おそらく1999年頃の製造のワンステップ車で、小田急バスからの移籍。どうも男鹿営業所で使われていたようだが、循環バス用に白羽の矢が立って秋田営業所に移籍したようだ。
今日は、訓練運転時に見かけた834と835の2台が使われており、無線ではそれぞれ「1号車」「2号車」と呼ばれていた。

このタイプのエルガミオは、一般的な中型バスより2メートル短い、車体長7メートル。(現在は製造されていない)チョロQみたいでかわいい。
立席を含めた定員は40名くらいらしい。座席数はたぶん19名分。
当初の「25人乗り」というのは何だったんだ? まあ、当初よりは増えたのだからいいけど。

行き先表示には、ちゃんと「中心市街地循環バス」と表示される。
乗った時に運転席の行き先表示設定器の対照表を見ると、「中心市街地循環バス」「回送」「秋田中央交通」の3コマしか表示できない感じだった。(実際には「男鹿駅・船川」とか前使っていたコマがいろいろ残っているのかもしれないけれど)

また、正面のゼッケンというかエプロン状の「バスマスク」と、車体側面の行き先表示の下にシールで、水色地に「中心市街地循環バス/100ワンコイン」とも表示。

別の車両が使われる場合もある


・ダイヤ
1日で21周することになっているが、途中で3か所間引かれるダイヤがあって、きれいな20分間隔ではないことは先に紹介した。
てっきり、1台のバスが(途中で乗務員交代するかもしれないけれど)ぐるぐる回り続ける単純なダイヤかと思っていた。
しかし、そうではなく、上記の2台のバスが交互に走っていた。単純に1便ずつ交互ということでもなく、意外に複雑そう。


・乗ってみた
南大通り・中通病院前から通町まで乗ってみました。従来なら不可能だったルート。
南大通り・中通病院前には、2分ほど遅れて到着(したかに見えた)。
1人降りて、乗ったのは僕1名。他に3~4人乗っていた。

乗車時には、整理券を取ることになっていた。
買物広場が券番号1番で、バス停ごとに1つ数字が進むようだ。乗車状況の調査に使うのだろう。

中古ノンステップバスの一部と同じく、このバスも1999年の小田急バスの車両だから、座席の背もたれが硬い。布のすぐ下にベニヤ板があるような座り心地で、長時間乗車はつらそうだから、循環バス向きか。

車内放送は、中央交通の一般路線バスと同じ声・内容。(音声合成だから、「中心市街地循環バス」というフレーズだけ新たに収録すれば、他は既存バスの音声データからの流用で対応できそう)少なくとも乗った区間内では、広告(CM)はなかったはず。
【29日追記】広告放送は全区間で流れない模様。車内の窓ガラスには、循環バスを意識した中通病院グループの広告が掲出されている。
中ドアが開いた時の車外スピーカーの放送(一般路線なら「◯◯経由××行きです」)は「中心市街地循環バスです」。「中通六郵便局前」のことは「中通六丁目郵便局前」と言っている。

買物広場や秋田駅西口で、降りたり乗ったりして多少の入れ替わりはあるが、乗っている人数としては常に5人以下。
遅れていたから、買物広場では時間調整せず、そのまま発車。
運転士が、無線でもう1台のバスと現在位置などをやり取りしていた。それによれば、乗っているバスはなんと「20分遅れてる」という。2分遅れではなく、22分遅れらしい。つまり1周分遅れていたのだった!

秋田駅前から広小路は、土曜日なのに加えてなかいちオープン関連(来客よりもイベント撤収関係の車が多かったような)で渋滞気味。結局、遅れは30分近くになった。
なかいちに出入りする関係者の車で渋滞気味
なかいちの最寄りバス停である千秋公園入口と木内前からは、親子連れや年配の奥様連れがぞろぞろと乗ってきて、座席がほぼ埋まった(計15人くらいか)。なかなか盛況。

ポールが一般路線バスとほぼ同じデザインということもあり、知らない人には乗り場を見つけにくいようだ。
千秋公園入口バス停で、次項で取り上げるEVバス試乗会のために配置されていた県職員に乗り場を教えてもらったと話す奥様もいたし、ドアが開いたからとりあえず乗って「ほんとうの乗り場はどこ(どのポール)なの?」と運転士に尋ねる人もいた。
やっぱり、専用の表示板の設置が必要かもしれない。

ところで70歳以上の秋田市民は、発行してもらった証明書を提示すれば一般路線バスに100円で乗れる。
この循環バスは、その適用対象外(というか誰でも100円なわけだから)なのに、循環バスから降りる時に証明書を提示しているお年寄りがいらした。いつものクセでついしてしまったのか、運行初日だからまだよく理解されていないのか。

通町で下車。いっしょにもう1人降りて、数人が乗ったようだ。
と思っていると、直後にもう1台の循環バスがやって来た。
後続車が追いついてしまった!!
こちらはガラガラ。
「弘前さくらまつりの時の土手町循環100円バス」状態だ。(向こうは10分間隔だから、10分遅れると追いつかれる)


・今後に期待
15年前に秋田商工会議所が運行した「無料買物バス」は失敗(自然消滅?)、再開発当初に計画されていた無料の乗り物(タウンビークル)は計画倒れ、そして試験運行とはいえ、やっと秋田の市街地を循環バスが走るようになった。
初日なのに、けっこうお客さんがいたのは何よりだった。
循環コースの半分ほどが既存一般路線バスと重複していたり、沿線に目玉になるような施設がない(弘前の100円バスは大学病院と弘前城がルート上にあるのが成功の秘訣だと思う)し、遠方(中心部以外)から来る人には利用価値があまり高くないかもしれない。100円という運賃設定は客としてはありがたいけれど、経営上果たして適切なのか分からない。
あるいは、中心部に限って、一般路線バスの運賃を100円とか150円の定額に値下げしたほうが手っ取り早いかもしれない。(静岡市、静岡市清水区、金沢市、鳥取市などで実施している)

それと、循環や100円は別として、秋田駅や通町と南大通りや中通病院を結ぶ路線バスができたことの意義は大きいと思う。
かねてから、秋田市の路線バス網は「空白域」が多く、抜本的な見直しが必要だと考えていたが、うまくいけばその解消につながるかもしれない。

個人的には、駅周辺の一般路線バス160円区間をよく利用する(買物回数券を使っても115円相当)ので、多少時間がかかっても100円ならうれしい。真夏や真冬は特に助かるから、利用の機会が増えそうだ。

※続きはこの記事中ほど




●EVバス
秋田県が県内企業とともに開発中の電気で動くバス「EVバス」、愛称「elemo AKITA」が完成し、今日、午前中にエリアなかいちでお披露目が、午後に3回、市街地で県民を対象に試乗会が行われた。
将来的に秋田市街地で運行するとはいうが、今のところ直接的にはエリアなかいちと関係はない。
今日、お披露目を行ったのは、こじつけがましいというか取ってつけたような感じがする。

上記、試乗会場にいた県職員に案内されて循環バスに乗ってきた年配のご婦人も、「(EVバスって)何なんだか分がらねぇ(存在目的も、今日ここに人が集まっている目的もというニュアンス)」と話しておられ、やっぱり混乱を招くと思う。
一方で、そのご婦人といっしょにいた別のご婦人は「あれ、新聞さ出てたべ」と話したり、小さな女の子を連れたお母さんがEVバスを見て「ほら! あのバス、電気で動くんだよ」と教えるなど、知っている人は知っている。

試乗会は、千秋公園入口バス停を起点とする20分ほどのコースで、上記の通り、千秋公園入口バス停にスタッフを置いて事前に乗車整理券を配ったようだ。
ということで、試乗会に乗らなくても、駅前から広小路辺りをブラブラしていると、何度かEVバスを見られた。
秋田駅前を通過!
黒っぽいから、カメラの露出設定が難しい。


買物広場
試乗会の途中では、買物広場バス停に立ち寄り、試乗客を乗せたまま充電を行ったらしい。
本来の性能ではこの程度の運行距離なら充電不要のはずだが、デモンストレーションだったのだろう。
 充電中
ところでこの急速充電器、前回触れた通り、由利本荘市に子会社がある「新電元工業」製との新聞記事なのに、実際には「NTTファシリティーズ」ブランドだった。
(再掲)昨日見た時も同じだった
でも、今日は、
「新電元」のロゴが追加!
何なんだ?(NTT FACILITIESロゴもそのまま)

ちょっと運転席をのぞかせてもらうと、
シフトレバーがあった
エルガミオのディーゼル仕様と同じ(というかそのまま流用した)、フィンガーシフトタイプのレバーのようだ。
電動ならシフトレバーは要らなそうな気もするけど、よく分からない。

「一般乗合」表記だから必需品なのかもしれないが、運賃箱がもう設置されているし、自動放送装置もあるようだ(窓側に操作ボタンが見える)。座席生地はエルガミオの標準タイプかな。

発車する様子を見たけれど、トヨタプリウスや最近の電車と同じような、インバーター制御でモーターを使って加速するような音だったはず。
だけど「プシュ」といういすゞ車らしいギアチェンジの音もしたのが不思議。

気に入らないのが、行き先表示のLED。
「秋田中央交通」
中央交通もこの開発組織(あきたEVバス実証コンソーシアム)の一員であり、実際の運行や車両管理を担っているはず。だから車体に中央交通の名が書かれるのは、当然。
でも、初お披露目・試乗会の時に、行き先表示に「秋田中央交通」はないんじゃないだろうか?

知らない人が一瞬見ただけでは、まるで中央交通が全額を負担して導入した車両のように思われかねない。
他の参加企業の資金、そして県民の税金が使われているのに。
この場合、「試乗会」や「試運転」という表示を用意するとか、あるいは「秋田発 EVバス誕生!」とか「elemo AKITA」のロゴとかスギッチの絵とか、ちょっと凝った表示を作って表示するべきだと思う。

※EVバスについて、翌日の記事もあります
※充電や試験運転? の模様はこちら

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